世の中には、様々なビジネスモデルが存在します。
時代と共に、そしてニーズと共に新たなビジネスが登場するわけで、ビジネスモデルのファーストケースというのは、必ず誰かがはじめているわけです。
というわけで今回は「勝つためのビジネス戦略!ジレットモデルとは」について詳しく説明致します。
勝つためのビジネス戦略!ジレットモデルとは①【ジレットモデルとは】
「勝つためのビジネス戦略!ジレットモデルとは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「ジレットモデルとは」です。
マーケティングを知る上で、そしてビジネスを知る上で成功を収めるためには、どうすればよいでしょうか?
それは、自らのビジネスにおいて、正面から向き合うことが大切になります。
そして、自らビジネスをしっかりととらえ学んでいく必要があります。
変化の激しい現代においては、変わり続けるビジネスシーンの中で、その変化の波を敏感にとらえていく必要があります。
成功するための最も早い近道は、成功例を参考にすることです。
既存のビジネスモデルをよく観察することによって、みえてくるものなのです。
そして、今回、注目するビジネスモデルが「ジレットモデル」です。
皆さんは、この「ジレットモデル」という言葉を聞いたことがありますか?
ジレットモデルというのは、日常においても皆さんも顧客として、一般消費者としても日頃から、よく利用しているビジネスモデルとなります。
近年では、家庭用のプリンタなどがそれにあたります。
パソコンと接続しコンパクトなインクジェットプリンタですが、写真印刷や文書などを印刷できます。
以前に比べて本体価格の相場は、かなり安くなりました。低価格のものでは、5000円程度のものもあり、手軽に購入することができます。
実際には、本体よりも消耗品であるインクカートリッジのほうが割高なくらいなのです。
本体価格と消耗品がほとんど変わらないこともあるのです。
このように近年では、プリンタの例が非常にわかりやすいのですが、そもそもジレットモデルは、アメリカの髭剃用カミソリからはじまりました。
名前の由来は、髭剃用カミソリ「ジレット」です。
皆さんの中にも、これまで購入された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ジレットモデルの別名もあり、「Razor and blades(替刃)モデル」という呼び方もあるのです。
その他には、もつ「リカーリング」とも呼ばれます。この意味は、「繰り返す」、「循環する」を現しています。
ビジネスモデルとしては、消耗品をいかにして売るかということになります。
消耗品ですから、ポイントとなるのは、売り続けることが必要となります。
つまり消費者にどれだけリピート買いしてもらえるかとなります。
買い切り型の商品の場合、顧客の購入頻度というのは、その商品の寿命となるまで、買い替えはされません。
例えば車や冷蔵庫などがあります。
しかし、消耗品であれば、買い替え頻度は高く、購入間隔も短くなります。さらに購入金額も安価です。
そのため、消費者というのは、買い替えがしやすいのです。
言ってみれば、買い替えしやすいだけに、様々な商品を試すことができるのです。
カミソリなどは、その最たる例と言え、実際に様々な商品を購入し、利用し様々な商品を比較することで、その価値と良し悪しがわかるというものです。
そのため、売り手としては、他社より優れた商品を開発する必要があります。
そして重要なのば、「リピートし続ける仕組みを作ること」となります。
買い替えがしやすく、他社との比較検討がしやすいということは、たった一度購入してもらっただけでは、あまり意味がありません。
複数回使ってもらって、はじめて次につながることとなるのです。
たった一度の購入は、単なるお試しで、いつ競合商品に浮気されるかは、わからないからです。
勝つためのビジネス戦略!ジレットモデルとは②【ジレットモデルの歴史】
「勝つためのビジネス戦略!ジレットモデルとは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「ジレットモデルの歴史」です。
では、ジレットモデルの歴史についてふれてみましょう。
ジレットモデルが生まれた背景ですが、生みの親は、「キング・ジレット」です。
ジレットは、行商人でありつつも発明一家でもあり、様々な工夫を行ったのです。
ジレットが考えていたのは、「一度使ったら捨てられてしまう商品」でした。
つまり、「消耗品」自体を生み出すことになります。使い捨てだからこそ消費者は買ってくれるはずだという考えからなのです。
そこで「消耗品」としてたどり着いたのが「カミソリ」となります。
今となっては、使い捨てカミソリというのは当たり前ですが、当時はカミソリは、使い捨てではなく「使い続けるもの」だったのです。
カミソリというのは、何度も研ぐことによって使い続けられるものという認識が普通だったのです。
そのため、刃は厚くなければならないのでした。
そんなカミソリの基本的概念にとらわれるのではなく、刃を薄くして安くすることで、「使い捨て」仕様となる刃を開発したのです。
この「使い捨て」という商品コンセプトとしてのアイデアそのものは、非常に素晴らしかったのですが、当時まだ存在しないものを開発するには、実際には非常に大変だったのです。
製品として実現するには6年の歳月を要しました。
もちろん、これまでにない画期的な商品ではあったものの認知度の低さから、最初は売れませんでした。
今となっては当たり前のような使い捨てのT字カミソリですが、今認知されるようになったのは、地道なプロモーションの成果があってこそのものでした。
それにより徐々に使い捨てカミソリは、市場を拡大していくことになります。
例え世の中に存在しなかった革新的な商品であったとしても、マーケティングなしでは、ヒットはありえないということが歴史を振り返ればわかるのです。
ジレットが認知されるために実際に行った戦略とは、いったいどのようなものだったのでしょうか?
それは、「無料配布」となります。
サンプル品やお試し品としての配布は、それなりにコストはかかりますが、実際に商品を試してもらうことにより、商品のそのものの良さをわかってもらえるというメリットがあります。
無料配布による効果は確実に現れ、世界的に認知度を高めることに成功したのです。
これにより継続的に刃を購入してもらうという消費ルーチンができたのです。
勝つためのビジネス戦略!ジレットモデルとは③【ジレットモデルのメリット】
「勝つためのビジネス戦略!ジレットモデルとは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「ジレットモデルのメリット」です。
実際にこれまでジレットモデルを採用してきた企業は数多くありますが、そんなジレットモデルのメリットとは、いったいどのようなものだったのでしょうか。
【顧客の囲い込み】
消耗品は、あくまでオブション商品であり、パーツとなります。本体なくして機能しない消耗品アイテムは自社製品にしか基本的には利用できません。
つまり、「顧客の囲い込み」というのができるのです。
これにより、多少価格が高かろうと顧客は、自社の商品を買い続けてくれるのです。
「顧客の囲い込み」戦略というのは、メーカーや企業にとっては、非常に有効な戦略となります。
中長期的にみても、企業の成長戦略としては、安定的な経営を継続できることにつながるわけです。
ジレット戦略は、あくまで消耗品を継続的に購入してもらうことが狙いですから、本体の買い替えというのは、さほど問題ではありません。
本体買い替えとなると、消費者にとってもコストはかかりますが、それがスイッチングコストとなるわけです。
結果的には、多少高くても自社の商品を買い続けてくれるという仕組みが成り立つのです。
【プロモーションへのコスト投資】
ジレットモデルというのは、中長期的な利益を得られることから、プロモーションにもコストをかけられるという特徴があります。
ビジネス、そしてマーケティングには、必ずコストがかかります。
特に顧客獲得には、コストはかかるわけですがジレットモデルの場合、一人の顧客を獲得するためのコストがかかっても、寵姫にわたり顧客が購入してくれることにより、利益は出せるのです。
つまりプロモーションに投資をすることができれば、ビジネスも拡大し、戦略としての幅も広がるというわけです。
そうすることで、業界内でのポジションの確立がしやすくなるというわけです。