皆さんが様々なものを日常において消費する中で、お気に入りのお店やブランドというのが少なくとも1つや2つは有るのではないでしょうか。
独自のブランディングを展開する無印良品のビジネス戦略とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
というわけで今回は「こだわりから生まれた無印良品のビジネス戦略とは」について詳しく説明致します。
こだわりから生まれた無印良品のビジネス戦略とは①【無印良品のこれまで】
「こだわりから生まれた無印良品のビジネス戦略とは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「無印良品のこれまで」です。
現代人の生活というのは、非常に豊かであり、先進国である我が日本においては、何でも簡単に手にいれることができます。
現在では、オムニチャネル化が進み、実店舗においてもネットショップにおいても、モノを購入する手段があります。
消費者としては、どうやってモノを買うかという選択肢も多ければ、どこからモノを買うか?という選択肢も非常に多く存在しています。
選択肢が豊富なことは、決して消費者にとっては、悪いことだとは、言いませんが、はたしてそれが本当に有効なのかは、また別の問題となるのです。
モノが多い時代だからこそ、消費者は数多くのモノや情報に振り回されるだけでなく、真のニーズを満たすものにまで、たどり着けなかったりするのです。
そんな日常の生活を支える私達の消費行動は、様々な企業やブランドにおいて支えられているわけです。
その中でも日用品など、生活な身近なものを提供してくれるのが「無印良品(MUJI)」です。
無印良品は、既にブランドとしても、すっかり定着しており、多くの無印良品ファンをも虜にしているのです。
ショッピングモールや駅ビルテナントなどに出店している無印良品ですが、一般的に定着している無印良品とは、企業やメーカー名ではなく、ブランド名であるのです。
ブラント販売しているのが「良品計画」となります。
既に無印良品は国内のみならず、海外も含め1000店舗以上を展開しているグローバル企業の1つとも言えます。
近年、新型コロナウイルスによるパンデミックは、あらゆる業界、業種に影響を受けた中でも、無印良品は、その逆境をはねのけ売上的には、順調に推移してきました。
コロナ禍により自宅時間が増加したことにより、いかに自宅で快適に過ごせるかにより、巣ごもり需要が高まったこともまた、好調要因の1つと言えるのではないでしょうか。
様々な企業が影響を受ける中、新型コロナウイルス感染拡大という逆風を受けたものの、無印良品は、これまで以上に業績を堅調に伸ばしてきました。
またブランド展開をさらに広げる一手として新たに取り組んだのは、2019年4月にオープンの「MUJI HOTEL GINZA」でした。
これまでの日用品、雑貨の販売ブランドとしただけでなくホテル業に進出したということで、新たな事業戦略を仕掛けた良品計画のしたたかさも感じられました。
その他、あまり知られてはいませんかフィンランドでの自動運転電気バスプロジェクトなども行っており、ビジネスとしての取り組みのみではなく、地域創生や社会貢献など様々な事業に積極的に進出しているのです。
無印良品が、今これだけの新たな事業領域に積極的に進出しているのは、意外にも驚かされるのではないでしょうか。
こだわりから生まれた無印良品のビジネス戦略とは②【違いを作る戦略】
「こだわりから生まれた無印良品のビジネス戦略とは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「違いを作る戦略」です。
このように新たなビジネス戦略で世界のマーケット市場に進出している「無印良品(MUJI)」がはじまったのは1980年のことになります。
そもそもは、西友のプライベートブランド(PB)としてスタートしたのは、今となっては、知っている方も少ないのではないでしょうか。
現在の小売業の多くが自社での商品企画、開発を行っており、PBというのも一般的になっています。
その企業独自の製品だけに、そこでしか買えないという強みを発揮することができるのです。
顧客の囲い込み戦略とも言えるこの戦略ですが、企業独自のカラーを打ち出すことにより、顧客から意識してもらえるという点でPBの役割は、非常に大きいのではないでしょうか。
西友のPBであった無印良品のスタート時は、わずか40品目しかありませんでした。
良品計画が設立されたのは、1989年のことでした。
そこからの展開はスピーディーでした。1990年、西友から「無印良品」の営業権を譲り受けてから、本格的なブランド展開がはじまったのです。
1991年には、初の海外進出をはたしました。
イギリスロンドンに出店したのを皮切りにグローバル展開を開始します。
その後、わずか10年後の2000年には、東証1部上場と、とんとん拍子で成長を加速させていきます。
前述したように現在での店舗数は、全世界に1,000店舗以上に存在します。
日本を含めて31の国や地域までに拡大したのです。
日用雑貨を扱う小売業というのは、既に様々あり、類似品なども数多く存在しますが、各企業、販売店によって売り方、見せ方、顧客へのアプローチというのは全く異なります。
例えば同じ商品であっても、違うお店であれば商品が違って見える感じはありませんか?
それは、お店の雰囲気やディスプレイ、照明の明るさなどによって変わってくるからなのです。
無印良品の原点というなは、従来の商品の規格からとは、少し違うところからはじまりました。視点が少し違うところからはじまったというわけです。
当初は、わずか40点からスタートしたものの、現在でのアイテム数は、7500点にまで拡大しており、様々な商品が存在していることがわかります。
無印良品のお店を一度でも訪れたことがある方なら、おわかりかと思いますが、ここでしか買えない無印良品のオリジナル商品がズラリと並んでいるのです。
そんな無印良品の商品ラインナップは、生活に身近なところにある様々な日用雑貨となります。基本的には小売業となるのですが、小売業のみに専念しているわけでなく、その領域を大きく超え、次のような事業を行っています。
- MUJI HOTEL GINZA
- カフェ・ミール事業
- キャンプ事業
- 戸建て・リノベーション事業
上記のように積極的に事業領域を拡大している無印良品ですが、その背景にあるのは「シンプルさの追求」です。
こだわりから生まれた無印良品のビジネス戦略とは③【無印良品のこだわりの商品】
「こだわりから生まれた無印良品のビジネス戦略とは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「無印良品のこだわりの商品」です。
無印良品の様々なアイテムを見ても、おわかりのようにデザイン自体は非常にシンプルであり、どこにでもフィットするような邪魔にならないデザイン性が目をひきます。
日本本来の「質素な美意識」というものを非常に大事にしているのです。
「無印良品」。
というコンセプトは、ノーブランドではあるが、品質自体は良いものというところを目指しているのです。
無印良品のこだわりというのは、シンプルさをただ追求しているわけではなく、商品1つ1つに対し開発時より、非常にこだわりを持って取り組んでいます。
無印良品のヒット商品として、いかにも無印らしい商品としてあるのが「体にフィットするソファ」です。
このソファは、「人をダメにするソファ」と呼ばれるている商品です。
座る人の体を包み込むように形が変化するソファで、一度座れば、あまりの居心地のよさに立てなくなってしまうという商品なのです。
「人をダメにする」とは、あまりの気持ちよさに動きたくなくなってしまうということを表現しているのです。
心地よさを追求したのは、人によっての違いがないからです。
生活や文化、風習などは国によって違ってきますが、快適さ、心地よさというのは、どんな人にも同じように当てはまります。
国や地域にとらわれないグローバルな視点にたった戦略は、非常に広い視野を持っているのです。