日常生活に寄り添う形で当たり前に利用されているのが、皆さんご存じ100均。そんな100均の中で業界トップを走るのが「ダイソー」です。
今回は、そんなダイソーの経営戦略について考察してみます。
便利で安価な利用しやすい100均ブランド
食品から日用品まで生活必需品がなんでも揃うのが「100均」です。皆さんも、何気によく利用されるのではないでしょうか?
100均と言えば、わかりやすいのが「価格」。店内の商品が全て「100円」というわかりやすさと安さで、消費者としても気軽に利用することができます。
100均ショップの商品を見ると、これが100円?なんて驚くことも非常に多いほど、魅力的な商品が実にあります。そんな100均ブランドの中で業界トップを走るのが「ダイソー」です。
おそらくほとんどの皆さんが「ダイソー」を一度は利用下ことがあるのではないでしょうか?それほど生活に身近な存在となっています。店舗もあちこちにあるので利便性がよいです。
例えば、日用品であれば雑貨屋、文房具屋、ホームセンターなどの専門店に行く前に、とりあえず「ダイソー」でチェックすれば、欲しいアイテムが見つかる可能性もあります。
それほど「ダイソー」では実にアイテムの数が豊富なのです。専門店などで購入すれば数百円かかるものが100均で購入すれば、たったのワンコインで買えてしまうのですから、消費者としては利用しない手はありません。
しかも「ダイソー」の商品は、安いだけでなくクオリティ的にも十分です。物が溢れる時代において消費者としても判断する目を持っていますので粗悪な商品は、なかなか売れない時代です。「安かろう悪かろう」では、物が売れない時代なのです。
そんな厳しい消費者の目がある中でダイソーが存在感を放っているのは、一般消費者にも高く評価されているという結果でしかありません。
100均の「ダイソー」は、国内では100均メーカーとしては、首位をひた走る業界ナンバーワンの存在として君臨しています。
そのシェアは、なんと全体の約6割ということですから、驚きです。その存在感の大きさが計り知れます。売上的には、年商4,000億円超ということで、ダイソーがいかに凄まじい勢いがあるかを実感することができます。
国内以外でも海外にも進出し、海外では約1,800店を展開しています。日本人としては、海外を訪れた時に「ダイソー」があるだけで安心感がわきます。
100均「ダイソー」の歴史
100均「ダイソー」の経営戦略を知る上では、「ダイソー」のこれまでの歴史を振り返ってみましょう。
現在、100均ブランドとして圧倒的なシェアを占めるダイソーですが、その理由の1つとして「100均の先駆者」として他より先に「100均」という営業スタイルをはじめたからです。
今でこそ、当たり前となった「100円均一」という商売の方法を考えだしたのが、ダイソー社長の矢野博丈氏なんです。つまり、「100均の礎」を築いたのです。
現在では、巨大となった「ダイソー」は、矢野博丈社長が一代で築きあげた企業なのです。「ダイソー」が創業開始したのは、今から約42年前となる1977年。当時は、まだ「100均」というスタイルは存在しなかったのです。他に先駆けて新たな経営戦略を打ち立てたわけです。
創業当初は、現在のような店舗スタイルではなく、トラックによる移動販売からスタートしました。当初は、矢野博丈社長自らがトラックでの販売を行うなど事業としては、全くゼロの状態から始まったとのことです。
創業当初の矢野博丈社長も最初から事業が上手くいっていたわけではなく、数々の失敗もあったと語っており、試行錯誤を繰り返す中で現在のようなスタイルにたどりついたというわけです。
時代的にもそもそも「100均」という概念が存在しなかった世の中では、100円で売られている安いものは、単純に粗悪品として見られることもあり、なかなか最初は売上が伸びなかったという苦労もあったようです。
100均「ダイソー」の経営戦略、営業戦略とは?
ダイソーの経営戦略、営業戦略は非常にわかりやすいものです。様々な商品を安い価格で消費者に提供するという薄利多売の法則ですが、現在の地位を築いているのは、それだけではありません。
ダイソーには、明確なコンセプトとそれに合わせた緻密なマーケティング戦略が行われているのです。
まず、「ダイソー」の明確な営業戦略ですが、『利益はたったの1円でも売る』ということです。
たった1個の商品がたったの1円だけだったとしても、それほど100万個売れば利益になるという考えです。つまり、塵も積もれば山となるの考え方です。
その為、100均の仕入れは一度に大量に行うということです。仕入れを大量にすることで、メーカー側との商談もしやすく、仕入れ値をかなり安く抑えて仕入れします。
その為、「ダイソー」のバイヤーは、自社のコンセプトにそった形でしか極力取引を行いません。
更にダイソーには、他にはない商品開発能力があります。自社で企画、開発、製造することによって、コストをできるだけ抑えるだけでなく、商品の品質そのものも良質に保っているのです。
商品の開発においても徹底的なマーケティング戦略に基づいて行われるのです。