「クラウド」という言葉も随分浸透しましたが、クラウドにも種類があります。
その中で「ハイブリッドクラウド」がありますが、皆さんは、ご存知でしょうか。
というわけで今回は「ハイブリッドクラウドの基本とメリット・デメリット」について詳しく説明致します。
ハイブリッドクラウドの基本とメリット・デメリット①【ハイブリッドクラウドとは】
「ハイブリッドクラウドの基本とメリット・デメリット」というテーマで1つ目に取り上げるのは「ハイブリッドクラウドとは」です。
近年では、「クラウド」という言葉もすっかり定着してきました。
企業でのデータの活用においても使用されていますが、個人でもスマートフォンから、データをクラウドにアップしているなど用途も実に様々となります。
身近になった印象のあるクラウドですが、近年、注目されているのが「ハイブリッドクラウド」です。
クラウドに関わらず、最近ではなにかにつけて「ハイブリッド」という言葉が付けられている印象が強いです。
「ハイブリッド」と聞くと、スタンダードな商品のスペックに対し、さらにハイスペックな特別仕様という印象を受けますがクラウドの場合、普通のクラウドと違うのは、いったい何が違うというのでしょうか?
ハイブリッドクラウドとは、異なるサーバーやサービスを組み合わて使うクラウドのことを言います。
そもそも何で異なるサーバー同士をわざわざ組み合わせて使うのかと言えば、サーバーを組み合わせることにより、それぞれの持つメリットを活かしデメリットをカバーすることにより、サーバー同士の機能を最適化することにあります。
つまり、ハイブリッドクラウドは、言ってみれば「いいとこどり」のクラウドシステムということです。
クラウドの意味を下記にまとめました。
このように、それぞれのサーバーのいいとこどりをするのがハイブリッドクラウドとなるわけです。
もちろん活用性な非常に高いことが特徴となりますが、システム管理が複雑になるというデメリットもあるのです。
導入することにより当然、企業には多くのメリットがもたらされますが、ハイブリッドクラウドを理解不足のまま導入してしまうと管理の難しさに直面してしまうこととなるので、導入には慎重に検討することが必要となります。
パブリッククラウドは、コストが低いこと、さらに拡張性に優れているという特徴があります。
複数の企業が一緒に利用することから、セキュリティ面では不安がありますが、それでも使い方を考慮すれば、メリットのほうが多いと言えるのです。
プライベートクラウドや物理サーバーであれば、セキュリティの高さはあります。
しかし、それだけコストや管理に手間がかかるという問題もあります。
ハイブリッドクラウドの基本とメリット・デメリット②【ハイブリッドクラウドのメリット】
「ハイブリッドクラウドの基本とメリット・デメリット」というテーマで2つ目に取り上げるのは「ハイブリッドクラウドのメリット」です。
ハイブリッドクラウドを活用することにより代表的なメリットとして次の3つがあります。
- セキュリティレベルの向上
- コストダウンの実現
- リスク分散
1. セキュリティレベルの向上
ハイブリッドクラウドを導入するメリットの1つ目として、セキュリティが高くなることがあります。
パブリッククラウドの特徴として低コストで抑えつつ拡張性の高さという点があります。
複数の企業が一緒に利用することから、セキュリティ面は低くなるというデメリットはあります。
企業にとって重要な資産となる顧客データの機密性を保持するためには、不安は拭えません。
しかしハイブリッドクラウドならば、機密性の高いデータは、セキュリティが高いプライベートクラウドや自社の物理サーバーに保存することによりセキュリティを高くすることが可実現できます。
つまりデータの重要度によっての扱い方と棲み分けというのが非常に大切となるのです。
重要データはセキュアな環境に置くことでセキュリティを一定レベルに保ちます。
2. コストダウンの実現
ハイブリッドクラウドを導入するメリットの2つ目として「コストダウン」があります。
セキュリティの高いプライベートクラウドや物理サーバーを利用すると、どうしてもコストは高くついてしまいます。
しかし、ハイブリッドクラウドなら機密性の高いデータは、プライベートクラウドや物理サーバーを利用し、機密性の低いデータはパブリッククラウドを利用することにより、トータル的にシステム全体を見ればコストダウンに繋がるのです。
パブリッククラウドのみを使用するよりもコストは上がりますが、物理サーバーやプライベートクラウドだけを使うよりもコストは下がるというわけです。
セキュリティレベルに応じクラウドの使い分けをすることがコスト面を考えれば必要となります。
コスパの高いシステム導入が実現できれば、よりよい環境でハイブリッドクラウドをコスト面から考慮してもキープしていくことができるのです。
3.リスク分散
ハイブリッドクラウドを導入するメリットの3つ目としてリスクの分散があります。
災害発生時や、マルウェア感染などの起こりうるリスクに対してデータを分散しておくことにより、データの損失を最低限に防ぐことができるのです。
ひとつのクラウドサービスや自社サーバーのみを利用しているだけでは、データの損失は免れません。
ハイブリッドクラウドでは、データそれぞれが機密性を保持しています。
不測の事態においてもハイブリッドクラウドならば、別のクラウドに保存されていたデータは無事なのです。
データが分散されていることによりリカバリ時にも迅速な対応が行えるというわけです。
ハイブリッドクラウドの基本とメリット・デメリット③【ハイブリッドクラウドのデメリット】
「ハイブリッドクラウドの基本とメリット・デメリット」というテーマで3つ目に取り上げるのは「ハイブリッドクラウドのデメリット」です。
メリットの多いハイブリッドクラウドにも、デメリットはあります。
企業でハイブリッドクラウドを導入する場合には、デメリットも含め理解した上で慎重に検討したいものです。
まず1つ目としてシステムが複雑になりやすいという傾向があります。
システムが複雑化することにより、当然管理や運用が難しくなるのです。
ハイブリッドクラウドはシステム自体が複雑になるためです。
複数のクラウドや物理サーバーを組み合わせて利用するということがハイブリッドでは一般的となります。
利用するクラウドがたった1つであればシンプルでわかりやすいのですが、いくつものシステムとの連携が必要になれば、システム自体の複雑さを免れるわけにはいかないのです。
複数のクラウドが存在するということは当然、複数のクラウドの管理が必要となるだけでなく、管理項目そのものも増加してしまうというわけです。
確かに利便性の高いハイブリッドクラウドにですが、運用管理には手間が増加してしまうのです。
では、企業にて活用性の高いハイブリッドクラウドを適切に活用するためには、どうすればよいか?
それは、運用をコントロールできる人材の確保です。
これが2つ目のデメリットとなります。各企業によって環境というのは、当然異なるわけです。
複雑化したハイブリッド環境の導入をするには、インフラ周りに詳しい担当者が企業には必要になります。
パブリッククラウド、プライベートクラウド、物理サーバーなど、それぞれに対し詳しい知識を持ちうる人材が必要となります。
ハイブリッドクラウドの場合、たった1つのシステムで成立するということは、まずあり得ません。
ひとつのシステムで複数のクラウドや物理サーバーを組み合わせることにより、ハイブリッドクラウドの環境を実現しているわけです。
それぞれの環境に詳しい担当者が企業にいることは、基本となります。
パブリッククラウドの場合、トラブル対応に対しても、クラウドサービス提供事業者が行うことにはなりますが、業者に全て任せきりというわけではなく、自社内でも業者とやりとりできるシステム担当というのが必要となります。
いくら外部のクラウドシステムを利用しているからといって、自社内でも一定レベルのクラウドに関する知識というのは、必要になるわけです。