物があふれた時代において、顧客の立場からすれば非常に多くの選択肢があります。
ふと、考えてみたところ、有り余るほどの物が多く選択肢が多いということは、良いことばかりなのでしょうか?
そんなことをマーケティング観点で考察してみます。
というわけで今回は「マストではなくチョイスという幸せ」について詳しく説明致します。
マストではなくチョイスという幸せ①【世の中は常に選択の連続】
「マストではなくチョイスという幸せ」というテーマで1つ目に取り上げるのは「世の中は常に選択の連続」についてです。
世の中には、非常に多くの選択肢があります。
人生においても、どう生きていくかというのは、選択の連続であったりします。
朝起きて今日は何を行うか?何を食べるか?食べたいか?誰と会って、何をするか?目的の場所に行くまでにどんな方法でいくか?
このように日常のアクションを1つ1つ取り上げたとしても、全ての行動においては、意思があり決断は必要なのです。
つまり、人生とは、選択の連続なのです。
このことは、人生に対する選択のみではありません。
社会全体やビジネスについても、当然選択はあります。特にビジネスにおいては、よりシビアな選択が必要となります。
選択肢によっては、業績や売上にダイレクトに影響するからです。そして、結果として数値として成果が現れるわけです。
そのように全てのことに対して「選択」というものは、付き物なのです。
再び日常の中の「選択」に話しを戻しますが、皆さんは普段買い物をする場合でも、多くの選択肢の中から、選択をし決定をし、物を購入しています。
- 何を買うか?
- どこで買うか?
- いくらで買うか?
というように、決断するための要素としては、いくつもあります。
現代は、物が溢れた時代であり、消費者からすれば非常に多くの選択肢があります。
選択肢が多いということは、選べるものがないという状態を考えれば、消費者にとっては、良いことなのかもしれないですし、幸せなことかもしれません。
今は、簡単に物が手に入る時代であり、いくつものチャネルが存在します。
わざわざお店に足を運ばなくても、オンラインショッピングで、いつでもどこでも欲しいものが手に入ります。
つまり、売り手と買い手とが、直結する関係を構築できるのです。
このようなことは、消費者と企業との距離感を近づけることになりました。
だからこそ、企業にとっては、マーケティングが重要となったのです。
むしろマーケティング活動は、現代ビジネスとしては、企業活動の一貫として必須業務としての認識が高まり、企業にとってのマーケティング活動は「マスト」と言えるのではないでしょうか。
その一方で消費者としては、多くの商品やサービスからの選択という「チョイス」の権利を与えられているのです。
そういう意味では現在のビジネスにおける取引や契約というので、イニシアティブを握っているのが買い手である顧客側なのです。
マーケティング理念において、顧客ニーズを最重視する点を考慮すれば、決して悪いことではありません。
マストではなくチョイスという幸せ②【企業と消費者を結びつけることの意味】
「マストではなくチョイスという幸せ」というテーマで2つ目に取り上げるのは「企業と消費者を結びつけることの意味」についてです。
企業という立場、1顧客としての立場。
双方の観点から物事を見ると全く異なる景色が見えるはずです。
私達が生活していく上で、どんな人でも売り手にもなり買い手にもなるのです。
一生、売り手、一生買い手ということはありません。皆さんは職業としての役割を何かしら与えられているわけであり、日々、社会のために何かを生産しているわけです。
そして日々の生活の中でも、スーパーやコンビニに行って必要なものを購入しているのです。
仕事をしている時は、売り手の立場であり、お昼休みにお弁当を買えば、その時は買い手となり顧客となるのです。
このように1日の1つ1つの行動の中にも、一人の人間の中で、売り手と買い手は瞬時にチェンジするのです。
一人の人間の中に全く違う立場やケースが常に存在しているのですが、どちらも全く特性は変ってくるわけです。
買い手としては、自身の意見や考えに基づく主観的判断で問題ないのですが、売り手としては、客観的主観が必要なのです。
マーケティングにおける売り手としての主観性は、自分だったらこうしたい、こういう物やサービスが欲しいという自己中心的な考えではありません。
そのため、客観的な視点で顧客の立場にたって考えるというのは、難しいのです。
相手の立場、顧客の立場にたって考えるということは、マーケティングにおいて、非常によく言われることなのです。しかし、そんな当たり前のこと、わかりきっていると言いつつも、なかなか実践できていないのが現実なのです。
例えば、いつでもそばにいる家族でさえも、それぞれ考え方や価値観というのは、違います。
親であれ、子であれ、妻であれ、夫であれ、皆それぞれ考え方は違いますし、それぞれの気持ちが全部わかるということは、ありませんよね。
確かに家族であれば、生活環境を共にすることで、ある程度、その世帯によっての考え方や特徴というのは、似てくるものです。
しかし、それでも考え方が異なるのは当然で、生きてきた環境や時代が異なるからです。
人間の価値観や意識というのは、外部要因に影響されることが非常に大きいのです。
つまり、家族でさえ客観的なニーズをとらえることが難しいのに、赤の他人である不特定多数の一般消費者の立場になって考えるということは、それほど簡単なことではありません。
だからこそ、売り手と買い手という真の意味を理解し、双方の関係性を築きあげ、適切な距離感を保つことがマーケティング上、大切となるのです。
マストではなくチョイスという幸せ③【マストとチョイスどちらがいいのか?】
「マストではなくチョイスという幸せ」というテーマで3つ目に取り上げるのは「マストとチョイスどちらがいいのか?」についてです。
最後に顧客目線に立って考えると、マストとチョイスとどちらがよいのでしょうか?
マストというのは、必ずしなければいけないことですし、する必要があることです。つまり義務となり、選択肢はありません。
必ず行わなければ死活問題となってしまうこともあるでしょう。
一方でチョイスは、しなくてもよく、してもよいのです。選択できるという立場は、マストに比べれば良いのかもしれません。
マストはお金がないから働くなくてはならない、チョイスは、お金はあるから働いてもいいし、働かなくてもよいと言えます。
「自由」という意味では、選択ができるほうが多くの可能性があるということから、当然、チョイスが良いようにも思われますが、選択肢のない中で、最善を尽くすというのもまた1つの選択肢なのです。
このようにマストとチョイスという意味で、物事をとらえるとマーケティング視点としては、また違った要素として、見えてくる一面があるのではないでしょうか。