コロナウイルスの影響から外食より家食にシフトしている中、大きな緑の看板が目立つ「業務スーパー」が何かと話題となっています。
というわけで今回は「『業務スーパー』に学ぶ、マーケティング成功事例」について詳しく説明致します。
『業務スーパー』に学ぶ、マーケティング成功事例①【業務スーパーとは】
「『業務スーパー』に学ぶ、マーケティング成功事例」1つ目のテーマは「業務スーパーとは」です。
我々の生活にとっては欠かせないのが「食事」。人間は、生きていく為には、「食」を欠かすことは出来ません。
普段、毎日の買い物でも食品を購入することが最も多いでしょう。
食品ならば、一通りの食材が何でも揃っている「スーパー」があります。「スーパー」は、生活に身近で店舗数も多く、様々な「スーパー」が存在します。
競合他社の多い「スーパー業界」も差別化をはかる為、様々な特色を打ち出しています。
しかし、スーパーと言えば、一般的なスタイルは似たような物となり差別化が難しい業界でもあります。差別化の手段の1つとしてあるのが「低価格化」による価格競争です。
多くのスーパーが激安特価などを仕掛けていることもあり、価格競争にも限界かあります。
これからのスーパーの生き残りとしては、「価格」以外の何かを打ち出していく必要があります。
そんなライバルの多いスーパー業界で、独自路線を進め、勢いづいているのが「業務スーパー」です。
ここ最近になって、より一層注目度が高まっています。
まずは、話題の「業務スーパー」についてふれていきましょう。
「業務スーパー」を運営するのは、「神戸物産」。
屋号の「業務スーパー」と聞くと業務用のスーパーかと勘違いしてしまいますが、一般の人ももちろん利用できます。
この屋号の由来は、インパクト重視ということで命名されたようです。
「業務」と付くだけあって飲食業界にとっても卸値という格安で提供していることがポイントです。
「業務スーパー」の人気に火が付いたのは、プロではなく一般消費者からの支持があったからです。
顧客の割合的には、およそ8~9割が一般消費者ということです。
業績的にも順調に売上を伸ばし売上は2366億円、店舗数も増加し、およそ800店舗が存在しています。
年々店舗数も増えたかことからの売上増加もありますが、一店舗あたりの売上増の影響もあるということです。
「業務スーパー」は、2000年兵庫県三木市に1号店がオープンしました。スーパーとしては、それほど歴史は長くないのです。
多くの一般消費者を惹き付ける「業務スーパー」の特徴は、価格が安いこともありますが、それ以外にも優れた点がいくつもあります。
まず1つあげるのは商品ラインナップ。
商品数自体は、他のスーパーに比べれば品数は少ないのです。
特徴的な品揃えは、業務スーパーならではのオリジナル商品が多いということです。
つまり他店では売っていない独自の商品を打ち出すことで差別化をはかっています。
オリジナル商品の他、輸入品なとも多いことも1つの特徴です。
さらにスーパーとしては、飾り気のないシンプルさか逆に目を惹きます。
シンプルでわかりやすく、「安さ」を売りにしてることが容易にわかります。
オリジナル商品の多い業務スーパーの商品開発にも独自の特徴があります。
ポイントとなるのは、次の3つとなります。
- 大容量の製品
- 冷凍食品
- 製販一貫体制
具体的な商品として牛乳パックに入っている大容量のプリンや冷凍野菜などがあります。
冷凍野菜などは、最初からカットされている状態なので下処理などが不要で使い勝手がいいのです。その為、プロの業者も取り扱うことが多いです。
小売業が集客をする上では「安さ」でアピールするか、「品質」でアピールするかが主になります。
「業務スーパー」が行っているのは、他とは違う「工夫」があります。
安さだけではなく、その他の魅力で顧客を惹き付けることができるのです。
『業務スーパー』に学ぶ、マーケティング成功事例②【マーケティング分析】
「『業務スーパー』に学ぶ、マーケティング成功事例」2つ目のテーマは「マーケティング分析」です。
「業務スーパー」についての特徴にふれた後は、マーケティング的な観点から「業務スーパー」の分析を行っていきます。
4P分析にて分析していきます。
【プロモーション(Promotion)】
業務スーパーの特徴というのがプロモーションです。業務スーパーは、積極的なプロモーションというのを行っていないのが特徴です。
多くのスーパーが特売などの情報を出しチラシを作るのが一般的なのに対し、業務スーパーのチラシは見たことがありません。
さらにCMなどもありません。
業務スーパーのプロモーション戦略には広告費をかけていないのです。
しかし、実際に街にある店舗は、大きな緑の看板が目立ち、その存在感は抜群です。
「業務スーパー」を印象付ける看板が特徴的なのです。
【価格(Price)】
次に価格です。業務スーパーは、とにかく「安い」です。
「安さ」で売るお店は、多いものの業務スーパーもやはり安さで違いを生み出す為に、様々な工夫をしています。
売り方の工夫として「ダンボール陳列」があります。出店コストの削減、PB商品の販売が安さとして現れています。
また前述したオリジナル商品の多さも特徴と言えます。
【場所(Place)】
業務スーパーは全国チェーン展開しており、800店舗以上が存在しています。
店舗規模としては、中規模程度です。
出店エリアとしては、近くに他のスーパーがあるなど、あえて同業者が近くにある立地を選んで出店しています。
【商品(Product)】
商品にも特徴があります。
こちらも前述したように輸入品、オリジナル商品など他のスーパーとは違う商品を多数取り扱っています。
独自性のある商品は、多くの顧客を惹き付け、業務スーパーに行かなければま手に入らないということから、客足を業務スーパーに向かせているのです。
豊富な品揃えというより独自性を特徴としており、普通のスーパーにはおいてある洗剤などの日用品などの取扱いはなく、食料、飲料が主な商品ラインナップとなっています。
品数が少なくても他社で販売していないという独自性を貫いているところが、業務スーパーの明確な戦略と言えるでしょう。
『業務スーパー』に学ぶ、マーケティング成功事例③【他社との違い、差別化】
「『業務スーパー』に学ぶ、マーケティング成功事例」3つ目のテーマは「他社との違い、差別化」です。
業務スーパーの特色と言えば他社とは違った独自路線を歩んでいることです。
そんな特徴的な「業務スーパー」をこよなく愛するフォロワーも多くSNSやブログなどでも話題となっています。
業務スーパーで購入した食材を使用したアイデアレシピなどの情報を公開するフォロワーの存在が、さらなる拡大の要因となっています。
これほどまでにネット上で話題になるスーパーというのも珍しく他社との完全な差別化の現れしているのがわかります。
広告費をほとんどかけないという「業務スーパー」の戦略も他のスーパーとは真逆と言えますが、独自性を強みとし、多くのフォロワーが情報発信してくれることで、変わりにそれが広告代わりとなっているのです。
業務スーパーを利用する顧客の年齢層は、幅広い世代の方が利用しています。
SNSをはじめYouTubeのや、TV番組でも頻繁に取り上げられることから、学生さんなど若い世代の利用者も増えているのです。
そして業務スーパーと言えば、魅力的なのが「冷凍食品」です。
業務スーパーオリジナルの冷凍食品は、長持ちし使い勝手もよいことからプロの料理人から一般の方にまで幅広く支持されています。
もしかしたら、あなたのお家の近くの飲食店でも、業務スーパーの冷凍野菜などを使っているかもしれません。
業務スーパーの出店しているロケーションは、当初は郊外に多く出店しており車を必要としていましたかが、近年では住宅街や駅近くへの出店も多くなり駐車場のない店舗も増えてきました。
ニーズに合せた店舗展開は、さらなる「業務スーパー」フリークを生み出すこととなるでしょう。
話題が話題を呼び急拡大を見せている「業務スーパー」は、フランチャイズ制をとっています。今後、さらに店舗数を増やすであろう「業務スーパー」に注目です。