営業をするために欠かせないものに提案書があります。
業態によって提案書の使い方は変わってきますが、自分の意図を顧客に伝え、魅力を感じてもらうためには提案書の作り方は重要になります。
効率の良く成果を出せる営業は提案書の使い方がうまい人です。
提案書を使いこなしてあなたも仕事ができる営業を目指してください。
目次
提案書が重要な理由
営業に大切なことは言葉やコミュニケーションで顧客の心を掴むことだけではありません。
自分が伝えたいことは「提案書」という形にして見せることも重要となります。
提案書はただ適当に作成していても意味はありません。
なぜ提案書が必要なのかを理解して作成するようにしてください。
提案を形で残せる
営業から提案を受けてその内容を完全に理解する顧客はそれほど多くはありません。
自分が興味を持って提案を受けているときであればまだしも、提案を受ける時は営業から勧められて話を聞いているというケースではそこまで真剣に話は聞けていません。
そのような状態ですので後からクロージングをかけた時に内容を覚えていないこともよくあります。
提案書が残っていれば話した内容が形になっていますので、クロージングの際もスムーズに話が通ります。
顧客が稟議を出しやすくなる
提案相手が独断で判断できる決裁権のある相手であれば良いですが、企業ですと決裁権がない人である場合や、会議で承認を取らないといけない場合があります。
その際に提案書がなければ提案を受けた人が社内で説明をすることは難しくなります。
顧客が自分で感じた通りに説明されてしまうと、こちらの意図が伝わらずに稟議が通らないことにもなり得ます。
重要な点は提案書に残すことで、顧客の担当者が社内で話を進める時にもスムーズにいきます。
理解が深まる
提案書はシチュエーションにもよりますが、営業の補足となるものとして使うことになります。
フローチャートや実施イメージの画像などを盛り込むことで、言葉だけでは伝えきれないことを提案書はフォローしてくれます。
視覚的にイメージが入ってくることで顧客の理解も深まりやすくなり、提案も通りやすくなります。
言葉よりも印象に残りやすいので、大事なポイントは目で見てわかるようにしておくと良いでしょう。
上手な提案書の作り方
提案書はただ作れば良いというわけではありません。
“提案”書ですので、顧客が発注したいという気持ちになるような作り方を意識するようにしてください。
ワクワクする見せ方をする
顧客に提案をする時にはどのような経緯でそこに至ったとしても、時間を取らせたからにはメリットを与えなければなりません。
そのため営業トークはもちろんのこと、提案書も読んでいて楽しいものにしなければなりません。
特に最初の数ページで期待感を高めておかなければその後の提案はまったく興味を持ってもらえない可能性が高いです。
ストーリー仕立てで山場を後半に持ってくる提案書がありますが、重要な部分は最初に入れて期待を持たせる作りにする必要があります。
最初に結果を見せてワクワクさせておいて、後から細部を説明する形がおすすめです。
言葉を多くし過ぎない
提案書に全ての情報を盛り込もうとする人がいますが、そうするとどうしても言葉ばかりの提案書になってしまいます。
自分で提案をする時に言葉だらけの提案書にしてしまうと勝手に資料を読まれてしまってこちらの話を聞いてもらえないことになります。
忙しい顧客ほど先に提案書を全部読んでしまってもう提案を聞く気が失せてしまうので、詰め込みすぎにご注意ください。
メール等で提案書を送るだけの場合は誤解を避けるために細かな説明も必要にもなりますが、なるべく端的に提案をまとめる工夫をしてください。
誰が見てもわかるようにまとめる
対面して提案を行う時は相手の表情を見て理解度を測ることができますが、提案書を送るだけの場合はそうはいきません。
そのため誰が見てもこちらの意図が伝わるようにわかりやすく整理されたものでなければなりません。
専門用語を多く使ったり、長い文章を散りばめると理解できなくて検討をする以前に弾かれてしまいます。
対面しての提案時でも最初に見せた提案書がわかりにくいと、難しい話だという先入観が生まれて話をちゃんと聞く気にもならなくなります。
提案書の注意点
提案書はうまく作れば強い味方ですが、その力に頼り過ぎるとうまくいく提案も失敗することになってしまいます。
提案書を使う時の注意点をまとめました。
提案書の読み上げにならない
営業経験が浅い人はやりがちなことですが、せっかく顧客と打ち合わせの時間をもらっても、その場で提案書に書いてあることをただ読んでいるだけではいけません。
確かに作り込んだ提案書はそれだけで十分な情報が詰まっていますが、やはり会って話しているからには自分自身の言葉で伝えなければ響きません。
顧客も貴重な時間を割いているので、読みあげだけであればメールで提案書を送ってもらえば良かったのにと不満を持つことになります。
良い提案でも読み上げは印象を悪くするのでご注意ください。
データに頼らない
提案をする際には市場のデータや想定効果を数値化したものなどを提案書に盛り込むことがよくあります。
これは論理的な提案をして顧客を納得させるのに必要なことですので入れるべきですが、
それに頼ってしまうとただの事実報告で提案にはなりません。
自分でその数字の意味を理解してそこから話を広げていかなければなりませんので、いくら効果が良いデータが出ていたとしても頼りきりになってしまってはいけません。
説明できないものを入れない
会社から予め提案書のフォーマットを渡されるケースもあるでしょうが、その中身は理解できていますでしょうか。
自分で読んでよくわからない言葉などがあった場合には、自分の言葉で説明ができるように調べておくことが大切です。
顧客に「これはどういう意味?」と訊かれて答えられないと、何も考えずに提案していると思われてしまいます。
わからないなら調べること、それでもわからないなら提案書から外すくらいにしておきましょう。
まとめ
提案書は使いこなせば武器にもなりますが、その効果を理解していないと自分の首を絞めかねません。
とりあえずで提案書を用意するのではなく、目的をもってきちんとした提案書の活用を心掛けましょう。
そうすればあなたの営業の成功率も格段に上がるはずです。