消費者ニーズが多様化する時代において企業は常に新たなプロダクトを生み出す必要性があります。
その上で大切となるのが「プロダクトアウト」と「マーケットイン」です。
というわけで今回は「10分でわかる!プロダクトアウト・マーケットイン」について詳しく説明致します。
10分でわかる!プロダクトアウト・マーケットイン①【プロダクトアウトとマーケットイン】
「10分でわかる!プロダクトアウト・マーケットイン」というテーマで1つ目に取り上げるのは「プロダクトアウトとマーケットイン」です。
モノが溢れる時代において、商品の差別化というのは、非常に難しいわけです。
それでも企業というのは、新たな商品を生み出しているのです。
企業が商品開発を行う上での考え方が2つがあります。
- プロダクトアウト
- マーケットイン
どちらの考え方も商品開発を行う上では、外せない重要な要素となります。
商品を顧客に届けるまでのプロセスとしては、どちらも同じになりますがアプローチの方法が異なります。
「プロダクトアウト」とは、次のような意味となります。
『企業の方針や思想を元に作りたいもの・売りたい商品の開発を行う考え方』
この考え方の視点は売り手目線です。
良いものを作れば売れるという考え方が基本となります。
顧客や市場のニーズよりも企業側の考え方を重視する考え方となります。
「マーケットイン」とは、次のような意味となります。
『市場のニーズを理解した上で、それを満たすために商品開発をする考え方』
企業の方針、プロダクトニーズではなく顧客や市場ニーズを中心とした考え方となります。
つまりプロダクトアウトとマーケットインは、売り手目線と買い手目線となり、対義語となります。
かつての日本経済と言えば高度経済成長期という時代がありました。
この時代は、大量消費時代であり市場自体が成熟していなかったことから市場ニーズを重視しなくてもモノは売れる時代だったのです。
しかし現在の状況は全く違い、既に多くのモノが溢れ、モノは売れない時代となりました。
様々なモノが溢れる現代ですが、それでも消費者ニーズというのは尽きることはありません。
いくらモノが多い時代と言ってもニーズを満たせない商品では売れません。
そのような状況から重視される考え方となっています。
10分でわかる!プロダクトアウト・マーケットイン②【プロダクトアウトのメリット】
「10分でわかる!プロダクトアウト・マーケットイン」というテーマで2つ目に取り上げるのは「プロダクトアウトのメリット」です。
プロダクトアウトのメリットとして次の4つがあります。
- 画期的な商品
- 定番商品化
- 自社の強みを活かす
- コスト削減
では、それぞれについて詳しく説明していきます。
1. 画期的な商品
プロダクトアウトで商品開発を行う場合には、これまで市場に存在しなかったような画期的な商品を生み出す可能性があります。
プロダクトアウトではニーズというものを意識しません。そのため既存の概念を覆す商品を生み出すきっかけとなるのです。
これまでで言えばガラケーからスマホへラジカセからウォークマンが生み出され業界に革命を生み出し市場に対し強烈なインパクトを与えることとなったのです。
逆にマーケットインでは市場ニーズに基づき商品開発を行うため、現在の顧客ニーズを必ず満たすことと一致するわけですから、需要を満たすものの既に市場にあるような類似商品になりやすいのです。
市場のニーズを重視するかしなかによって結果は、大きく変わってくるというわけです。
プロダクトアウトで既存の競合商品にはないものを生み出すことがてきれば他社とは違う市場を独占した状態となり売上的には非常に大きな効果をもたらすこととなるのです。
2. 定番商品化
プロダクトアウトから誕生した商品の中には、定番商品として、その後、市場に根付くものが少なくありません。
長期間において消費者から愛される商品が意外にも身近なところにあるのです。
発売時は、他には革命的な商品であったにも関わらず、今ではすっかり市場に浸透し当たり前になってしまった商品もいくつも存在するのです。
具体的な例としては、日清のカップヌードルがあります。
既に市場では、当たり前の商品となっており、多くの方が様々なシーンで食べたことがあるような定番商品となったのではないてしょうか。
あまりにも身近な商品のため、カップヌードルがプロダクトアウトの商品とは感じがたいですが、カップヌードルの誕生は、その後の業界全体を考えれば非常に大きな影響を及ぼしたというわけです。
特定のターゲット層からのニーズではなく、万能受けするニーズを捉えたことで、長期に渡り売れ続けている定番商品となったのです。
目先の競争や市場にとらわれない商品作りというのは、中長期的な考えで行う必要がありますが、結果的に市場に求められるような定番商品になり得る可能性も秘めているのです。
3. 自社の強みを活かす
顧客や市場のニーズに合わせたマーケットインとは違い、プロダクトアウトは自社の方針を基準とし、作りたいものを作るという考えを基準としています。
自社の強みやリソースというのを大いに活用することが可能となります。
商品開発を行う上でのプロダクトアウトの非常に大きなメリットと言えます。
強みに独自性があることにより、競合他社との差別化することにより、市場をリードする立場としてポジショニングを優位とします。
4. コスト削減
自社の強みを最大限に活用した商品開発を行った結果、顧客ニーズや市場ニーズを把握するためのマーケティングリサーチや分析というプロセスを踏まないことでコストカットに繋がります。
また従来持ちうる自社の強みを活かすことにより、既にあるリソースが活用できるわけですから、それがそのままコストカットに繋がるというわけです。
10分でわかる!プロダクトアウト・マーケットイン③【プロダクトアウトのデメリット】
「10分でわかる!プロダクトアウト・マーケットイン」というテーマで3つ目に取り上げるのは「プロダクトアウトのデメリット」です。
次にプロダクトアウトは、もちろんメリットばかりではありません。デメリットについてもふれていきましょう。
としては次のようなものがあります。
- 商品ニーズが合致せず売れない
- コスト増の可能性がある
1. 商品が合致せず売れない
プロダクトアウトの場合は、マーケットインのように市場のニーズを調査した上で開発するわけではありません。
それぞれの企業が作りたいものを独自に作ることになるわけです。
結果として自社の想定通りとはいかないこともありえるということを事前に認識しておく必要があります。
作りたいものを作ってみたものの、その時の市場ニーズにはマッチしていないというケースも多々あるのです。
市場のニーズに合わないということは、商品が売れず在庫を抱えてしまうというリスクも当然あるということも強く認識しておく必要があるでしょう。
プロダクトアウトでの商品開発は、自社の理念が上回るため、多額の事業投資をした商品開発というのも実は多いのです。
よく社運をかけた挑戦とも言われることもありますが、正に企業の運を賭けたチャレンジであると言えるでしょう。
しかし、リスクばかりを恐れていては、ビジネスは成り立ちません。
リスクがあるからこそ、リターンがあるということもあります。
プロダクトアウト型の商品は、売り切ることがその後の課題となります。
売れなければ投じたコストの回収が難しくなってしまいます。
2. コスト増の可能性がある
プロダクトアウトで開発した商品が売れずに開発コストを回収できなくなれば、それは逆にコストが増加してしまうことになります。
必ずしも売上が上がるというケースばかりではないことを考慮しておきましょう。
市場調査の段階でターゲット層を明確にすることにより、的外れな商品を作る確率を下げることにより、リスク回避することもできます。