少子高齢化の時代、労働人口の減少、シニアマーケティングの拡大、介護問題など何かと高齢者に対しての話題ばかり先行するような一面もありますが、未来を担う子供達の「教育」に対しても大きな変化が見受けられます。
というわけで今回は「マーケティング最前線。教育改革?1人一台端末構想」について詳しく説明致します。
マーケティング最前線。教育改革?1人一台端末構想①【変わらざるをえない教育】
「マーケティング最前線。教育改革?1人一台端末構想」というわけで、1つ目に取り上げるのは「変わらざるをえない教育」です。
「時代は変わる」。
特に2020年のはじまりと同じくして全世界に広がりを見せている不測の時代となった「新型コロナウイルス」の影響。
日常生活をおくる上でも様々な変化と対応を求められています。
その中でも早い段階で影響を受けたのが教育現場です。
世界的に感染拡大が進む中、日本においてもその影響は現れはじめました。
そして2020年3月2日から政府は、全国を対象とした臨時休校要請を出しました。
そして5月を迎え、大都市圏以外の緊急事態宣言解除が発表された中、地域別ではありますが段階的に休校が解除されました。
しかし、現在もまだ全国的に再開となったわけではありません。
例え学校再開となったとしても、新型コロナウイルス感染拡大第二波への懸念、これまでの教育の遅れ、今後の学習プログラムの見直しなど、様々な問題が教育現場には残されています。
一度狂った歯車を元に戻すのは、並大抵のことではできないのです。
子供たちの学びの場がなくなったということは、戦後日本の歴史においては類を見ない事態と言えます。
逆を言えば、これまで何事もなく教育を進められたという環境が良すぎたのかもしれません。
今回のような不測の事態を受け、まず前提として考慮しなければならないのは、学びの場を守り続けること、教育を保障することなのです。
今回の世界的パンデミックという状況というのは、現代社会に生きている私達のほとんどが体験したことのない事態となりました。
正にこれまでの日常が覆されるような不測の事態と言えます。
「イレギュラー」という事態に、どのように対応すべきか、判断を急かされる場面も多々ありました。
その中で特に「教育」について、問題となったのは、「教育環境」の維持です。
日本においても、新型コロナウイルス感染状況には、地域差がありました。
一部は解除、一部では解除されないという地域格差の状態を生み出したのです。
特に感染率の高い地域となるのは、人口の高い大都市圏が多いことです。
特に首都近郊は、人口一極集中という問題点を露呈した格好となったわけです。
教育面においては、国が大まかな指針は提示するものの、最終的には各自治体の判断に委ねられることとなりました。
このような状況から、国的に一律した教育を行うことが基本であるものの、教育格差が生まれてしまう現在の状況は、いたしかたない状況とも言えます。
学ぶ機会の損失、そして教育の平等性を保つということが、改めての問題として浮き彫りになったのです。
そのような対策として注目されているのが、ICTでの教育です。
通学できない状況から授業ができないという物理的条件による制約の中で情報通信を活用し、教育を停滞させることのないようにした策です。
いわゆるオンライン学習というスタイルですが、私立学校においては、既に環境が整備されていることから、登校不可の場合でもオンラインにて授業を行うことで、教育を停滞させることなく行っているのです。
そのように既に対応を可能としていることで差が生まれてしまう状況をなくすためにも、国として2020年補正予算案とし「GIGAスクール構想の加速化」という方針が打ち出されています。
この取り組みによって、学びの場をなくすことなく、教育の停滞を防ぐというものです。
国としては、できるだけ早急に実現させたという意向があります。
具体的な予算額は合計2,318億円。
これだけの予算をみても、国が本格的な教育改革に乗り出していることがわかります。
そしてマーケティング市場としても、非常に価値の高いものとなっています。
本格的な教育のICT化を大胆に、そして早急に進めようとしている国策なのです。
マーケティング最前線。教育改革?1人一台端末構想②【加速するGIGAスクール構想】
「マーケティング最前線。教育改革?1人一台端末構想」というわけで、2つ目に取り上げるのは「加速するGIGAスクール構想」です。
国が掲げている「GIGAスクール構想」とは、いったいどんな構想なのでしょうか。
この目的は、「子供一人ひとりに個別最適化された、創造性を育む教育 ICT 環境の実現」です。
この構想を打ち出したのは、文部科学省がであり2019年末ということで、ごく最近になって発表されたもの。
2020年になって新型コロナウイルス感染拡大という事態により、予期せぬ休校となったことで、よりその構想の重要性が増したというわけです。
2020年の教育改革と言えば、革新的な改革として新たな教育カリキュラムとして追加されたのが「プログラミング教育」でした。
時代のニーズに合致した教育改革ではあったものの現在の情報化社会の現状を見る限りでは導入が、遅いとも捉えられます。
結果的に新型コロナウイルスの影響もあり、「プログラミング教育」どころではなくなってしまった現状では、教育の場合を守るという「GIGAスクール構想」のほうがニーズが高くなってしまった格好となりました。
いずれにしても「GIGAスクール構想」に対しては、教育界でも大きく取り扱われており、各自治体を中心に早い段階から動き出しを見せています。
国策あるところにニーズがあり、マーケティングがあります。既にこの動きを察知している企業も新たな取り組みをはじめています。
具体的な事業内容として提示されたのは、主に2つとなります。
まず1つ目は、インフラ整備です。
学校内の通信環境を整えることにより、ICTをフルに活用した教育が行える環境作りです。
インフラ整備の国家予算としては、2020年度中に1,296億円。
小・中・高それぞれの学校を整備する計画がありました。
2つ目としては、全児童、生徒に向けての端末配布です。
1人1台端末を与えるという構想は、2023年度までに実施する予定となっています。
こちらの予算として1,022億円という大規模な予算が組まれています。
端末1台あたりのの補助上限は、4.5万円相当という計算になります。
端末の台数としては、全部で800万台が必要とされています。
ICTの活用によって、様々なデータを一括管理することができれば、教育レベルの向上だけでなく教職員員の負担減となり、教育界においても「働き方改革」を進める形ともなるのです。
マーケティング最前線。教育改革?1人一台端末構想③【魅力的なマーケティング市場】
「マーケティング最前線。教育改革?1人一台端末構想」というわけで、3つ目に取り上げるのは「魅力的なマーケティング市場」です。
この先もコロナ終息が遠のけば、「GIGAスクール構想」のニーズは高まり早期実現が望まれます。
この構想を受け、教育ICTに関連する企業にとっては、マーケティング市場として前向きな対応を迫られます。
特に通信会社は、その恩恵を多分に受けることとなり、魅力的なマーケティングとなることは必至です。
特にニーズの高まるオンライン授業の視聴環境を十分に確保する為、学校側の設備のみではなく、各家庭での通信環境の整備も必要に迫られることとなります。
新たな通信プランの策定や、オンライン授業のコンテンツ作成ニーズが急速に、高まっていくでしょう。
教育そのもののクオリティを高めることも実現可能であり、英語教育やプログラミング教育などグローバル社会で勝ち残る為の価値ある教育を行うことも可能となります。
その一方で情報活用の利便性に反してセキュリティ面での安全性を確保することも、改革を進める上での大きな課題ともなっています。
変化の激しい時代に乗り遅れないような、新たな教育へのシフトが今、必要とされています。