皆さんは「ネーミングライツ」というものをご存知ですか?例えば「AJINOMOTO STADIUM」などの名称が施設に付けらられることです。
このネーミングライツについて、詳しく知る人は、それほど多くはいないのではないでしょうか。
ということで今回は、このネーミングライツの役割や価値、企業との関係について触れてみます。
そもそもネーミングライツとは?
ここ数年、ネーミングライツが目立つようになってきました。
スタジアムアリーナなどのスポーツ施設が、スポンサー企業の社名、ブランド名などに変更されることです。
施設そのものは全く変わらないのに、ある日突然、名前が変わるわけですから、変わった直後は、これまで長く利用してきた施設名に対する違和感も残ります。
しかし、名前は時間と共に定着するものなんです。しかし、いったいどうして突然、企業名が入ったのでしょうか?
これが「ネーミングライツ」によるものです。
「ネーミングライツ」そのものが、ビジネスなんです。これは「命名権」ということになります。
施設の名称変える事の出来る権利を売っているビジネスなんです。その権利を買ったのがスポンサー企業ということになります。
主にプロ野球やJリーグの球技場に、企業名やブランド名がついている施設のことで、現在では国内には数多く存在します。
球技場やスタジアムの施設の運営そのものにはタッチすることなく、「命名権」のみを購入するというわけです。
ネーミングライツの国内初となったのが「東京スタジアム」でした。
「東京スタジアム」のネーミングライツは、サントリーが取得しており、「味の素スタジアム」として存在していました。
2003年からとなりますので、現在では、その名称もすっかり定着したように思われます。
これをきっかけに日本国内での、ネーミングライツは普及していきます。
全国の大型施設や体育館、市民会館、道路、森林など至るところでネーミングライツがあるのです。
ネーミングライツのメリットとは
日本全国にある施設で、ネーミングライツにより名称が変更となった代表的なものをまとめてみました。
- 福岡ドーム → 福岡ヤフオク!スタジアム
- 横浜国際総合競技場 → 日産スタジアム
- 大阪ドーム → 京セラドーム
- 宮城球場 → 楽天kobo スタジアム
- 東京スタジアム → 味の素スタジアム
- グリーンスタジアム神戸→ほっともっとフィールド神戸
- さいたま市大宮公園サッカー場 → NACK5 スタジアム大宮
- 新潟スタジアム → 東北電力ビックスワンスタジアム
このように日本国内のメジャーでビッグな施設のほとんどは、既にネーミングライツによる施設名となっています。
こうして、文字の表記として並べて変更前後を比較してみると、地名とスタジアムのシンプルな名称よりも、変更後のほうが、きらびやかでキャッチーな印象があります。
ネーミングライツというビジネスは、近年に生まれた新たなビジネスとして注目されています。
では、スポンサーとなる企業にとってのネーミングライツのメリットとは、いったい何でしょうか?
1.費用対宣伝効果
最大の効果が宣伝力です。大型施設となれば、多くの人が一度にその場所を訪れる為に認知度があがり、顧客に対しダイレクトにアピールできるわけです。
また野球やサッカーなどの試合中継やニュース、新聞、雑誌、ラジオ、ウェブなどありとあらゆるメディアで、その名前が報じられることから宣伝効果は、計り知りれません。
2.プロモーションのチャンスが多い
ネーミングライツの獲得は、単にその施設の命名権を得るというだけではありません。
実はネーミングライツを獲得した施設に対し、商品やブランドのプロモーション活動を行うことができるようになるのです。
これによって、企業の商品やサービスをアピールするイベントなどを施設内で開催するなど、宣伝・集客など様々な活動を行うことができるのです。
これによりビジネスチャンスが拡大することは、言うまでもありません。
3.企業ブランドの向上が見込める
各地域に根づいた有名施設のネーミングライツを買い取ること自体に価値があり企業アピールとなります。公共施設への投資という意味では、地域の活性化及び社会貢献の一貫でありイメージアップとしての魅力もあります。
ネーミングライツとマッチした企業
ネーミングライツは施設によってマッチした企業が最適です。
つまりスポンサーとなる企業としては、その企業の特性や特徴を活かすことができる施設のネーミングライツを獲得することが、より価値を高めるということになります。
施設と企業の相性が良ければ、それだけで互いに相乗効果が期待できるということです。
公共トイレなどのネーミングライツなら、食品メーカーよりも清掃会社やトイレ製品業者などが最適です。
また野球やサッカーなどプロスポーツが行われる競技場では、知名度自体が高く、全国展開することが可能なことから、企業としても知名度を高めることが容易になります。
その為、ブランド力の高い大企業などがスポンサーとして適しています。
ネーミングライツは、大型のメジャーな施設だけで行われているわけではなく、近年では地方公共団体の施設も積極的に行われているのです。
世間に対しての企業のアピールやや宣伝活動の場として、企業にとって大きな効果をもたらすネーミングライツは、見えないサービスとして有効な手段と言えます。