小売業というと私達消費者にとっては非常に身近に感じられれるものであり企業と顧客が直接結びつくものです。
というわけで今回は「小売ミックス戦略で変えていく店舗作り」について詳しく説明致します。
小売ミックス戦略で変えていく店舗作り①【小売マーケティングとは】
「小売ミックス戦略で変えていく店舗作り」というテーマで1つ目に取り上げるのは「小売マーケティングとは」です。
マーケティングには、様々な手法がありますが中でも顧客と直接的な接点を持つのが小売業です。
小売企業においては、小売ならではの視点から設計された独自のマーケティング活動が行われています。
そんな小売業のマーケティングを「小売ミックス(retail mix)」と言います。
小売ミックスとは、小売企業が、日常生活において顧客が日々抱える課題や問題に対して、ニーズを満たすために行い、顧客の購買意思決定に影響を与える店舗の営業活動です。
様々な要素を組み合わせることによってスムーズな店舗の営業活動を推進していくための取り組みと言えます。
店舗の営業活動の総合的な評価とすれば、小売企業というのは、実際には私達の生活において非常に身近なところにあり、常に近くにいてくれる存在であるからこその安堵感というのが必ずそこにあるわけです。
そういう意味でなら小売企業というのは、顧客により近い存在なだけに顧客視点から見たマーケティング活動が考えられるのです。
小売業のマーケティング要素としては、主に次の要素が上げられます。
- 商品
- 価格
- 立地
- 店内プロモーション
- 顧客サービス
- 店舗雰囲気
では、上記6つの要素について詳しく説明していきませ。
1. 商品
「商品」は説明するまでもありませんが、皆さんが購入するイメージ通りの商品です。
食料や日用品、雑貨、家電、車や家などあらゆるものが商品として世の中には、存在しています。
商品の目的というのは、顧客ニーズを満たすためのモノであり、顧客ニーズに対するソリューションととらえることができます。
小売企業は、顧客の購買代理業務を担っており、顧客がほしがるものを提供しています。
現代社会においては、非常に多くのものが存在していますが、小売業としては、品揃えの豊富さと商品の魅力をよりよく伝えるための環境作りが何より必要とされるのです。
2. 価格
顧客が支払うコストは、小売企業が提供するソリューションに対する対価としてかかるわけです。
「価格」という基準=価値を設定することによって世の中というのは回っているわけですが、そこには価格戦略というものがあります。
ディスカウント戦略という薄利多売型の売り方と、高級志向のブランド展開をする厚利少売型という2つの販売戦略があります。
これらを上手く組み合わせることによって多様な価格戦略が生み出されることになるのです。
3. 立地
顧客が買い物する場所となりますが、ここで大きく関係するのが「立地」です。
利便性という意味からしても立地は、売上にもダイレクトで影響を及ぼすことになります。
一日あたりの乗降客数が多い駅での立地というのは、それだけで価値が高まります。
立地の利便性が直接的に集客に結びつくことは、小売業にとっては非常に大きな要素となっています。
魅力的な場所にこそ、こぞって出店したくなることは当たり前のことです。
それだけ魅力的で価値のある場所ならば店舗のテナント料も当然高くはなりますが、集客面で考えれば、その影響の大きさというのは、図りえないのです。
小売ミックス戦略で変えていく店舗作り②【店舗作りと顧客サービス】
「小売ミックス戦略で変えていく店舗作り」というテーマで2つ目に取り上げるのは「店舗作りと顧客サービス」です。
4. 店内プロモーション
店舗の営業活動に関わる大きな要素として、顧客とのコミュニケーションがあります。
顧客との店頭でのコミュニケーション手法としては、様々名手法があり、短期的に顧客の購買意欲を高めることも可能となっています。
具体的な手法としては、次のようなものが上げられます。
- 特別割引
- 試飲・試食
- ポイント付与
- サンプル提供
販売活動において顧客に対し商品の正しい情報を伝えることによる情報発信の活動もまた企業や店舗イメージを大きく向上させることに繋がるのではないでしょうか。
5. 顧客サービス
小売業としては、顧客と直接接するわけですから、各店舗がいかに顧客サービスを提供できるかが重要となってくるわけです。
顧客が抱える課題や問題、悩み事を解消することが小売業の役割でもあるのです。
顧客の購買意欲を高める上でも、店舗側が万全のサポート体制を整え顧客を全面的にフォローしていくような取り組みが非常に大切になるのです。
このような小売店舗の地道な活動というのが必要となるわけです。
買い物時の接客、営業時間、注文受付の有無、クレジット決済対応、施設環境なのど、様々なサービスと環境構築が必要となるのです。
また小売店舗の様々なサービス提供というのは、買い物時のみではなく、買上げ後のアフターフォローも充実しているのです。
発送、配達、ギフト包装、交換、返品などがあります。
6. 店舗雰囲気
マルチチャネル化が進む時代、顧客=消費者は、いつでもどこでもモノを購入することができます。
顧客がモノを購入する上で、どこで購入すべきかというのは、顧客の判断に委ねられていますが、それを後押しすることはできるわけです。
小売企業が顧客の購買意欲に関わることを行うことにより、顧客の商品に対する感情を刺激することができれば、消費者心理を上手く活用することができます。
例えば店舗デザインというものも顧客の購買意欲を刺激する非常に大きな要素となってくるのです。
店舗のデザインとしての具体的要素としては次のようなものがあります。
- 店舗の清潔感
- レイアウト
- ディスプレイ
- 香り
- 音楽
- 色
- 気温
上記のような要素から構成され、それ以外にも店舗全体の清潔感や定員スタッフの接客対応などお店全体の要素が、その店独自の雰囲気として顧客の購買意欲を刺激する非常に大きな要素となるのです。
これらを上手く組み合わせることによって、ターゲットに相応しい店の雰囲気作りを演出していくのです。
小売ミックス戦略で変えていく店舗作り③【小売業で役立つマーケティング】
「小売ミックス戦略で変えていく店舗作り」というテーマで3つ目に取り上げるのは「小売業で役立つマーケティング」です。
マーケティングの手法というのは、実に様々あり、業種、業界、企業によっても全く異なります。
小売業には、小売業にあった活用できる手法を選択することがもちろん大切になります。
小売業に活かせるマーケティング手法として代表的となるのは、次の3つとなります。
- エリアマーケティング
- ダイバーシティマーケティング
- リレーションシップマーケティング
では、それぞれについて詳しく説明していきます。
1. エリアマーケティング
まずエリアマーケティングですが、エリアマーケティングの示す「エリア」とは、「地域」となります。
消費者との距離が近い小売業においては、顧客そして地域を意識することが、とても重要となります。
地域を区切りとし、その地域独自のマーケティングを行う手法がエリアマーケティングです。
地域ごとに異なる住民の生活様式にあわせたマーケティングを行うことにより需要構造に適したマーケティングアプローチを行います。
効率的なエリアマーケティングをおこなうためには、エリアマーケティングツールの活用を推奨します。
ツール導入により自社の立ち位置や競合他社との違いを把握することにより精度の高い分析を行うことができます。
2. ダイバーシティマーケティング
次にダイバーシティマーケティングです。
ダイバーシティマーケティングの「ダイバーシティ」のスペルは「diversity」ですが、意味は「多様性」となります。
「ダイバーシティマーケティング」とはその名の通り顧客によって異なる条件に応じた価値観・性別・年代という多様性を考慮したマーケティング手法です。
顧客というのは、それぞれの観点によって価値観が全く異なります。
視点や捉え方、価値観の相違により、モノに対する評価というのは全く異なることになるわけで、それぞれの価値観に合わせた商品、サービスを提供するマーケティング手法が必要となるのです。
適切なマーケティング活動を行うためには顧客属性を把握し適切な分析を行う必要があります。
自店舗を利用するターゲット層の多様性の把握ということが何よりも大切となります。
顧客にとってどれだけ魅力的なお店に見えるかによって集客にも大きく影響を及ぼします。
顧客や地域によって全く異なる属性や価値観に合わせたメッセージを発信することもまた消費意欲を向上させるためには必要不可欠なのです。
3. リレーションシップマーケティング
「リレーションシップマーケティング」とは、長期にわたり顧客との関係構築を良好に維持し売上増加につなげていくマーケティング手法です。
顧客との関係性を高めることにより、顧客をファン化し既存客から優良顧客へと変化させていきます。
リレーションマーケティングでは顧客との接点を増加させるための取り組みを行うことが1つの特徴です。