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優秀な学生を採用するにはどうすればよいか、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

私たちは、今まで採用したことのない難関大学と呼ばれる大学の出身者を取り込むため、新しい試みを行いました。皆さんも是非取り入れてみてはいかがでしょうか?

優秀な人材を獲得するためには!?

幹部候補の学生との接触方法

  • 応募等があれば個別にメールを出す
  • 他の学生との差別化をはかるため、通常の面接、試験ではなく、個別で面談を行う。
  • 場合によっては食事会の最中に内定を出すこともあります。

    通常の面接で内定を出すよりは、食事会の最中の方が、実際に入社する率は高いように感じています。

  • 最初から人事部長が面接を一対一で行う。
    恐らくここが一番大きいかと思います。最初から人事部長が出てくることで特別感を演出しています。

幹部候補として採用する人材の要件

  1.  社内で決定した難関大学(東京大学や京都大学など)の出身者であること
  2. 筆記試験の結果が全応募者の上位10%以内であること
  3.  ポテンシャルが認められる人材であること

幹部候補として採用された人材に与えた権利

  • 人事権
  • 取締役や部長クラスとの会談の場

入社後5年間はこちらが提示した要件等を満たせば、自由に自分の人事権を行使、自由に配属先を決定できる権利を与えました。

名目上は、自分のキャリアは自分で考え、今自分に足りないものを補うことのできる最善の選択をするためとなっています。

また、取締役や部長クラスとの会談の場を用意し、双方の意向がマッチすれば、その場で異動の確約ができるような制度にしました。

既存社員との均衡

当然、従来の社員からの反発もありました。

学歴だけで現場監督等の役職に就くことができるのはおかしいとの声もあがりましたが、幹部候補の人材の数が総数に比して少なかったため、比較的理解のある所属長の元への配属ができ、多くの既存社員が幹部候補の人材との接点が少なかったため、大きなトラブルは発生しませんでした。

幹部候補の人材も、まず現場である程度の役職を得てからでないと
本部への異動希望は出せないなどの制約を設けたところ、副次的ではありますが、元々現場から本部への異動がほとんどなかったため、従来の社員にも実力が認められれば本部に配属されるかもしれないという期待を持たせることができました。

幹部候補としての採用の弊害

学生の中には、幹部候補として採用された時点で、幹部と同じ立場であり、既存の社員よりも上の立場であると勘違いする学生もありました。

あくまで候補であり、現在は他の新入社員と横並びであることを説明しましたが、通常直接は会えないような取締役や部長クラスの人間と対話ができてしまうこともあり、理解ができないという例もありました。

実力があれば構わないのですが、入社一、二年目にして、係長、課長以上の職位を求めたり、倍以上の賃金を求めることもありました。

また、幹部候補として難関大学から入社したことで、現場が教えなくても何でもできると勘違いしてしまうケースもありました。

その結果、十分な教育を受けられず、過度な期待のみをかけられる場合もありました。幹部候補なら、自力でこれくらいできなくてはならないのかと思い悩み、会社を去ってしまった人材も幾人かあります。

また、幹部候補自身が人事権を持っているため、過度な異動を繰り返すうちに5年が経過してしまい、どの能力も中途半端なまま人事権がはく奪され、適する部署もなかなか見つけれないというケースもあります。

結果として、これを避けるために人事部が本人の人事に口を出し、適する部署や所属長を見つけてきて、マッチングするという例もいくつかありました。

幹部候補採用のメリット

やはり一番は、今まで採用することのできなかった学生を取り込むことができる点です。

弊害もいくつかありますが、新しい風が吹いたことは否めません。

東大出身の人もこの仕事をやるのかなど、既存社員の中で幹部候補は話題となり、その人事等はかなり注目されました。

時折幹部候補を現場に派遣すると、注目されているからか、既存社員と交流しやすいこともあるようで、現場の見回りでは聞けないような、本部への思いや意気込みなどを聞き帰ってくることもありました。中には国内外の支店を1人でまわすような幹部候補も数人見受けられました。

既存社員の協力が必要

弊害、メリットともにありますが、いくらポテンシャルが高いとはいえ、つい先日まで学生だった人材に、社会での仕事をやれと言っても、満足にはできません。

まずは既存社員の理解を得て、特に幹部候補への教育を施す人材を社内に作ってから採用すべきだったかと思っています。

現在は理解を示した所属長が少数のため、幹部候補の人材のほとんどが同じ部署に所属するという状況です。

ある程度、役職を持った幹部候補も多く、理解のある所属長の元でないと、役職付きのままの異動は厳しいです。

幅広い能力をつけさせるために分散させようとするとやはり受け入れ先が多数必要になりますが、幹部候補を毛嫌いする部署にはやはり行かせることができません。

まずは時間をかけて既存社員にも何らかのメリットが享受できる体制を整えてから、幹部候補を採用していくことが重要かとの意見が多数です。

今後の見通し

幹部候補の数を毎年さらに減らし続けています。

今では400人近い新入社員の中、1、2人が幹部候補として入社します。

また、売り手市場であること、学生の間で特に人気のない業種であることから、かつてのような難関大学出身者を引き留めることも難しくなっています。

通常の新卒採用さえ、目標値を例年割っている状態です。

他にも、売り手市場の影響か離職率がかなりあがってきており、今までは現場からの退職者がほとんどだったのが、本部からのかなりの数が退職していっています。

恐らく今後は、新しい試みを行うよりかは、社内の人事制度を整備し、離職率を下げること、新卒採用の数をキープすることに注力していく方針になるかと思います。

恐らく、どこの企業も人手不足、離職で悩んでいることかと思います。特別な採用よりかは、中途での採用やM&Aなどで人手を増やしていくことが見込まれます。

まとめ

弊害、メリット様々ありますが、社内に新しい風潮が出来上がったことが否めません。

今後この制度を続けていくかは検討中ではありますが、新しい風土を作っていくという意味では成功だったのではないかと思っています。


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