世の中は、ありとあらゆるモノが存在し、利便性にあふれています。
そんな世の中において、消費者としての立場と売り手てしてのアプローチが徐々に変わりはじめています。
というわけで今回は「小売業にも変化の時?ロープラン戦略からの脱却?」について詳しく説明致します。
小売業にも変化の時?ロープラン戦略からの脱却?①【値上げラッシュに対する小売の変化】
「小売業にも変化の時?ロープラン戦略からの脱却?」というテーマで1つ目に取り上げるのは「値上げラッシュに対する小売の変化」です。
私達が生きていく上で、様々なサービスや商品が存在しています。
今では、欲しいものは、簡単に手に入ることができます。
消費者としては、何を選び何を基準にモノを選び購入するのか?というのは、突き詰めれば個々の価値観やニーズの違いによるものが当然ながらあります。
モノを購入する場合の判断基準としてコスパの良さがあります。
例えば100円ショップや回転寿司など、商品単価そのものが安い商品があります。
これらの商品にさえ、近年値上げがあり、消費者にとって日常的には非常に厳しいものがあるのです。
明確な金額提示として、「100円」、ワンコインという切り口で、消費者にアピールし、多くの支持をえていた業種もまた、近年の値上げの影響を受け、「脱100円」にシフトしはじめています。
このような変化は、小売業者にとっても非常に大きな影響を及ぼすと同時に消費者に対しても直接的な影響を及ぼすのです。
例えば極端に言うと、100円ショップが倍の200円ショップになったらどうでしょうか?
単純に倍になるのですから、同じ金額でもこれまでの半分しか商品が買えないわけです。
これは、消費者にとっては、非常に大きな影響を及ぼすこととなります。
このような状況になった時、はじめて100円ショップという業態自体を大きく考えなおすきっかけとなることは、間違いありません。
今、この日本から100円ショップが消えたらどうでしょうか?
日用品が何でも揃う100円ショップの利便性は、非常に高く消費者としての影響も、かなり大きいのではないでしょうか。
よくよく考えてみれば、100円均一というのは、非常にすごいシステムではないでしょうか。
100均という販売スタイルが存在しているからこそ、消費者の小売に対する、そもそものイメージや固定観念には大きな印象を与えることになったのではないでしょうか。
100円でモノが買えること自体に、はたして本当に価値はあり、意味はあるというのでしょうか?
たった一枚の100円玉さえあれば、何かが手に入るわけです。(まぁ、実際には消費税があるのですが、、、)
しかし、そんなワンコインの時代も終わりを告げていくことになるかもしれません。
今後の100均は、どのようになるのでしょうか?
小売業にも変化の時?ロープラン戦略からの脱却?②【100円ショップの存在意義】
「小売業にも変化の時?ロープラン戦略からの脱却?」というテーマで2つ目に取り上げるのは「100円ショップの存在意義」です。
いわゆる、ロープラン戦略を行う企業は、いくつもありますが、企業によっては、一見的外れなことを行っている企業も存在しています。
例えば、ロープラン戦略と、出店先には大きな関係があります。
日本国内の100円ショップと言えば、ダイソーやセリア、キャンドゥなどかメジャーなところと言えます。
100円ショップは、日用品やアイデア商品が数多く取り揃えられており、生活に非常に身近なところにあるお店なのです。
そんな100円ショップが「銀座」にも出店しているわけです。
かつての銀座と言えば、高級ブランドや百貨店など、扱う商品自体のクオリティが高く、ワンランク上の価値ある商品ばかりを扱っていました。
銀座ブランドというのか、銀座でモノを購入するからこそ、より高級感があり、品質の良く気品がよいというブランド志向がありました。
コスパという意味では、かつては無縁だった銀座にも、変化が確実に訪れているのです。
ダイソー、3COINS、セリアといった、100円ショップのみならず、ワークマン、ユニクロなど、いわゆる高級ブランドではなく、コスパが高いお店が次々と出店していきました。
一見、このような企業の動きは、的外れと受け止められるのかもしれませんが、一概にそうと決めつけるのは、間違いでしょう。
もちろん時代の流れというのもあり、銀座ブランドに対する価値観や評価というのも変わってきたところもあります。
基本的に100円ショップというのは、一商品が100円であるというのが基本です。
しかし、最近では100円ショップに置かれている商品は全部が全部100円というわけではありません。
100均ショップの中でも最近は、200円以上の商品も多数、店頭に並べられています。
300円、500円、1000円以上の商品も100円商品にまじって数多く販売されています。
100円商品の中に、それ以上の価格の商品を含ませることで、単価が高い商品のついで買いを誘導するのです。
100円ではない業態でも、顧客は普通に利用しているのが300円ショップなどの利用状況を見ればわかります。
300円ショップと言えば「3COINS」が有名ですが、「3COINS」でも1000円以上の商品を取り扱っています。
100円ショップ大手のうちで、店舗コンセプトとして明確に100円にこだわっているのは、セリアのみなんです。
ダイソー、キャンドゥ、ワッツなどは、100均でありながら、既に100均へのこだわりを捨て、高価格帯商品を積極的に投入しています。
実際のところ100円商品で販売している商品についての実質的値上げというのは、行っていませんが、単価の高い商品の割合は増加気味にあります。
今後はそのような商品が増加傾向にあると見られており、100円ショップという看板を抱えつつも、形態としては、低価格雑貨店というようなスタンスに少しずつシフトしていることは、間違いありません。
100円という価格設定をしていることから、物価に対する捉え方としては、非常にわかりやすいというわけです。
小売業にも変化の時?ロープラン戦略からの脱却?③【脱100円からの転換】
「小売業にも変化の時?ロープラン戦略からの脱却?」というテーマで3つ目に取り上げるのは「脱100円からの転換」です。
100円ショップを例にした物価の上昇と商品の売値の設定、そして小売業としての戦略として、言ってみれば、コスパ重視、薄利多売という戦略から、「脱100円」という流れが強まってきているのは、事実と言えるのです。
企業物価指数の上昇を押し上げている要因として、様々な外的要因が深く関与していることは、間違いありません。
エネルギー価格の上昇、物流費の上昇、地代・家賃の上昇、人件費の上昇など、様々なコストが上昇傾向にあることから、商品の販売価格に上乗せせざるをえない状況となっているわけです。
コストとして重くのしかかる製造原価や仕入原価の高騰が、企業を襲っており、現在も尚、値上げ傾向は継続しており、市場は決して安定している状況とは、言えないのです。
将来に向けての不安要因というのは、多々ありますが、先行き不透明な状態は、しばらく続くものと予想されています。
こうした状況は、内需型企業にとっては、非常に大きな痛手となるわけです。
商品ラインナップの中心が、100円商品である100円ショップ業界は、こうした状況において、価格の見直しを検討しなければ、企業経営という意味でも成り立たなくなってしまうというわけです。
正に今、100円均一というロープラン戦略は、見直すべき段階に入っているのではないでしょうか。