人間が生きていく上で欠かすこの出来ない「食事」。食べ物は人間の心を豊かにし、体を作ってくれます。
そして、今、飽食の国、日本には様々な飲食店が存在しています。そんな飲食業界に今、変化が訪れています。
というわけで今回は「飲食業界に変化あり!今、飲食業界のマーケティング戦略を問う。」について詳しく説明致します。
目次
飲食業界に変化あり!今、飲食業界のマーケティング戦略を問う。①【飲食業界のトレンド変化とマーケティング】
「飲食業界に変化あり!今、飲食業界のマーケティング戦略を問う。」1つ目に取り上げるテーマは「飲食業界のトレンド変化とマーケティング」です。
食文化を担い支えていく飲食業界。景気や市場の動向に左右されることも多い業界とも言われています。
大規模な全国チェーン展開をするフランチャイズ店やオーナーのこだわりの強い個人で経営する方もおり、その運営形態は実に様々です。
脱サラして飲食業を開業する方も現在でも多数いらっしゃるほど、飲食業には人を惹きつける魅力があるのです。
人間、生きていく為には、誰しも「食事」をするわけです。日常生活によりそっている飲食業に興味が高いのは当然なのです。
そんな飲食業界マーケットの市場は、ここ数年間、拡大傾向にあります。特に外食産業全体では25兆円を超えるなど巨大なマーケットとなっています。
情報社会の現代では、SNSをはじめとした消費者からの評価が上がることもあり、飲食業にも流行り廃りが生じており、時代は食のトレンドを作っています。
つい最近では、第三次タピオカブームと言われるトレンドが発生し、タピオカ店があらゆるところに出店されました。
このタピオカブームは、1種のトレンドであり、一時的なブームと言わざるをえません。出店店舗数もかなりの数となり、競合店がひしめく状況となっています。
そんな変化の激しい時代、消費者の欲求は高まるばかりで、より新しく美しく美味しい食べ物を人々は求めています。
移り気な消費者のハートと胃袋をがっちり、キャッチする為に飲食業界は、あの手この手で試行錯誤を重ね、消費者意識を常に刺激しているのです。
また少子高齢化、晩婚化、非婚化など社会構成の変化により、食の提供スタイルも実に多様化しており、顧客獲得に向け、新たな手法で消費者にアピールしています。
せんべろ、半べろ、ちょい呑み、1人焼き肉、朝用、夜用メニュー、ブッフェスタイル、立ち食いステーキなど単に美味しいものを提供するというだけでなく、「食」を娯楽として楽しめるイベント性を持たせてスタイルなどで顧客ニーズに応えています。
そんな変化の激しい飲食業界ですが、昨年から大手飲食チェーンにて大きな変化が見られました。
最近、特にネットニュースなどでも話題となった大手飲食チェーンの変化を例に上げ、食のトレンドや飲食業界のマーケティングについて解説していきます。
飲食業界に変化あり!今、飲食業界のマーケティング戦略を問う。②【大戸屋の変化】
「飲食業界に変化あり!今、飲食業界のマーケティング戦略を問う。」2つ目に取り上げるテーマは「大戸屋の変化」です。
「大戸屋」と言えば、定食などを中心に栄養バランスのとれた食事を提供するお店として全国チェーン展開しているお店です。
家庭的なメニューが多く、サラリーマンのランチとして、独身男性の夕飯としてのニーズが高い「大戸屋」です。
「大戸屋」は、「かっぱ寿司」、「牛角」、「ラパウザ」など多数のチェーンを傘下に抱える外食大手、コロワイドが運営しています。
そんな「大戸屋」に変化が起こっています。
現在の「大戸屋」の売上や経営状況は芳しくなく、当初予定していたより悪化しています。
経営状態は、これまでの黒字から一転、赤字へと転落しているのです。
具体的な数値で言えば、従来予測は4000万円の黒字のはずが、2019年4~9月期の業績を下方修正。
1億9000万円の赤字に転落するということを発表しています。
つまり、急ブレーキともとれる急失速となったわけです。
この急失速の原因となったのは、いったい何だったのでしょうか?
具体的な原因となったのは、「グランドメニュー」の改定でした。
2019年4月に実施したグランドメニュー改定は、客離れを招く直接の原因となったのです。
このグランドメニューの改定を受け、消費者が反応した具体的な内容は次の通りです。
- 値上げ
- 定番の「大戸屋ランチ」の消滅
- 「生さんまの炭火焼き定食」など人気メニューの提供遅れ
などとされています。
これらの変化が大戸屋ファンの期待を大きく裏切る結果となり、客離れが進行。それに伴い昨年4~9月の既存店売上高はマイナスとなるなど顕著に結果として現れてしまったのです。
これは、深刻な客離れとも言えるもので、企業としては正に迷走している状況でもあります。
これは、明らかな失敗とも言え、消費者ニーズに応えられなかったことが理由なのです。
つまり、大戸屋の失速と変化は、外的要因からではなく、内的要因によるもので、自ら招いた結果と言えます。
消費者を意識した買い手目線ではなく、サービスを提供する売り手目線での経営戦略をしてしまったことによるマーケティング的な失敗とも言えます。
飲食業界に変化あり!今、飲食業界のマーケティング戦略を問う。③【いきなりステーキ】
「飲食業界に変化あり!今、飲食業界のマーケティング戦略を問う。」3つ目に取り上げるテーマは「いきなりステーキ」です。
続いては、近年の「肉ブーム」を支えた「いきなりステーキ」の大きな変化について解説します。
「いきなりステーキ」は、現在約500店舗ある、立ち食いスタイルのステーキ店という新しいスタイルで急拡大した店舗です。
運営するのは「ペッパーランチ」で知られるペッパーフードサービスです。
これまでにないステーキの立ち食いという斬新なスタイルと肉ブームの後押しもあり、肉好き、グルメファンの胃袋を一気に掴み話題となりました。
立ち食いということで、回転率もよく比較的安くステーキを食べられることもヒットの要因です。
そんな「いきなりステーキ」の変化と言えるのが44店舗の閉店です。
こちらも急失速と言える変化となりましたが、この原因とはいったい何でしょうか?
主な原因とされるのが、次の2点となります。
- 急激な店舗拡大
- トレンドの終焉
「いきなりステーキ」の急失速の原因は、簡単に言えばトレンドに乗り、トレンドが過ぎたことが原因です。
いわゆるブームによって店舗は、急拡大したものの、一時のトレンドが過ぎ客足が遠のいたということが原因です。
「いきなりステーキ」の店舗は、2017年から19年11月までという僅かな間に店舗数を4倍に急増させたことが仇となったわけです。
店舗増加の際には、売上も右肩上がりだったもののトレンドの終焉と共に急降下となります。
ブームの際の固定客の中には、一時的には頻繁に通っていたが、結局のところ飽きてしまったという意見が聞かれ、トレンドの終焉を迎え、客足を取り戻せなかったことが原因なのです。
「いきなりステーキ」の失速もマーケティングの読み違いと言わざるを得ないのです。正に見込み路線と言わざるをえず、単に勢いに任せてしまっただけと言わざるをえません。
飲食業界に変化あり!今、飲食業界のマーケティング戦略を問う。④【幸楽苑】
「飲食業界に変化あり!今、飲食業界のマーケティング戦略を問う。」4つ目に取り上げるテーマは「幸楽苑」です。
老若男女、子供からお年寄り、1人から家族までと手軽に食べれるラーメンチェーンとして知られる「幸楽苑」。
そんな「幸楽苑」もまた変化が訪れ、2020年1月6日、51店舗を閉店・業態転換を発表したのです。
51店舗という店舗数は、全体の約1割という大きなものでした。
この閉店の原因とされるのは、2019年10月に起きた台風による影響が一因とされています。
台風による水害にて郡山工場(福島県)が操業停止した結果、食材供給がストップしたことが原因とされています。
このようなことが起こり、体制強化と内部的変化を求め、どんな極面でも利益を確保できる体質変化の構築を行う為、ということです。
直接的な原因としては、自然災害による影響ということで、中長期的に体制強化の必要があると判断したからです。
「幸楽苑」の売上は、台風以前の昨年4~9月には、前期比102%とプラスで推移していのですが、台風を境に11月は88.2%と前年割れしたように、影響が現れてしまったのです。