企業は、何の為に存在するのでしょうか?資本主義社会の中では利益を追求する為でしょうか?
企業は利益の為ではなく社会貢献と言う意味もあります。そんな社会貢献の1つが企業スポーツです。
今回は企業スポーツとは何か?その存在価値を追求してみます。
企業スポーツとは
2019年10月から4年に一度行われるラグビーワールドカップが開催されます。
前回大会では日本代表チームの活躍により、これまでにないほど盛り上がりを見せました。
ワールドカップが行われる競技スポーツは数々ありますが、やはり国と国との戦いは見ているものを興奮の渦に巻き込みます。
ワールドカップと言えば、世界的に有名なのはサッカーのワールドカップです。サッカー日本代表も今やワールドカップの常連国となり、サッカーワールドカップ開催年は日本中が熱狂します。
サッカーワールドカップは世界的スポーツイベントとしてマーケティング的に見ても、大成功と言えるイベントとなりました。
他競技もサッカーワールドカップにならいメジャーを目指しています。
そんな中、開催されるラグビーワールドカップもそれなりに盛り上かりが期待されます。
各メディアではラグビーワールドカップの特集が組まれるなど、イベント成功の為に積極的に情報が発信されています。
そんなラグビーを盛り上げるのに1役買ったのが、2019年7月〜9月にかけてオンエアされたドラマ「ノーサイド・ゲーム」です。
このドラマ、最終回では最高視聴率も叩き出し、話題のドラマとなり多くの人を惹きつけました。
「ノーサイド・ゲーム」のテーマはビジネスと企業スポーツの関連を見ることができました。
このドラマは非常に繊細に作られており、企画段階からラグビーW杯日本開催に照準を合わせていることから、最終話を迎えるのに開幕直前という計算しつくされたエンターテインメントとなりました。
なんと構想3年という一大プロジェクトでした。そのおかげで社会人ラグビーの現状を知ることが出来たのです。
ここで気がつかされたのが、企業スポーツというものの存在でした。
「ノーサイド・ゲーム」ではリアルな設定が、よりドラマのリアリティさを映し出しました。
企業スポーツには、お金がかかる
ドラマ中の企業は、大手自動車メーカー『トキワ自動車』。その企業ラグビーチームが「アストロズ」。
チームを支える企業の経営戦略とチーム運営の難しさ、ジレンマ、葛藤、様々な人の思惑が交差する内容でした。
ここでクローズアップされたのは、企業スポーツには、やはりお金がかかるということです。
ドラマの設定では、企業ラグビーチームを運営する為にかかる費用は年間年間14億円。
この運営費全てを会社から受けているという設定でした。このお金がなければチームの存続は不可能で、例え結果を残したとしても存在が危ぶまれはるということでした。
この予算について、実際に企業スポーツを支える企業の支出としては、正当なようで運営費は事実のようです。
企業スポーツを続けるには莫大な費用がかかり、その経費を捻出するのも企業としては、苦労しているところも多いのが事実です。
日本国内でも、様々なスポーツのプロ化が進んでおり、ラグビーについても2003年にトップリーグが発足されました。
しかし、ラグビートップリーグはプロとアマが混在する企業スポーツというのが実情なんです。
現在のトップリーグはプロリーグではなく、実質的にはアマチュアリーグなんです。
選手のほとんどは、ラグビーをする契約社員というのが実情。海外でのプロ経験がある助っ人選手がいわゆるプロ選手で、日本人のプロ選手は極少数しか存在しません。
このように大半が「アマチュア」選手なのです。
事実、アマチュアの企業スポーツは、全て企業に負担がかかるわけで、企業の業績によっては経費削減の真っ先の対象になる存在とも言えます。
企業スポーツの在り方
実際に不況を背景に、企業スポーツのチームの廃部や大会スポンサーの撤退などというニュースも時折話題になることがあります。
実際に企業スポーツの撤退が顕著になったのは、2008年以降の数年間。
この年、アメリカ発のサブプライムローン問題をきっかけとした世界連動の不況の影響を受け、撤退が相次ぎ止まらない時代がありました。
そもそも企業スポーツとは、いったい何なのか、一般的には、スポーツ選手を社員として雇用する形のことを言います。
しかし、企業スポーツはスポーツ興行を行うことを目的とするわけではないことから、「ビジネス」ではないのです。
そのような様々な事情から「企業スポーツ」は、それほど良いものではないと言う風潮もあります。
しかし、それでも企業スポーツの強みもあるのも事実なのです。
企業にとって企業スポーツを行う意味とは、広く言えば社会貢献。
実質的なところでは、企業の広告宣伝、イメージアップの為の一要素なのです。
強いチームのイメージか続けば、その企業への印象も強くなりチームと共に企業に対しても応援したくなるというメリットもあります。
しかし、現実にはその効果がはっきり出ないのも事実なんです。
企業としては、中長期的に取り組んだとしても、コストに見合った結果がでなければ企業にとってもメリットはないと判断され、経営戦略を考える上では、やはり企業スポーツの価値を検討せざるを得ないというわけです。