企業がマーケティング施策を考える場合、原点となるのは、何になるのかおわかりになりますか?
原点は「顧客」にあります。
というわけで今回は「ジョブ理論を活用したマーケティング」について詳しく説明致します。
ジョブ理論を活用したマーケティング①【ジョブ理論とは】
「ジョブ理論を活用したマーケティング」というテーマで1つ目に取り上げるのは「ジョブ理論とは」です。
多くの企業が「顧客が何を求めているか(ニーズ)」を考えたうえで、マーケティング施策を検討しています。
多様化する一方の顧客ニーズに応えていくためには、分析が必要となります。
細かく分析すればするほど、真の顧客ニーズに近づくことができますが、表層的な分析レベルでは、真の顧客ニーズにたどり着くことはできず、中途半端なままで終わってしまいます。
本質的なニーズに辿りかないままの状態で、ビジネスを進めてしまいがちですが、それではビジネスとして実行する意味が最初から薄れてしまいます。
最終的なニーズを無視して無理に進めたところで、施策そのものには、全く効果がないことは目に見えています。
顧客に対してのアピールという意味でも、インパクトを与えることはありませんし、効果の有無を気にせず、なんとなくの感覚でマーケティング施策を実施してしまうということも現実的に執り行われているのではないでしょうか。
皆さんも、普段の業務を遂行しているにおいて、そのような実体験を感じたことがあるのではないでしょうか。
現代ビジネスにおいては、必要不可欠とされているマーケティングですが、企業がマーケティング活動を行なうにはコストも時間も要するわけです。
だからこそ、企業がマーケティング活動をせっかく行なうなら成果の出せるマーケティング施策を実行したいというのが本当のところでしょう。
成果の出せるマーケティングとは、いったいどのようなマーケティングであり、どうすればよいのか?それは、顧客を知ることです。
顧客が今、本当に求めているものとは何なのかを理解することにより対応することができます。
では、顧客の本質的なニーズとは、いったい何なのでしょうか?
本質的なニーズを探るために活用できるのが「ジョブ理論」です。
「ジョブ理論」というのは、考え方であり、それを提唱したのは、クレイトン・クリステンセン氏です。
「人がプロダクト・サービスを購買する行動の背景を、論理的に説明したもの」という理論となります。
人というのは、心理によって行動が変わるものです。
購買行動1つにしても、人間には様々な行動があります。
具体的に言えば、その1つとして「衝動買い」があります。皆さんも一度は、必ずある行動ではないでしょうか。
ニーズとしては、それほど高くはなく全く欲しくないものを、その場の雰囲気とタイミングでなんとなく買ってしまうということも時にはありませんか?
それが人間というものであり、心理によって行動が左右されてしまうのです。
冷静になって後から振り返れば、なんでこんなものを買ってしまったんだろうと思うことはありませんか?
衝動買いを例として逆にとらえれば、モノを購入するという行為には、明確に「こうなりたい」、「こうしたい」という願望、不満、欲求というのが必ず存在するものなのです。
つまり、心理の裏付けとなるわけです。
これをジョブ理論では、顧客が商材を購入し利用する背景のことを「ジョブ(仕事)」として定義することになります。
では、具体的にジョブを提示すると、商材を用いることにより、自分がなりたい姿になったり、不満を解消することなど購買行動によってニーズを解決するのです。
このようにジョブを解決するために購買することを「ハイア(雇う)」と定義します。
顧客=消費者は何かしらのジョブを生み出し、そのジョブを解消するための商品=商材を購入するのです。
ジョブ理論を活用したマーケティング②【ジョブ理論をマーケティングに活かす】
「ジョブ理論を活用したマーケティング」というテーマで2つ目に取り上げるのは「ジョブ理論をマーケティングに活かす」です。
次にジョブとニーズの違いについて考えてみましょう。
ジョブとニーズとの違いとは?いったいなんなの?と気になる方もいらっしゃるかと思いますが、ニーズという言葉の元来の意味は「欲求」です。
近年では、「個」が重要視される時代というだけにあって、ニーズは多様化しています。
そんなニーズを種類にわけることができますが、ニーズをわけると次のような2つわけることができます。
- 顕在ニーズ
- 潜在ニーズ
顕在ニーズは顧客自身が自らのニーズを認識していることです。一方の潜在ニーズは、顧客自身が自分自身のニーズを認識しておらず、ニーズに気がついていないことです。
ニーズには、2つのニーズがあることを理解していただけたかと思いますが、この内の「潜在ニーズ」こそがジョブに近いと言えます。
ジョブというのは、顕在ニーズの背景にあるものであることから、顧客の願望が根底にあると言えます。
そして潜在ニーズが分かってくることによって、何を必要としてくるのか見えてくるというわけです。
つまり「ジョブ」とは顕在ニーズより本質的な欲求となります。
ジョブを把握することができればマーケティング施策に活用できるのです。
効果的なマーケティングを行なうためには必要となるのです。
顕在ニーズの背景にあるジョブ=潜在ニーズというわけであり、つまり本質的なニーズとなります。
となると、売り手として考えることは、顧客が何に対して困っていて、その課題をどうやったら解決することができるかを考え、そのために何を買うべきなのかをストーリーとしてとらえることです。
顧客かモノを購入するまでには、一連のプロセスがあるからです。
そして、さらにジョブを深く掘り下げていけば、ジョブには、次の3つの種類に分けられることがわかります。
- 機能的
- 社会的
- 感情的
ジョブ理論を活用したマーケティング③【ジョブ理論と顧客の購買行動】
「ジョブ理論を活用したマーケティング」というテーマで3つ目に取り上げるのは「ジョブ理論と顧客の購買行動」です。
顧客が商品を購買するまでには、必ずプロセスがあります。
世の中に存在する様々な商材を顧客が選択し、購入というステップに移ってから、リピーターになるまでにはステップがあるわけです、
リピートするステップとは、次の8つがあります。
ジョブ理論では顧客が購買し再購入するというサイクルがありますが、次のようなフローで表すことができます。
↓
2. 情報収集
↓
3. 準備
↓
4. 確認
↓
5. 実行
↓
6. 監視
↓
7. 修正
↓
8. 完遂
上記の8つのステップで解決するような流れとなっています。
情報収集のステップにより、まずは検索することにより、自己ニーズを満たすものがなんなのかを、調査結果から具現化していきます。
例えば、今食べたいものがある時に、飲食店を検索したとして、お店の情報が表示されなかったとしたら、顧客はお店にたどり着くことはできず、ニーズを満たすことはできません。
その場合、考えられる要因として、問題があるのは顧客側ではなくお店側にあるということです。
SEO施策が有効ではなかったということがわかります。
では、対応として何が足りていなかったかを把握することにより、対応できるのですが、自社の商品やサービスがなぜ求められているかを知ることが大切なのです。
マーケティング施策に生かすためにも、広告やLPのクリエイティブ性を上げたり、SNSやメールマガジン、各種コンテンツのクオリティを上げることも対処要素として必要になるのです。
追加すべき機能などをジョブとして明確にすることで、顧客のニーズに具体的に対応していくことに繋がっていくのです。
受け入れる立場の顧客としては、売り手からのピンポイントな対応が、あたかも自分のことのように感じてくれるというわけになります。
もちろん顧客ニーズに応えることの全てがマーケティング施策というわけではありません。
顧客がいかにして継続利用してくれるかを考えた時、企業が顧客に対して行なう施策や、ビジネスモデルに対しても、顧客のジョブというのが大きく関わってくるというわけです。