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新卒、中途問わず人材の採用は面接を重視している企業は多いと思います。
しかし、面接重視は弊害が大きいと弊社は判断。

現場体験と「書く」ことを重視した採用方法に切り替え、離職率の低下に成功しました。

その方法についてお伝えいたします。

介護事業の離職率の高さに歯止めをかける方法

介護事業に取り組む弊社においても、若手職員の離職率の高さは大きな問題でした。

職員が辞めてしまう理由について社内で検証したところ、そもそもの人材採用の方法に問題があるのではなないかとの声が社内で上がりました。

それまでの人材採用の方法とは、新卒・中途問わず面接による人柄重視でした。しかし、面接採用には大きな問題点がありました。

面接という短時間では、その人材の本当の性格や特徴を全て知ることができません。また、素晴らしい経歴や学歴を持ち性格面にも問題がなかったとしても、その職場との相性の問題があります。

相性には人間関係が占める割合も大きく、こればかりは働いてみないと職場にフィットできるかはわかりません。面接採用の全てが悪いとは言いませんが、それだけでは辞めない人材を獲得することはできないとの結論に達しました。

そこで、採用方法を見直すためのプロジェクトチームを発足させ、抜本的な採用改革を行いました。

辞めない人材の特徴とは

まずは、現在活躍してくれている職員について徹底的にその特徴を掘り下げました。

すると、辞めない人材に共通する4つの特徴を発見しました。

協調性、観察力、忍耐力、目標設定力です。

介護の仕事は一人で行うものではなく、その施設の同僚、場合によっては入居者さんたちやそのご家族など沢山の人と協力して行う性質があります。関係者との間で円滑なコミュニケーション行い協力体制を築いていくためには、協調性は絶対に欠かせない能力です。

観察力は、入居者さんの安全を守り、安心に生活してもらうために必要となります。入居者さんのちょっとした異変を察知することで、大きなケガや病気に至るリスクを早い段階で回避することが可能になります。

忍耐力も重要です。仕事上のスキルは現場での経験を積むことで自然と磨かれていきます。しかし、それまでにはある程度の年月がかかり、途中でつらい経験をすることもあります。

壁にぶち当たっても投げ出さずに仕事に取り組める忍耐力は、一人前になるために必須です。

自分で自分の目標を見つけ出し、目標に向けての研鑽を積む力を持つ人材は仕事を長く続けることができます。

私たちはこの力を目標設定力と名付けました。

目標は資格でも仕事上のスキルでもなんでも構いません。目標を持つ人は、仕事にやりがいを見出し高いモチベーションを保って仕事を続けられると考えられます。

以上の4つの力が、辞めない人材を獲得する上で注目するポイントです。そして、4つの力を採用活動を通じて見極めることが次の課題となりました。

4つの力を見極める方法

4つの力を持つ人材を見極めるべく、面接重視の採用方法を変更しました。

新しい人材採用方法の柱は、実際の職場での体験と「書く」作業の2つになります。

 

応募者には新卒・中途問わず職場体験を最低3日以上、できれば1週間ほど行ってもらうことにし、その上で働きたいと思った人にだけ改めて応募してもらうことにしています。

職場体験のメリットは、応募者自身が弊社のシステムや施設の方針について判断を下せるということです。職場では相性の問題があると最初に述べました。

応募者自身が実際の現場で働くことで、その相性を確認することができます。合わないと感じたら応募を辞退するので、ミスマッチを回避することができます。

採用してから試用期間を設ける方法もありますが、それでは結果が出るまでに時間がかかり、応募者と施設双方に負担が大きいと判断。時間をかけない職場体験方式を採用しています。

体験期間中には、実際に一緒に働く職員が応募者の適正を見極めます。実践の中で、応募者には4つの力が備わっているかを判断してもらいます。

 

将来の同僚になるかもしれない応募者に対し、現場の職員のチェックは慎重になります。上役や人事担当が面接で判断する場合だと、どうしても経歴や学歴に目を奪われがちになり、適正がしっかりとチェックできません。

経歴などの余計な情報を省き、純粋に適性の有無の判断を行うのは現場目線しかできないと考えています。

職場体験とセットで「書く」作業も進めてもらいます。

書く作業の第一段階は、一日の終わりに職場での経験を日誌に記してもらいます。書く作業の大きなメリットは、書いた文章から応募者が4つの力を持っているかを判別できるということです。

「今日の仕事はきつかった、腰が痛い」こういう文章を書く人はダメですね。自分の事しか書いておらず、採用しても協調性や観察力が備わっていないため仕事が上手くできないでしょう。

同じことについて繰り返し書く人もダメです。毎日日誌を書くことはそれなりに手間がかかります。

途中から面倒になって同じ内容を書き綴っているのでしょう。

手間がかかることをないがしろにするようなら、忍耐力が欠如している傾向にあり採用基準を満たしません。

そして、職場体験が終わり改めて応募してきた人に対しては、約1時間の小論文のテストを行っています。これも「書く」作業ですね。

職場体験をした経験をもとに約1時間で小論文を仕上げてもらいます。このテストでは目標設定力が重要です。

決められた時間の制約の中で、どのような内容をどの程度盛り込むのか。自分自身で目標を立てる能力がなければ、しっかりとした論旨を持った小論文は書けません。

職場体験をベースにできるので、自分なりに観察を行っていれば題材には事欠きません。

内容以上に、この課題では取り組む姿勢と論旨の明快さを見ます。

職場体験と書く作業、この2つにやりがいを持って取り組めるようならば、4つの力を持つ人材として積極的に採用しています。

まとめ

辞めない人材に共通する特徴は、協調性、観察力、忍耐力、目標設定力の4つです。
そして、4つの力を持つ人材を発見するには面接だけでは不十分。
数日間の職場体験と書くことを2本柱とし、採用試験に取り入れています。

 


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