私たちの生活を豊かにしてくれるアイテムというのは様々なものがあります。
暮らしを支えるアイテムとして家具がありますが、家具専門点としてイケアとニトリというメジャーな企業が存在します。
というわけで今回は「家具専門店、イケアとニトリのビジネス戦略の違いとは」について詳しく説明致します。
家具専門店、イケアとニトリのビジネス戦略の違いとは①【ニトリとイケア】
「家具専門店、イケアとニトリのビジネス戦略の違いとは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「ニトリとイケア」です。
「個」が重要視される時代において、各個人がそれぞれの趣味趣向によって数ある商品の中から選び、それを組み合わせることによって日常というのは作られていきます。
特に部屋の個性を出すためのアイテムとして「家具」があります。どんな家具を選び、ぞのように配置するかで、その人の個性が現れますし生活スタイルも現れていきます。
友達や知人の家を訪れると自分とは全く違う感性を持っていることに、その人の部屋を訪れた時に気付きます。
そんな日々の暮らしを支える家具を提供している二大メーカーとして、ニトリとイケアがあります。
近年は、この2つの企業が家具メーカーとしては、非常に大きな存在感を放っていますが、皆さんはお店を訪れたことがありますか?
同じ家具メーカーであっても全く商品カラーが違うことに驚かされます。もちろんどぢらがどう優れているというところはなく、どちらの企業もそれなりに独自の個性を打ち出し、良質な家具を提供しています。
どちらのお店を訪れても同じように感じるのは、そのお店を訪れていて”楽しい”ということです。
数多くの商品が展示された店内を歩くと、様々な想像が沸き起こり生活のイメージを変えてくれるほどのインパクトがあるのです。
お店を訪れる前には、買うつもりがなかったものでさえも、ついつい衝動買いしてしまうような気持ちもよくわかります。
ニトリとイケアの違いと言えばなんでしょうか?
一言で言えば、日本はニトリ世界はイケアというところでしょうか。
日本の家具メーカーとしては、ニトリが業界シェアの多くを占めていますが、世界的シェアとしてはイケアがトップとなっています。
つまり世界戦略としてメジャーなのは、明らかにイケアであり世界的にも名だたる家具メーカーとして知られていますが、日本国内においては、ニトリの方が有名なのです。
イケアは、日本に進出してきた家具メーカーなので、店舗数もニトリに比べて少ないのです。
実際に、日本の家具シェアは、ニトリの一人勝ちというところでした。
なぜ、そこまでニトリが強いと言えるのでしょうか?その秘密とはいったい何なのでしょうか?
そのことを理解するには、ニトリとイケアの家具メーカーを代表するこの両社を知る必要があります。
ニトリとイケアの大きな違いは日本産か海外産かの具体的な違いがありますが、それ以外のビジネス戦略としての違いはいったいどこにあるのでしょうか?
- ニトリはSPAを導入していることで製造コストを抑えている
- イケアは倉庫型店舗と組立式家具で販売コストを抑えている
つまりどちらに至ってもコスト削減という点では、しっかりとした企業努力を行っているわけです。
コスト削減ということでみれば、ビジネスとしてのアプローチは異なり製造コストで抑えるか販売コストで抑えるかの違いとなっているのです。
では、ニトリとイケアそれぞれのビジネスモデルの違いについて詳しくふれていきましょう。
家具専門店、イケアとニトリのビジネス戦略の違いとは②【ニトリのビジネスモデル】
「家具専門店、イケアとニトリのビジネス戦略の違いとは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「ニトリのビジネスモデル」です。
まずはじめにニトリのビジネスモデルから確認していきます。
ニトリの代表的ビジネス戦略と言えるのがSPAと物流戦略となります。
SPAとは、商品の企画・開発から製造、販売までを自社内で全てを行うビジネスモデルのことを言います。
SPAというビジネスモデルは、一般的に家具業界ではあまり採用されていません。主にSPAを採用しているのは、アパレル業界となります。
SPAを導入することによる最大のメリットとしては、中間業者を挟まないことから、マージンが発生せず無駄なコストを削減できることにあります。
一般の流通では、小売業者はメーカーから商品を仕入れることになります。また仕入れの際にも配送業者を挟めば、またそこで仲介業者というのは多くなるのです。
消費者の手元に商品が届くまでに仲介が多ければ多いほど中間マージンが増しコストは積もるわけです。
ニトリでは、SPAモデルを導入することによって独自の家具販売スタイルを築いてきました。
ニトリのSPAとして最も特徴的なのは、「物流システム」にあります。
一般的なSPAモデルというのは、製造までは自社で行うものが多くを占めています。しかし商品の配送は、配送業者に依頼するケースが普通となっています。
一般的には、そのようになっていますがニトリでは配送までも自社にて行っているのです。なぜ、物流自体を行わないかというと、それをすることによってコストオーバーとなるからです。
ですが、家具の配送に関しては少し違うのです。
そもそも家具というのは商品サイズそのものが大きくなってしまうので配送コスト自体がそもそも大きくなってしまうのです。
それを1回毎、業者に頼んでいたのでは逆にコストが高くなってしまうということで、自社での物流システムを完備したというわけです。
もちろん、配送のみではなく保管システムも万全に整えています。
ニトリでは全国各地に工場や倉庫があります。そこを拠点として全店舗展開での在庫管理を一括で行い、商品を保管し即、出荷できるようなシステム構築ができているのです。
ニトリではSPAと物流戦略により、販売コストを極力抑えることによって他者との違いを生みも優位性を保っています。
ニトリのようなビジネス戦略を「コストリーダーシップ戦略」と言います。
コストリーダーシップ戦略は、「コストの差別化」です。
あらゆるビジネスが存在し差別化が難しいとされる現代ビジネスにおいて、コストでの差別化というのは非常に大きな武器となり、顧客にアピールできます。
他社よりもいかに安く仕入れ、どれだけコストを削減し、顧客に価格として提供できるかを実現できるかというのがコストリーダーシップ戦略であり、それが企業の優位性となります。
コストリーダーシップ戦略をとることによって、値段や利益面という面で既に他社との差別化は成り立ちます。ですから、それによって商品自体での差別化を特にしなくてもよいというほどに優位性が保てるのです。
また実際に各業界においてもコストリーダーシップがある企業は、業界内でのトップシェアを誇る場合が多いのです。
家具専門店、イケアとニトリのビジネス戦略の違いとは③【イケアのビジネスモデル】
「家具専門店、イケアとニトリのビジネス戦略の違いとは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「イケアのビジネスモデル」です。
続いてはイケアのビジネス戦略について解説していきます。
イケアの商品というのは非常に独特なデザインでおしゃれな感じが強く、若い世代を中心に非常に人気があります。
そんなおしゃれな商品で揃えて自分なりのおしゃれな空間を演出したいという方も多くいらっしゃいます。
イケアのお店を訪れると商品の展示ディスプレイも独特で、商品に合うような一室のレイアウトで見せるスタイルで消費者のイメージを膨らませています。
そんなイケアのおしゃれな家具ですが、組み立て式の家具であるのがイケアならではの特徴と言えます。
基本的に顧客は購入後に家具を自ら組み立てることになります。
サービスとしては、組み立てや配送サービスもありますがセルフサービスが基本となっています。
このようなイケアの家具はDIY方式と言われています。
DIY方式には様々なメリットがありますが最もわかりやすいのは、製造コストが抑えられることです。
さらにそれだけでなく、梱包や配送コストも抑えられることも大きなポイントです。完成された家具の原型ではなく、パーツのみを収める状態となるため、梱包自体が非常にコンパクトに収まるのです。
モノが小さければ梱包材などの費用やスペースも抑えられるなど様々なところでコスト削減ができるのです。
DIY方式の家具には一見、メリットはないようにも思えるのですがコスト削減という意味では、実は最適な方法なのです。特に大型の家具メーカーとしては、扱う商品が商品だけに明確な企業戦略と言えます。
もう一つのイケアの大きな特徴であるのが倉庫と店舗の一体化にあります。倉庫型店舗にすることにより保管と販売のスペースを両立させることで、場所に対するコストを削減させることができます。