ビジネスを効率的且つ効果的に行うには様々な手法、施策があります。
その中でも近年、注目されているのが「エスノグラフィー」です。
エスノグラフィーとは、いったいどのようなものなのでしょうか。
というわけで今回は「10分でわかる!エスノグラフィーの効果やメリット」について詳しく説明致します。
10分でわかる!エスノグラフィーの効果やメリット①【エスノグラフィーとは?】
「10分でわかる!エスノグラフィーの効果やメリット」というテーマで1つ目に取り上げるのは「エスノグラフィーとは?」です。
ビジネスを効果的に推進していくためには様々な要素があります。
成功している企業を見れば、わかるように、いくつもの成功要素をしっかりと行っていることがわかります。
顧客(消費者)の多様化が進む現代において、「調査」というのは、基本的に必要となります。
対象者の行動を研究するとうことが、どれだけ現代ビジネスにおいて役立つかということを把握する必要があります。
調査という意味では、近年ビジネスにおいて注目されているのが「エスノグラフィー」です。
「エスノグラフィー」という言葉そのものを、はじめて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。
エスノグラフィー(ethnography)とは、そもそも何なのか?
エスノグラフィーは、一言で言えば「調査手法」です。
集団、組織、社会の生活や行動様式をフィールドワークにより調査を行った結果の記録文書のことを言います。
データ分析や統計という定量的な調査を対象とするわけではなく、インタビューや観察という手法を重視します。
エスノグラフィーは、そもそも社会学や文化人類学の領域で用いられていました。
特定の文化や民族を研究する調査方法として活用されてきましたが、ビジネスにも取り組むようになったのです。
「エスノグラフィー」という言葉の語源は、ギリシア語です。
ギリシア語の「ethnos(民族)」と「graphein(記述する)」を組み合わせた言葉です。
エスノグラフィーの具体的な調査方法についてふれていきましょう。
エスノグラフィーは、本来は民族研究などで主に活用されていた手法です。
これを現在では、ビジネスに活かそうということになっているのです。
具体的な調査方法としては、2つの調査方法があります。
民俗学や文化人類学のフィールドでは、民族コミュニティの内部に直接入り込むことによって生活様式、行動、風習という様々な観点から「観察」を行うことで調査します。
例えば、具体的な生活様式でいえば、狩猟採集や農耕牧畜、食事、儀式など具体的な実態を調査していきます。
記録方法は、文字、写真、スケッチ、動画、音声などの手段が使われます。
では、ビジネス分野においてのエスノグラフィー活用は、どのようなものか?といえば基本的なことは同じになります。。
人材へのインタビュー、現場視察という観察もエスノグラフィーの事例です。
10分でわかる!エスノグラフィーの効果やメリット②【エスノグラフィーの効果】
「10分でわかる!エスノグラフィーの効果やメリット」というテーマで2つ目に取り上げるのは「エスノグラフィーの効果」です。
次に実際にエスノフラフィーをビジネスに導入することによって得られるメリットや効果というのは、どのようなものがあるのでしょうか。
導入によって期待できるメリットについて説明していきます。
【質の高いデータ入手】
エスノグラフィーを用いることによって質の高いデータの入手が可能となります。
アンケートなどの定量調査では、調査結果を数字とし可視化することによって、状況を把握しやすいことがあります。
その一方で、さらに一歩進んだ情報までは不明確であるというのがデメリットとなります。
エスノグラフィーは定量的な情報よりも、行動パターンや特性から、定性的分析ができるという特徴があります。
こりにより各現場でアンケートの様子を理解できないというケースの解決策となるでしょう。
【環境現場の理解】
エスノグラフィーを用いることによって現場のリアルな様子を理解できることもまた、メリットの一つと言えるでしょう。
エスノグラフィーでは、実際に現場に足を運び、リアルな仕事の現場を観察することにより、その全容を理解することができます。
顧客対応、会議の様子、休憩の方法という直接、仕事に関わる全てのことを網羅することにより、幅広い観察ができるのです。
インタビューなどのみでは、決して入手することができない結果を、観察により直接的に入手することができるのです。
可視化することにより得られる情報のみから得られるもの以外の要素も得ることがてできるのです。
現場内部で調査を行うことによって、正確な状態が把握できるというものです。
【先入観にとらわれない調査ができる】
現実の情報に基づき調査を進めることで、先入観にとらわれず、正確な調査が可能であることもエスノグラフィーの特徴です。
エスノグラフィーを用いることによって現場内部で観察することによって、直接その場でヒアリングし意見を吸い上げることもできるため、情報の誤認が防げます。
企業というのは、様々な専門部門が存在しますから、部門間の連携というのは、一定の担当者のフィルターを通して連携させる道筋があり、ダイレクトな意見が反映されにくいというデメリットもあります。
各部門で現場の要望などを受け付けても把握できないケースがあることを理解しておきましょう。
取り組みそのものは、企業内部で行うことは悪いことではありません。
しかし、外部から現場を把握しようとする取り組みとしては、表面的な情報しか入手できない可能性があることを考慮しなければならないでしょう。
情報取得において障害となるのは、誤った先入観です。先入観があることそのものがリスクとなってしまうのです。
【言語化されないデータの入手】
エスノグラフィーでは言語化が難しいデータの入手が可能ということがメリットとなります。
アンケート調査においては、視覚的に把握できることもありますが現場が無意識に行なっている「暗黙の習慣」なども、観察することによって理解できるということがメリットとなります。
10分でわかる!エスノグラフィーの効果やメリット③【他の調査との違い】
「10分でわかる!エスノグラフィーの効果やメリット」というテーマで3つ目に取り上げるのは「他の調査との違い」です。
エスノグラフィーの特徴を、さらに一歩理解するためには、他の調査方法と比較・検討することが大切です。
具体的な調査方法として、次の3つの調査方法について説明していきましょう。
- アンケート調査
- グループインタビュー調査
- デプスインタビュー調査
では、それぞれの違いについて説明していきましょう。
(1) アンケート調査
アンケート調査は、定量調査のひとつです。
アンケートの前提条件として、質問事項の洗い出しが必須となりますが、パターン化した質問を作成し回答を得ます。
データ収集による定量調査の方法と言えます。
アンケート調査の目的としては、あえて質問することで、受け側がわからなかったことを取得することが目的です。
アンケート調査の具体的な方法としては、次のような方法となります。
- 口頭(対面、電話)
- 書面(FAX、メール)
- Webページ (アンケートフォーム)
アンケート調査は、事前に準備した質問に沿い回答を求めることから、調査の一貫性をキープできるという特徴があります。
エスノグラフィーは質問のみだけではなく観察やインタビューという方法も活用する点が違いと言えます。
(2) グループインタビュー調査
グループインタビュー調査は、その名の通り、回答対象者が複数の場合となります。
基本的には、直接ヒアリングにて回答を収集する調査方法です。
対話形式のため質問者の目の前には、相手がいるため、直に様子を見ながら質問をできることが特徴と言えます。
自由な発言が可能となるため、柔軟に意見を引き出せるという特徴があります。
エスノグラフィーの情報リソースとしてもインタビュー調査の実施というのは当然ありますが、それだけに頼るということは決してありません。
回答者のありのままのフラットな状態を観察する点に重点を置いているということも特徴的です。
(3) デプスインタビュー調査
デプスインタビュー調査は、アンケート調査手法としては、最も聞きなれない手法かと思われます。
回答者とマンツーマン形式での直接対話をする調査方法です。