法律、制度、政治が変わればビジネスも当然変わります。
経済やビジネス、政治というのは、その時代によってのニーズや思想によって大きく左右されるわけです。
そして今変わろうとしているのが「成人引き下げ」です。
というわけで今回は「成人引き下げとビジネスの関連性とマーケティング」について詳しく説明致します。
成人引き下げとビジネスの関連性とマーケティング①【成人引き下げで変わること】
「成人引き下げとビジネスの関連性とマーケティング」というテーマで1つ目に取り上げるのは「成人引き下げで変わること」です。
時代の転換期というのは、いつの時代にもあるわけで、どこが大きな転換期であったかは、振り返ってみれば後からわかるものです。
意外にも、物事の転換期やその渦中にいる頃というのは、気がつきにくいものなのです。
そんな時代の転換期として大きく関わるのが「成人引き下げ」です。
憲法改正されたのは、2018年6月13日に成人年齢が18歳に引き下げられることに決定したのです。
18歳という年齢ならば、普通はまだ高校生なのです。
高校生というとまだ一般的には社会人ではなく、学生です。18歳という多感な時期であり、一般的には、大学入試を控えた重要な年代となります。
普通に考えれば、高校生はまだ子供というイメージがあります。
成人引き下げによって何がどう変わるのか?ちょうどそのタイミングにあたる当人達は、もちろんのこと、保護者などな、その内容をよく理解しておくことが大切です。
またビジネスにおいても、この変化により、どのような対応ができるのか?ニーズは、どこに生まれるのか?などを検討していく余地は多いにあるのではないでしょうか。
まず、成年引き下げというのは、どのくらいぶりに行われるのかご存知でしょうか?
今回の改正は1876年(明治9年)に定められてから、なんと歴史上ははじめてのことなんです。
150年近くも、私達の中に根付いてきた成人は「二十歳」からというのが、スタンダードだったわけですから、実際に大きな違和感を感じても仕方がありません。
2022年後の施行後からでも、定着しスタンダードとなりには、しばらく時間が必要にはなります。
しかし、情報社会の現代において、変化のスピードは非常に高まっており、実際に「常識」として定着するには、それほど時間を要しない可能性も十分にあります。
では、具体的に成人年齢が引き下げとなると、何がどう変わるのか?
わかりやすく言えば、今までできなかったことができるようになります。
では、何ができるのか?と言えば「契約」ができるようになるのです。
ビジネスにおいても、「契約」と言うのは、非常に大事な取引となります。
企業から見れば、「契約」できる人間が成人引き下げによって増加するということは、単純に顧客としての範囲が広がることになります。
これは、ターゲット層の拡大であって、ビジネスチャンスともとらえられます。
ターゲットの枠が広がることによって、当然ながらマーケティング戦略も見直す必要が出てくるのは当然です。
顧客としての「契約」となると、携帯電話の契約やクレジットカードの作成などが、自らの意思で行うことができ、親の同意は不要となります。
キャッシングなどもできることから、高額な物まで購入できてしまうのです。これが「成人」ということですから、当たり前と言えば当たり前のようにも感じられます。
また、「結婚」に関しても変わります。
結婚は男女共に18歳となります。もちろん、親の同意はいりません。
これも20歳から18歳へと下げとなりますから、自らの意思で自由に結婚できるというわけです。
女性の結婚できる年齢は、18歳に引き上げともなります。
また、パスポートに関しても10年パスポートの取得が可能となります。
若いうちから海外に行く人も増加傾向にあることや、グローバルスタンダードな現代社会のニーズにマッチしたこととなります。
また国家資格の取得により、職業選択の幅も増加する可能性もあります。
成人引き下げとビジネスの関連性とマーケティング②【成人引き下げで変わらないこと】
「成人引き下げとビジネスの関連性とマーケティング」というテーマで2つ目に取り上げるのは「成人引き下げで変わらないこと」です。
成人引き下げによって、変わることもある一方、従来通り「二十歳」を区切り年、変わらないこともあります。
実はこのあたりが、何が変って変わらないのかを曖昧なものとしている要因なのです。
18歳から成人だとしても、全部が全部、解禁となったわけではないのです。
では、何が変わらないのかをふれていきましょう。
最もわかりやすいのが、お酒やタバコ、そしてギャンブルは、これまで通りの20歳からとなります。
特にお酒とタバコは健康面から考えても、若いうちからの摂取は体調的な問題があるからです。
お酒とタバコに関しては、既にこれまでの定着しているイメージもありますから、それをそのまま継続というのは、変わらないわけです。
現代では、成人であっても位前に比べれば、健康面を考えれば、喫煙者の数は減少傾向にあります。
健康志向がトレンドということや、電子タバコの登場、社会的マナーや規制などもあり、禁煙傾向は高まっています。
またアルコールについても若者のアルコール離れが言われており、積極的に飲酒を楽しむ若者ばかりではありません。
このように時代の流れやトレンド、価値観も変化しているのです。
またギャンブルに関しては、若者を守りたいという意味があります。
その他には、社会的制度も一部で変更ありません。
年金の支払いについても、これまで通りとなります。成人年齢は、2歳引き下げとなりますが、国民年金の納付は、これまで通り20歳からとなります。
20歳から約40年間の納付となり、65歳から老齢基礎年金受給となります。
これは、当面のところといった具合になるのではないでしょうか。今後、制度の改正も十分考えられるので、要チェックとなります。
1つ気をつけなければならないのは、消費者被害です。契約が可能となることから、若者の消費者被害が広がる可能性も懸念事項となります。
いくら成人とは言ってもまだまだ社会経験の少ない10代の若者が、詐欺や悪徳商法のターゲットとなってしまうケースも多々あります。
成人年齢の引き下げにより「未成年者取消権」という権利がなくなってしまいましたので、法的な逃げ場を失ってしまったことになります。
例え10代だとしても成人という扱いから責任も当然付加されるというわけです。
とは、言ってもそのようなケースが多発することを想定し設けられたのが「改正消費者契約法」です。
若者を悪質なことから守るために2018年6月8日に「改正消費者契約法」が成立しました。
2019年6月から既に施行されています。
若者が被害に遭いやすい様々な「契約」について、年齢を問わず取り消しが可能となったのです。
企業としては、ターゲットが拡大になったとしても、まずは若者を守るというセーフティな面を最大限に考慮することが必要とされます。
成人引き下げとビジネスの関連性とマーケティング③【働き方にどう影響するか】
「成人引き下げとビジネスの関連性とマーケティング」というテーマで3つ目に取り上げるのは「働き方にどう影響するか」です。
成人引き下げをした場合、働き方については、いったいどうなるのでしょうか?
少子高齢化による影響から慢性的な人手不足と言われている日本社会ですが、成人引き下げが労働力の増加に直接的に影響することは、限りなく少ないのではないでしょうか。
逆に企業としては、気をつけなければならない点が増すばかりです。
特に労働契約似関しては、注意が必要です。
未成年者にある労働権利として不利な労働契約なら解除できるという権利があります。
これは、正社員であろうとアルバイトであろうと関係なく、どちらにも適応できます。
この労働基準法に対しても成人引き下げと共に18〜19歳は対象外となってしまいます。
現在では、様々な企業が存在し、その中には、いわゆるブラック企業も存在します。
成人引き下げと共に増加するリスクもまた考慮する必要があるのです。