「値上げの秋」。物価の値上がりが続いている中、庶民に重くのしかかるのが「消費税」。
2019年10 月より消費税増税となり様々なところで影響は出ます。
特に飲食店は厳しい営業をしいられます。そこで今回は増税後の飲食店について様々な角度から考察してみます。
値上げの秋?到来?
秋となれば、実り大き収穫の時期。食欲の秋と言われるように美味しいものが、たくさん食べられる季節です。
夏の暑さを乗り越え、過ごしやすい季節となり、紅葉などの美しい季節を見れる観光シーズンでまあります。
しかし、今年の秋は、例年とひと味違います。10月より消費税が増税となります。
そこで大きな影響を受けるのは、小売業や飲食店などです。そのうち今回は飲食店にスポットをあて様々な角度から考察してみたいと思います。
飲食店は特に税制改革や景気に敏感に左右されるものです。今回の10%の消費税増税に合わせメニューの価格を上げざるを得ないという飲食店も数多く存在することでしょう。
しかし、消費税増税という理由はあるにせよ、飲食店オーナーとしては簡単に値上げすればよいと思う方ばかりではないのではないでしょうか。
飲食店オーナーが簡単に値上げに踏み切れない理由としては客離れという不安があるからです。
消費税増税後は、落ち着くまでにはそれなりの時間がかかりますし、消費者の財布の紐も増税直後は意識が高く財布の紐も硬くなり節約志向となることは明らかです。
そんなタイミングで値上げしたのでは、益々客足が遠のくのではないかと不安になるのは当然です。
更に飲食店にとっては厄介なのが、軽減税率なのです。多くの外食産業が懸念しているのは、テイクアウトなら8%、イートインなら10%という軽減税率措置です。
そのことから一時的にテイクアウトを選択する人が増加するのは、目に見えています。
それに対して飲食店では、テイクアウト商品やメニューを充実させれば良いという考えもありますが、全ての飲食店がテイクアウトに対応できるわけではありません。
更にいくらテイクアウトメニューを充実させたとしても、わざわざ買って自宅で食べるなら飲食店ではなく、コンビニやファーストフードを選ぶ人もいるでしょう。
つまり、飲食店の選択肢はコンビニなどの小売業の次となるわけです。コンビニは24時間営業ですが飲食店は営業時間が限られている場合がほとんどです。
このようにテイクアウトメニューに依存することは、できないという理由があります。
しかし、現実的に飲食店は値上げをせざるをえない状況にあることも事実なのです。そこで売上を減少させない為に気をつけるのは、値上げをするタイミングです。
更に値上げをすることでメリットもデメリットも存在します。客離れをできるだけ抑える営業戦略とは、いったい何なのかについて触れていきます。
飲食店が値上げをする理由とは
まず飲食店が値上げをしなければならない理由を考えてみましょう。
今回の消費税増税も1つの理由ではありますが、実はそれだけではないのです。
飲食店の値上げせざるをえない最たる理由となるものがコスト面です。
これは集客や営業面を考慮した料金体系となっているからです。
今の時代、飲食店は星の数ほど存在しています。厳しい飲食業界の中で生き抜くのは、かなり大変なのです。
情報社会の現代社会では、消費者はスマホですぐに店の特徴や味、コスパなどを比較することができ、飲食店の価格はオープン状態となっています。
その為、コスパが良く美味しいお店ほど集客率が高くなるのです。
飲食店はお客様にかかっており、食べに来てもらってこそ収益をなすことが出来ます。豊食の国、日本では他店よりより良いサービスと商品を提供しなければやっていけないのが現実です。
更に原材料などの価格高騰や野菜などの作物などの価格は自然環境によっても左右されることから、コストが読めないこともあります。
原材料のコストが上がったからといって、むやみにメニューの価格を変動させることもできないのです。
更に飲食業界全般に抱える問題として人手不足の問題があります。
少子高齢化の時代、どこの業界も人手不足が嘆かれていますが、飲食業界は特に人手不足が深刻な問題となっており、経営者の悩みの種でもあります。
消費者に寄り添った価格設定と、人手不足という営業面での問題を抱えつつ経営を成り立たせるのに、手一杯というのが現状なのです。
値上げのタイミングは?
客離れを恐れるあまり、なかなか値上げに踏み切れない飲食店オーナーは数多くいらっしゃると思います。
しかし、値上げをすることで様々なメリットがあるのも事実であり、飲食店にとって今、値上げは検討すべきことなのです。
では、消費税増税という変化の時を迎え、値上げはいつすればよいのでしょうか?
間違っても増税のタイミングで値上げを行うことは避けましょう。
このタイミングでは増税コストを転嫁したと思われるのは必至です。
値上げのタイミングは他の様子を見てからタイミングを見極めて行います。
そして増税の為の値上げではなく、メニューを一新するなど、飲食店としてのアピールと付加価値を提供することで値上げを行うようにするのです。