2019年も半年を過ぎましたが、今年は「改元」というビッグイベントがありました。今年はとにかく改元フィーバーの年として記憶に刻まれることでしょう。
そんな「改元」が与えるマーケティングへの影響を考察してみたいと思います。
日本中が沸いた「改元」というイベント
今年の一大イベントとなった「改元」。国独自の暦を持つという習慣は、世界中を見てもなんと我が日本のみということなんだということが、今回の「改元」を機に知ったという方も実に多いのではないでしょうか。
およそ30年という期間に渡り時代を作ってきた「平成」も終わりを告げ、2019年5月1日より「令和」という新時代が始まりました。
既に「令和」となって早いもので、2ヶ月を過ぎ私達の生活の中にも自然と馴染んできた印象があります。「令和」という時を刻むことで、「平成」が随分以前のことに感じられることは不思議なものです。また時代が変われは、人の考えや価値観も変わってくるものです。
今回の「令和」への改元について、現代というこの時代に生きる私達にとっても、過去のこれまでの前例を振り返ってみたとしても、初めてづくしのことばかりという印象が残りました。
若い世代の方は、今回の改元で初体験したのではないでしょうか。40代以上の方であれば、「昭和」から「平成」へ変わった時を体験し2回目の方もいらっしゃいました。
それぞれの年代、世代で今回「令和」への改元は、違った思いがあったのではないでしょうか。
日本独自の「改元」というビッグイベントは、マーケティングの面においても非常に興味深いことばかりです。
実際に2019年5月1日の改元当日、日本中は祝福ムードの明るい雰囲気に沸き、新たな時代へ進んだことの喜びと未来への希望を持つポジティブな空気が日本中に流れたのは、非常にプラスなことではないかと思われます。
前回の改元の時とは、何が違う?
「改元」による市場やマーケティングへの影響や変化を検証する上では、過去との比較も重要となります。時代や環境も異なることから、比較対象となる部分ばかりではありませんが、その違いを見ると実に面白いことがわかります。
「平成」への改元に続き「令和」への改元を体験した方は、リアルにその違いを感じたのではないでしょうか。
今回の「令和」への改元は、初めてづくしのことばかりでした。
そもそも皇室典範という法改正が行われたことは、時代のニーズにマッチするような最適なルールを設定したということになります。
「平成」の改元時は、「令和」への祝賀ムードとは、全く異なる雰囲気で、どちらかといえば「自粛ムード」の中、静かな時代の幕開けという雰囲気でした。
その為、「平成」の時の改元時の経済効果は、極めて限定的なものでした。それに比べ今回の改元は、これまでにないほどの祝賀ムードに国中が満たされました。
元号発表が1ヶ月前というところからイベントは、はじまりました。「令和」という新しい元号発表に沸き、様々なイベントが開かれたり、元号関連グッズやお土産品などが元号発表直後から動きだすなど、これまでにないムーブメントとなったのです。
今回の改元において準備期間が設けられたこと、そしてスケジューリングされて進行された点などが、「イベント」を作る上では、『逆算が出来たこと』が最も大きな影響と言えるのではないでしょうか。
お祝いムードが広がった「令和」への改元は、改元ブームという1つの経済効果を生み出し、消費者の購買意欲を高めることになりました。経済効果という面から見ても今回の改元は、結果的には大成功と呼べるのではないでしょうか。
改元が経済に与える影響とは?
今回の改元は、世界的に盛り上がりを見せた2000年のミレニアムの頃に近い盛り上がりと言えます。この時代は、IT革命と言われた時代で、こうしたイベント的な要素の影響により経済を大きく刺激した原動力となったのです。
マーケティングにおいて重要なのは「今」生きる人が何を考え、何を必要とするのかを知ることです。今回の法改正には、現上皇様からの要望により、生前退位が実現したわけです。
この法改正は、時代を的確に読みとった結果の素晴らしい判断ではないかと思います。これは、現代の日本社会にも通じるところです。平均寿命が長くなったことで、ある程度の年齢になっても健康であれば働きたいという高齢者がいて、実際にそれらの高齢層の労働力が現在の日本の経済を支えているという事実もあります。
少子高齢化という問題点もある現代日本の中でニーズにあった改善を行うことは、法律においてもビジネスにおいても非常に重要なこととなります。情勢社会の現代では、物事の判断にもスピーディーさが要求されます。グローバル化が進む社会の中で限られた時間の中、最新の情報を入手し最適な判断をする必要があるからです。
和暦という日本が誇る文化を継承し、新たな時代のニーズに、合わせた柔軟な対応が今後も求められます。