少子高齢化の現代社会。人口推移による社会構造のゆがみは、日本社会にとっても大きな影響を及ぼしています。
先進国の中でも長寿大国となった日本。介護事業者の数も増加しています。
というわけで今回は「選ばれる介護事業者になるには、マーケティング発想が必要!」について詳しく説明致します。
選ばれる介護事業者になるには、マーケティング発想が必要!①【事業としての『介護』のあり方】
「選ばれる介護事業者になるには、マーケティング発想が必要!」ということで、1つ目のテーマとして取り上げるのが「事業としての『介護』のあり方」です。
日本の社会問題となっているのが、少子高齢化。
特に高齢化に対しては、日本は数年前より超高齢化社会となっています。
人生100 年時代とまで言われる長寿大国となった日本は、世界の先進国として、今後どのような対策をとるのか注目されています。
そのような状況から日本国内では介護事業が盛んとなっています。
高齢化のスピードは確かに加速していますが、それにも増して介護事業所の数が増加しているのです。
確かにニーズがあれば、仕事は増加していくのが当たり前ですが、数としては十分に満たされているものの、まだまだ介護事業への新規参入が後をたちません。
そのように数が増えることにより過当競争がどうしても起こるわけです。
介護事業所の規模としては、大小様々な規模の事業所が、存在しています。
特に小規模な時期の場合、他者との差別化が難しく、新規参入が増加する一方で業績悪化や倒産もまた非常に多いのが特徴です。
特に近年の介護業界を見ると目立つのが過当競争です。新規参入者には非常に厳しい状況といえ、開設後すぐに苦境に陥る事業所も珍しくありません。
新規参入が増加する一方、倒産が増えているという業種としては、増減が激しい業界でもあります。
その原因としてあるのが、介護事業の難しさにあります。
介護事業は、事業を行なっている為、収益を上げる必要があります。
しかし、一方でビジネスとして成立させるには、非常に難しい面もあることも事実です。
ビジネスとしての介護事業の特徴と言えば、他者との差別化をはかりにくいということがあります。
厳しい過当競争で生き残っていく為には、独自のサービスが必要とされます。
現状としては、どこの事業所も独自のサービスを生み出そうと試行錯誤しています。
しかし、実際には、ある程度のサービスは出尽くし、差別化をはかることは難しいのが現状です。
例えば、既に多くの事業所が行なっているのが、様々なレクレーションです。
季節によってのイベントを増やしたり、近所の小学生を招いての地元の子供達との交流などは、既にどこの事業所でも見られるようになっています。
また施設の設備についても、ある程度どこも最低限は完備している為、差別化というのは難しいです。
さらに介護事業は、単に利益を求めるということだけではなく、社会貢献という意味も極めて大きいのです。
その為、介護事業者としては、社会貢献としての思いが強すぎて、ビジネスライクに向き合えないことも一因としてあります。
選ばれる介護事業者になるには、マーケティング発想が必要!②【介護事業の難しさ】
「選ばれる介護事業者になるには、マーケティング発想が必要!」ということで、2つ目のテーマとして取り上げるのが「介護事業の難しさ」です。
介護事業を行う人というのは、そもそも利益を上げて稼ぎたいということよりも、高齢者を助けたいという思いが強いのです。
その想いは素晴らしいことではありますが、事業として行う以上、収益を上げる必要は、必ずあるわけです。
例え、どんなによいサービスをしたとしても売上がなければ存続することも難しいのです。
そしてもう1つ倒産や業績悪化の業者が後を絶たない原因が事業規模の違いです。
現在では、多くの大手企業が介護事業に参戦していますが、やはり経営母体の大きい写真事業所と、小規模なところでは、そもそも体力的な差が大きいのです。
大手企業の参戦こそが小規模事業者にとっては、より介護事業の難しさを作り出しているという状況なのです。
やはり大手企業の持っている財源力とネームバリューというブランド力、それが安心感に繋がるのは間違いありません。
例えば自分の家族を預ける場合、せっかく契約した介護事業者が途中で倒産になったらどうでしょう。
やはり継続的なサービスを求める家族や利用者からの立場からすれば、まずは安定的に事業者が継続できる安心感が何よりも必要なことは、当たり前のことです。
中小企業としては、大企業とは違う、規模にあったそれなりの経営戦略が必要不可欠なのです。
中小規模の介護事業所にも、安定的に運営するには経営的戦略が必要です。
介護事業者といえども、マーケティング的戦略要素は、必要となります。
しかし、中小規模の介護事業所というのは、スタッフも最低限で運営している場合が多く、営業戦略や分析を行う専門スタッフが存在しないことも多々あります。
そのような場合、経営者自らがマーケッターとしての役割をはたすことになりますが、現実的にそこまで手がまわらないということも事実なのです。
選ばれる介護事業者になるには、マーケティング発想が必要!③【介護事業には共感マーケティング】
「選ばれる介護事業者になるには、マーケティング発想が必要!」ということで、3 つ目のテーマとして取り上げるのが「介護事業には共感マーケティング」です。
事業規模に関らず介護事業を安定的に継続させるには、どうすればよいのでしょうか。
介護事業にもマーケティング的戦略が必要ということは、先にも述べました。
具体的にどのようなマーケティングかと言えば、介護事業に必要なのは、「共感マーケティング」です。
一般的なマーケティングというのは、商品やサービスそのものにスポットをあてるのですが、「共感マーケティング」は異なります。
「共感マーケティング」がスポットをあてるのが、介護事業所そのものの「コンセプト」です。
差別化がはかりにくいサービスに注目してもらうわけではなく、「理念」や「想い」など、その介護事業が、どのような想いで高齢者をサポートしていきたいかという「気持ち」なのです。
一般の企業が共感を求めるのは、商品やサービスの魅力であり、それに対する共感なのです。
しかし、介護事業の場合は、そこではないのです。
「介護」という仕事の難しさというのも、実際にはあるわけです。
介護はパターン化がしにくい仕事とも言えます。
確かに介護の仕事には、ある程度のパターンというものがあります。
しかし、介護が必要な高齢者というのは、個人個人異なるわけです。1人として同じ人など存在しないわけです。
つまり「人」を支え支援するということは、その人その人によって、対応が全く異なるからです。
そのような人を支えたいという「想い」にこそ、介護事業ならではのマーケティング手法があり、それこそが「共感マーケティング」というわけなのです。
「共感マーケティング」の特徴としては、何も利用者に対してのみメリットがあるというわけではありません。
マーケティングの基本というのは、常に顧客のことを考えて行動することなのです。
もちろん、介護事業者にとっても、その基本は変わりませんが、「共感マーケティング」の場合、さらに高齢者をサポートする側にもメリットがあります。
「共感マーケティング」により、人材確保にも役立つのです。
少子高齢化という社会問題は、介護の問題と同じく労働人口の減少という問題も抱えています。
介護に限らず現在は、人手不足と言われており、どんな業界でも人材確保が問題とされています。
そんな中、介護現場の厳しい環境と向き合って仕事をするには、職場となる事業所が、どんな考えで、どんな想いで高齢者に対し向き合っているのかということを知るのは非常に重要なこととなります。
働く側としたら、職場の理念や理想に対し、まずは共感しなければ、やっていけないのです。
事業者との理念をまずは共有し、共感してこそ共に働けるということなのです。
人間というのは、共感と感動で動くものなのです。
そして共感というのは、多くの人を巻き込みます。感動という共感というのは、拡散していく傾向が強いのです。
さらに共感マーケティングの特徴となるのが、それぞれに違った特徴を生み出すことができること。
つまりこれが介護磁気にとっての差別化となります。
弱点を強みに変える力を持っているのが「共感マーケティング」なのです。