2022年11月、アジアのカタールにおいて、史上初の冬開催となるワールドカップが開催されました。
はじめての取り組みにおいて今回のワールドカップがマーケティング的に与える影響とは、どのようなものでしょうか。
というわけで今回は「カタールワールドカップとマーケティング」について詳しく説明致します。
カタールワールドカップとマーケティング①【開催時期変更の影響】
「カタールワールドカップとマーケティング」というテーマで1つ目に取り上げるのは「開催時期変更の影響」です。
4年に一度の世界的ビッグイベントであるサッカーワールドカップ。
今回は同じアジア、中東のカタールで開催されました。
一言でアジアと言ってもその範囲は、非常に広く、世界を強く意識することになります。
日本の国内事情とは、全く異なる状況において、はたしてどのような熱戦が繰り広げられるのでしょうか。
この記事を執筆している時期は、ワールドカップが開幕間もない頃であり、ワールドカップの盛り上がりは、正にこれからというわけです。
前述したようにワールドカップと言えば、毎回、熱い試合が繰り広げられるわけですが、文字通り今回の大会に際しては、いつもよりより熱い熱戦となることでしょう。
と言うのもカタールと言えば、冬でも暑い国であり、日中は、12月でも30℃を超えるのです。
そんな灼熱の過酷な環境下という条件を考慮し、サッカーワールドカップ・カタール大会が開催されるのは、11月下旬~12月中旬なのです。
ワールドカップと言えば例年は6月?7月初旬に行われ夏のイメージが強いですが、今回は市場初となる冬の開催ということもあり、マーケティング的にもこれまでとは、全く異なっているということです。
4年に一度開催される世界的ビッグイベントは、マーケターにとっては、世界のスポーツファンをリーチする絶好のチャンスの場となるわけです。
今回の場合、特例的な措置として冬開催されたことによる時期の変更というのは、非常に大きな違いを生み出す要因となるのです。
当然ながら、その変化に応じて世界中のマーケターの取り組みというのも変化しているのです。
まず、一般的に与えるイメージの違いというのが前提としてあります。
開催時期の変更が及ぼす影響というのは、予想以上に大きいのです。
これは日本国内のみではなく世界的にも同じことが言えます。
カタールの気候のために実施時期が移ったのですが、第4四半期に移ったことにより、広告は夏より多いのです。
つまりワールドカップに便乗して広告主の関心を高める効果が強いというわけです。
経済環境という意味では、冬のワールドカップ開催においては、非常に不透明であることは間違いありません。
なぜなら、これまでの前例がないからです。
広告という意味では、実は夏か冬かで大きく異なるのです。
売上目標設定額においてもワールドカップ開催を考慮する必要性があるでしょう。
当然ながらマーケターとしては、そのことを重々理解しており、マーケティングの取り組みをどのように行えばよいかを検討しています。
W杯の開催時期が変わったということは、マーケティング的にみれば実は単純なことではなく、様々な要素が複雑に絡み合い構造的には非常に複雑になっているのです。
そもそも11月~12月にかけては、世の中的には、年末年始シフトを意識し市場は動いているわけで、クリスマスやカウントダウンなどイベント的な要素が非常に強いとされる時期とも言えるのです。
カタールワールドカップとマーケティング②【ホリデーマーケティングのタイミング】
「カタールワールドカップとマーケティング」というテーマで2つ目に取り上げるのは「ホリデーマーケティングのタイミング」です。
マーケティング的に言えばホリデーマーケティングというタイミングであり、市場的にもその流れを強く意識し進んでいくのです。
イベントが重なる「第4四半期」という意味では、非常にインパクトが強いわけですが、世界的なブランドであれば、より認知度を世界にアピールするチャンスと言えるのです。
「タイミングの変更」という意味では、事前に開催されることは、わかっているものの近年のコロナ禍という状況を鑑みれば、時期的な課題というのも非常に多いだけでなく、ワールドマーケットとしての不透明感も確かにそこに存在しているのです。
ワールドカップにおけるマーケティングというのは、世界的に見ても除外することは、できません。
なぜなら、およそ1ヶ月もの間にわたり、世界的ビッグイベントが開催されるのですから。
世界的なビッグイベントとして、どの程度注目されるのかと言えば、10億ビューと言われています。
もちろん日本国内においても注目度においての熱量というのは、大きな違いがあります。
サッカーに全く興味もなく見向きもしない人達もいれば、熱狂的なコアなファンも存在します。
また世界的ビッグイベントということであり、自国のチームを応援したいと思うにわかファンも急増することがワールドカップ開催時の違いとなります。
普段のプロサッカーには、全く興味はないもののワールドカップなら関心があるという一般の方も多数存在します。
オリンピックと同様に、やはり国を背負って戦う姿を見ると、自然と応援したくなるというのが国民熱というものです。
つまり、にわかファンに対してアプローチすることは必須なのです。
例えばスポーツメーカーなどは、ワールドカップ期間中において駅前や駅中、街中においてユニフォームや関連グッズなどを販売するためのイベントやプロモーション活動などを積極的に行うことができます。
街行く人も、ワールドカップ期間中であれば、スポーツブランドの積極的なプロモーション活動は、なんら不思議に思わず受けて入れてくれるはずです。
仮に日本代表チームが勝ち続ければ、日本においてのワールドカップ熱は、否応なしに高まるというわけです。そうなるとグッズやユニフォームなど関連グッズの売り上げも自ずと上がるはずです。
日本代表チームの成績が日本国内においてのサッカーブームをどこまで高められるかというのは変わってきます。もしも予想以上の結果を残せばマーケティング的には、日本国内のみならず世界的にも大きく広がっていくのです。
カタールワールドカップとマーケティング③【ワールドカップの価値】
「カタールワールドカップとマーケティング」というテーマで3つ目に取り上げるのは「ワールドカップの価値」です。
そもそもサッカーワールドカップの「価値」というのは、どの程度あるのでしょうか?
「ワールドカップ」という価値基準は、確実に年を追うごとに高まっています。その証拠として年々高まるのが放映権です。
スポーツエンターテイメントとしてのブランド力が高まっており、コンテンツとしての魅力そのものも以前に比べ価値が上昇しています。
ワールドカップのコンテンツ価値が向上したのはインターネットとスマートフォンの登場が大きく影響しています。
視聴者がいつでもどこでもネット視聴可能という環境が、よりサッカーを身近にしコンテンツとしての価値を高めたのです。
過去の実績と比較しても、それは明らかなことでありビジネスとして大きな可能性のあるビッグマーケットであることは紛れもない事実です。
ワールドカップをビジネス戦略としてとらえていることは明らかであり、マーケティング的にブランド化しようという戦略意図が強く働いているのです。
世界的なビッグイベントというだけに既に認知度というのは世界共通となっている強みがあります。マーケティング施策としては、様々な材料の元、様々な戦略的アプローチがあり、大々的なキャンペーン展開も通年を通して行われています。
そんなワールドカップのブランド戦略を明確に打ち立て実行しているのは、大会運営委員会であるFIFAです。
FIFAはワールドカップを世界的スポーツ大会と前提としているもののショウビジネスとしての無限の可能性と価値というのをよくわかっているのです。
まず、ワールドカップのプレミアム感を作っているのは、開催スパンによります。
4年ごとに開催されるという特別なイベントが大会としての価値を高めているのです。
通常ではない、特別感というものが、よりイベント性を強めており、大会開催の演出というのが、そこから行われているのです。
4年に一度と言ってもその時のみしか行われているわけではなく、本大会までの4年間は継続的に予選などが行われており、ユーザーの関心を定期的にしっかりと集めているのです。
そして本大会という全世界の代表が集まるイベントにより、大会はピークを迎えるのです。
やはり「特別感」というものがあってこそと言えるのです。