ビジネスには様々な戦略があり、当然ながら業種、業界によって異なるスタンスによって様々なビドネススタンタードを選択しています。
そんな中、特に製造業に関わるビジネス戦略としてSPAがあります。
というわけで今回は「10分でわかる!SPA(製造小売業)とは」について詳しく説明致します。
10分でわかる!SPA(製造小売業)とは①【SPA(製造小売業)とは?】
「10分でわかる!SPA(製造小売業)とは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「SPA(製造小売業)とは?」です。
現在では既に様々なビジネスモデルが存在していますが、業種・業界によって顧客に対してのアプローチ、売り方、見せ方といういのは全く異なる性質があるものです。
当然のことながらビジネスを成功に導くには、様々な要素を組み合わせた上でのマッチングというのが必要な最低条件となります。
業界によって異なる様々な手法におけるマッチング度をいかに高められるか?ということが基本として必要となりますが、特に近年、アパレル業界を中心として広がりつつあるのが、SPAです。
製造業や小売業に関わる方なら、ご存じかと思われますがSPA=製造小売業をご存じでしょうか?
SPAとは、製造~販売までを一体化して行うシステムのことです。
特に近年注目されているビジネスロジックということではなく1990年代頃から既に注目されています。
情報化社会となった近年においてもSPAを導入する企業は、続々と増えています。
多くの企業で導入されているSPAには、いったいどのようなメリットがあり、メリットだけではなく、デメリットというのも、もちろん存在しているのではないでしょうか?
SPA(製造小売業)は、製造から販売までの全てを自社に行うこととなります。企業内に専門のセクションを設け自社にて一括で業務全般を管理できることで、無駄な行程を省くことができます。
一般的な小売業では、商品はメーカーから仕入れることになります。
つまり、流れとしては下記のようになるため、それぞれの段階において3つの企業が関わることになります。
こうなると各企業間での連携や情報交換、取引などが行われるわけですが、他業者間の取引ですからビジネス上、全ての情報を共有されることはありません。
普通に考えても自社にとって不利益な情報というのは開示しないわけです。
他社より少しでも良い条件で取引するためには、情報戦も大事な企業戦略の1つと言えます。
上記のような一般的な流通フローに対してSPA導入企業は全てを1社のみで行えます。つまり不要な取引が必要ありません。
このことから、判断はスピーディーに行えますし、自社の戦略そのものの良し悪しも自社で判断することができるのです。
もちろんSPAがビジネスの選択肢として最善というわけではなく、決してメリットばかりではなく、デメリットも当然あります。
しかしながら、長期的な視点にたってみればデメリットよりメリットのほうが大きくなります。
10分でわかる!SPA(製造小売業)とは②【SPA導入企業の実例】
「10分でわかる!SPA(製造小売業)とは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「SPA導入企業の実例」です。
日本国内のSPA導入企業に目を向けるとわかるのは、そもそも導入していたのは製造業だった企業が小売店舗を持つというケース、もう一つは、その逆で小売業から自社工場を持ったケースがあります。
では、具体的にSPA導入企業を導入している企業についてふれていきましょう。
【ファーストリテイリング】
世界的な有名企業であるファーストリテイリングを代表するのは、「ユニクロ」。
低価格でクオリティの高い品質の服を提供しており、老若男女から、男女問わず幅広い年齢層からの支持を得ている人気アパレルブランドを展開しています。
ユニクロの他、GUなどの他ブランドも展開しています。
ユニクロ、GUという人気アパレルブランドは、SPAを導入しています。
質の良い商品を安価な価格で顧客に提供できるのは、そのためです。
業界的に言えばアパレル業界でのSPAの導入というのは、決して珍しいことではありませんが、ユニクロが独自の路線を突き進みのは、マーケティング戦略の明確な他社との違いにあります。
ターゲッティングの視点を少しずらすことにより、他との差別化を行っています。
ユニクロがこれまで投入した商品は、世の中的にも話題になることが多く商品単体としての認知度も非常に高いものが多いのです。
フリース、ヒートテック、エアリズムなどは、皆さんもご存知かと思います。
アパレル商品といえば、まずは着る人の個性を映すデザイン性ばかりが重視されがちですが、ユニクロの商品に関しては、ファッショナブル性のみならず商品の機能性に特徴があります。
また商品カテゴリの範囲も非常に広く全年齢対象とした商品を展開していることも魅力の1つと言えます。
こうしたユニクロのマーケティング戦略は、あえてターゲットを絞らないような商品展開をし、より多くの人から購入してもらえるような製品作りをしているのです。
このように自社のコンセプトを明確に実現できるのは、SPAを導入しているからこそなのです。
【ニトリ】
ニトリと言えば、キャッチフレーズとして有名なのは、「お値段以上ニトリ」です。
耳慣れたこのフレーズでお馴染みですが、ニトリは皆さんご存知の通り「家具メーカー」なのです。
家具メーカーとしてSPAを導入している企業は非常に珍しいのです。
前述のファーストリテイリングのようなアパレル業界では、珍しくないものの業界によってSPAの導入というのは、非常に違いがあるのです。
ニトリもまたユニクロと同様に質の高い商品でありながら、低価格で顧客に提供できるという点では、SPAの特性を活かしているからです。
またニトリが業界内で強い理由としては、物流システムにあります。
SPAを導入している企業の多くが商品の製造を独自に自社で行っているのは普通のことですが、配送まで自社で行っている企業ばかりではないということです。
その点、自社の物流施設を全国に配置しているニトリは、他社に比べて配送コストを圧倒的に抑えることができるのです。
物流システムの整備により在庫管理も一元管理しやすく、各店舗に無駄に在庫を抱えることもなくなります。
店舗のスペースを有効活用するために、この物流システムにより効率的に使うことができるようになるのです。
また近年では、オムニチャネル化が進みネット注文も増加していますが、その際にも自社の物流システムが効力を発揮します。
10分でわかる!SPA(製造小売業)とは③【SPAのメリット、デメリット】
「10分でわかる!SPA(製造小売業)とは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「SPAのメリット、デメリット」です。
SPAの具体的なメリットについて説明していきます。
メリットとしては、次の2つとなります。
- 低価格での商品提供ができる
- 顧客ニーズに合った独自商品開発ができる
1. 低価格での商品提供ができる
SPAの最大のメリットと言えるのが低価格での商品提供が可能ということです。
差別化が難しいとされる現代ビジネスにおいて、価格競争という意味で、まずは他社との差別化をはかることができ、優位性が保たれるということがまずあります。
SPAでは、製造〜販売までを全て自社で行うことから、中間マージンというのが発生中しません。
そのマージンがないことから、商品価格に反映できるというわけです。
商品が実際に顧客の手元に届くまでにどれだけ余計なコストを省けるかによって違いが出るのです。
このためSPAを導入している企業は、他社よりも低価格で商品提供が可能となるのです。
2. 顧客ニーズに合った独自商品開発ができる
自社で商品を企画するだけでなく製造も自社で行います。
そのため、自社特有子こだわりの商品を生み出すことができます。
またトレンドに対して迅速に対応できるというのも非常に大きな魅力となります。
そのため、タイミングに応じ、必要であれば、その都度、その時代のニーズにあった商品開発が可能というわけです。
上記の2点がSPA導入の大きなメリットとなりますが、メリットばかりではなく、デメリットもあることも認識しておきましょう。
デメリットとなるのは、以下の3つとなります。
- 在庫リスク
- イニシャルコストが大きい
- 手間のかかる開発
SPAを導入することにより、他社との差別化と業務フローの最適化、効率化することにより、様々なメリットが生じますが、逆を言えばその体制を作るまでには、時間、コスト、リスクなどが生じてしまうことがあります。