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深入り営業をしていると、特定の企業と非常に親密になることができる場合があります。

そのことはビジネスチャンスになりますので、非常に良いことではあります。

しかし度が過ぎる場合は、深入りしていることがデメリットにもなり得ます。

今回はあえて一社に深入りすることで生じるデメリットに注目して解説させていただきます。

一社に深入りするデメリット

いくら営業のためとはいえ、一社に過度に深入りすることは多くのリスクを抱えることになります。

最初の頃は良かったとしても、深入りをすることで適切な営業が出来なくなる可能性があり、結果的に自分が損をすることになります。

ではどんなデメリットがあるのでしょうか。

効率が悪い

一社に深入りするということはその企業に多くの時間とコストを割くことになります。

担当企業がそこしかないという営業ならそれでも構いませんが、複数の企業を担当している人ですと一社にそこまでの労力は掛けていられません。

仮にそれがその企業に対しては成果に繋がっているとしても、他の企業への営業が疎かになっているのであれば結果的には目標の売上には達しないことになってしまいます。

相手の企業の規模にもよってきますが、一社に集中し過ぎることは必ずしも正解とは言えないのです。

提案がしにくくなる

その企業と濃密な付き合いができるようになると、社内事情や経理の状況までも把握できるようになってきます。

そのことは営業としてはとても大きな成果ではあります。

それは相手の内部事情を知っていることで、懐に入った提案をすることができるようになるからです。

ですが深入りして感情移入までしてしまうようですと逆効果になることもあります。

相手の懐具合の苦しさを慮るあまりに積極的に提案を行えなくなるという現象があり得るのです。

相手の気持ちに立つことは良い営業ではありますが、時にはドライにならなければいけない時もあります。

深入りをし過ぎたが故にビジネスとして必要最低限のドライさを失うことになるならそれは営業としては考えものです。

引き継ぎが出来なくなる

一人の担当者が一社に深入りし過ぎると、他の担当者が入り込みにくくなります。

いざ担当変更をしようと思っても、相手企業の方が慣れ親しんだ担当を望めばスムーズな交代はできません。

また、相手との長い付き合いの中で生まれた前任者にしかわからない感覚が多くなるので、引き継ぎも非常に難しくなります。

関係がうまくいっているのであれば事情がない限りは担当を替える必要は無さそうに思えますが、それもリスクです。

長い担当ですと今までとは別の視点から提案を行うことが難しくなるので、ビジネスチャンスを逃す可能性があります。

仮にその担当者が体調を崩すなどで一時的に離脱をしなければならない時なども、誰もフォロー出来なくなります。

管理職の人は常に状況を把握しておかなければなりませんし、営業個人でも情報の共有は欠かさないようにしましょう。

特別扱いを求められる

一社に深入りしているうちに自然と仲は深まっていき打ち解けた会話も出るようになり、ざっくばらんに提案が出来るようになってきます。

しかしそれは相手にとっても同じことです。打ち解けたことによって特別に便宜を図ってもらおうと考える人も出てきてしまいます。

関係が深くなり過ぎると、この関係を維持しなければならないと考えるものです。

そうすると断ることが出来ずにあまり会社にとってメリットのない契約を結ぶことにもなりかねません。

関係の深さが自分の首を締めることになり得るのです。

良からぬ噂を立てられる

一社に深入りし過ぎていると社内外でもあらぬ疑いをかけられて損をすることになります。

会社から指示をされているわけでもないのに特定の顧客に力を入れていると何か理由があるのではないかと思われてしまいます。

周囲の会社に対しても情報がどこで漏れるかはわかりません。

一社だけ優遇していることがわかれば不満を持たれてしまい、最悪の場合は取引に影響を及ぼします。

信頼関係は噂レベルでも簡単に壊れますので、噂が立たないように配慮する必要もあります。

深入りしない方法

顧客と良好な関係を築くことは良いことです。

しかし深入りは禁物。

そうなるとどうすればいいのでしょうか。

顧客と適度な距離を保つコツをお伝えします。

断ることを恐れない

営業にとって顧客の要望を断るのは勇気がいることです。

絶対に無理なことならともかく、自分が頑張ればどうにかなりそうなことなら受けてしまうという人は多いでしょう。

難しい注文をクリアすれば信頼されることになるのでメリットは大いにあります。

しかしそれが頻繁になり何でも受けるようになってしまうとその先も断るのは格段に難しくなります。

顧客のために頑張るのは素晴らしいことですが、話が大きくなる前に断ることも覚えましょう。

無下に断ることはできないでしょうが、受けられない理由をきちんと述べ、出来る範囲内を示せばわかってもらえるはずです。

プライベートには介入しない

営業で悩ましいのは業務時間外のお付きあいを求められた時です。

接待まではいかない担当者同士のお酒のお誘いや、休日のゴルフなど対応に困るお付きあいも出てくるでしょう。

相手が仕事抜きでのお付きあいを提案してきても切り離して考えにくいのが営業です。

プライベート絡みは際限がなくなってしまうので断るなら早めの方が良いです。

家庭の事情など相手も無理を言いにくい理由を立ててお断りするようにします。

毎回は角が立つのでごく稀に応じるなど、「興味はあるけど行けない」を演出するのがポイントです。

マメに上司を紹介する

個人的に一社に深入りするのは様々なリスクがあります。

そうならないためには上司を連れ出して会社と会社のお付きあいにした方が良いです。

会社同士のお付きあいであれば少なくとも個人に負荷がかかることは避けられます。

少し自分では断りにくいと感じるような顧客に対して上司を連れていくことで相手も無理な要求は出来なくなります。

訪問の度に同行してもらうのは難しいでしょうが、時々一緒に行くことで常に上司の存在を相手に意識させることが出来ます。

まとめ

相手企業との関係構築は営業の大事な仕事です。

ですが、引き際を間違えて深入りしすぎると身動きが取りにくくなってしまいます。

深入りしなくても良い営業をすることはできます。

相手主導ではなく、自分でもコントロールしながら過度な深入りはされるように気をつけてください。


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