小売業にとっての成功を左右するには、マーケティングを含めた様々な要素があります。その中の1つとして大きく関わるのが商圏です。
商売成功の鍵を握る商圏のポイントについてふれていきます。
というわけで今回は「マーケティングと商圏分析」について詳しく説明致します。
マーケティングと商圏分析①【商圏とは、そもそも何?】
「マーケティングと商圏分析」というテーマで最初に取り上げるのは「商圏とは、そもそも何?」です。
ビジネスの中でも「商売」となると、売り手である小売業と買い手である顧客との関係性があります。
情報社会の進む現代では、チャネル化が進む一方、従来のリアル店舗も小売業の1つとして「商売」のアイテムとして、重要なファクターとなっています。
小売業にとって常に抱えるのが集客です。販売業やサービス業にとって、お店にお客さんが来てくれてこそ商売繁盛となるわけです。
企業や店舗が顧客へのアプローチをするには、様々な手段がありマーケティング活動も、それぞれの企業によって異なりますがリアル店舗において成功を左右するのが「商圏分析」です。
集客は、実は店舗オープン前から既にはじまっているのです。
集客に重要な商圏分析が、集客にとってどのようなことが重要であるのかについて触れていきましょう。
まずは、「商圏」とは、そもそも何なのか?これについてふれていきます。
商圏とは、お店を出す場合の商売エリアとなります。この商圏は地域によって条件が相当変わってきます。街によって世代も違えば、その街に訪れる人の雰囲気なども異なるわけです。
特に人口の多い東京都内では、それぞれの街によって全く異なるわけです。
東京23区エリアの中には、いくつも商圏がありますが、街毎による特色は全く異なります。
これだけ特色が違うことも世界的に見ても珍しいのではないでしょうか。
例えばわかりやすい例で言えば、「銀座」と「秋葉原」の違いがあります。
「銀座」と言えば、都心の中でも一等地にあり、大人のイメージと高級思考の街という印象があります。ハイソサエティでブランド力が強い街であることから年齢層も高く、富裕層が多い印象があります。
最近では銀座のイメージも昔とは異なり、若い世代も訪れるようになりました。
一方、秋葉原もまた東京の中においても、日本の中においても他には、類を見ない特徴的な街です。
オタクの聖地であり、電脳シティでもある電気街です。秋葉原も再開発が進み、以前のようないわゆる電気街とは違い、街全体が近代化し、とてもキレイな街に生まれ変わりました。
秋葉原は、マニアックな街で、アニメファンやパソコンマニアが多く訪れます。若い世代や外国人なども多く訪れます。
最近では秋葉原駅周辺の再開発により、ヨドバシカメラなどができたことからファミリーやカップルなど幅広い層が秋葉原を訪れています。
このように「銀座」と「秋葉原」では全く異なるわけです。
それだけに「銀座」なら「銀座で売れる物」を販売するのが、当たり前なのです。
マーケティングとは、ニーズのあるターゲットに商品やサービスを届けることなのですから。
街と小売店舗は一致している必要があるのです。
普通に考えてもどこにお店を出すかということは、重要だということがわかります。
商圏とは「お店を出店するとした場合、どれだけの顧客を集めることができるかのエリア」のことを言います。
どんなお店を出すにしても共通していることは、人が多く集まる場所で、アクセスの良い場所です。
この2つの条件は、双方で相乗効果として成り立っています。人が集まるには、行きやすくアクセスが良く、アクセスがよいからこそ、人が集まりやすいということなのです。
もちろん、それだけではなく業種によって商圏を正しく見極め、とこに出店すればよいか決めることはキーポイントとなります。
全てのお店で商圏が被るということはなく、前述の「秋葉原」と「銀座」の例がわかりやすいところです。適材適所の商圏があるというわけです。
お店の規模やスタイルによっても違いがあります。
例えば百貨店や大型ショッピングモールであれば施設そのものが大きい為、商圏範囲も広範囲となります。
逆に個人経営や小規模店舗であれば範囲は小さく狭くなります。
場所とお店の特性にマッチした商圏を選ぶことがスタンダードでありマーケティングの基礎ともなります。
商圏分析が誤っていると、せっかくお店をオープンしたとしても最初から躓いてしまうというわけです。
スタート地点からの躓きの影響は大きく集客数が伸びないことに繋がります。
商圏分析は店舗作りの第一歩となり、1日あたりの見込み客を想定した場所選びを行います。
マーケティングと商圏分析②【商圏分析が必要な理由】
「マーケティングと商圏分析」というテーマで2番目に取り上げるのは「商圏分析が必要な理由」です。
商圏分析を行う理由は、これまでも述べてきたようにエリアそして地域と密着した関わりがあります。
エリアや街の雰囲気によって訪れる人は変わりますから当然、出店するお店も変わってくるわけです。
ファミリー向けなのか、大人剥けなのか、若者向けなのか、高齢者向けなのかでターゲットによって全く結果が変わってくるのです。
商圏分析を誤るとダイレクトに集客が伸びないことに繋がります。つまり売上自体の伸びも期待できません。
次に具体的に商圏分析で調べることを取り上げてみます。
商圏分析では人口、家族構成などの調査は当然のこととして、より深く調査します。
例えば単身世帯の多い地域ならば、一人暮らしのニーズを識る必要があります。
そして個人の生活パターンをも知る必要もあります。
「一人暮らしの学生が多い地域にコンビニを作れば集客率が上がる」など、住人の生活パターンを読む必要があります。
商圏分析を行うことにより地域に根付いた店舗作りを行うと共に、集客面でも最初から期待値を高めます。
出店先にライバル店は、どのくらい多いのかによっても売上は左右されます。ライバル店があるからと言って集客面ではマイナス面ばかりではありません。
むしろ、プラスに働く場合もあります。ライバル店に来た顧客がついで買いをする可能性もあるからです。
例えば飲食店などがよい例です。カレーを食べにお店にでかけたのに、その手前にあったラーメン屋の看板を見た途端、急遽ラーメンに変更なんてこともありうるわけです。
特に寒い日などには、気が変わりやすいものです。
様々な条件が人の心理や行動を変えるわけです。万人に対応機種するような立地はありませんが、ターゲットを呼び込む集客はおこないたいものです。
マーケティングと商圏分析③【出店候補地を探すには】
「マーケティングと商圏分析」というテーマで3番目に取り上げるのは「出店候補地を探すには」です。
新店舗を出店する場合、候補地を実際に探すにはどうしたらよいのでしょうか?
ポイントは、いくつかありますが、やはり最初に考えなくてはならいのは、アクセスです。
電車やバスに近いというのが立地条件としては当然含まれます。
郊外の場合は、車での来店客を見込んで十分な駐車場確保が必要となっています。
特に車での来店の場合、駐車場のスペースだけでなく、道路の混雑状況や駐車場が利用しやすいかなどもポイントになります。
慢性的に混雑している道路に面している場所に出店する場合、あそこの店は、いつも混雑していて時間がかかるからいかないという単純な理由で客足は遠のいてしまうものです。
また出店候補地の人の流れがどうなっているかも詳しく調べましょう。
場所によっては、スルーされてしまうエリアもあるのです。
飲食店、雑貨、洋服、映画館など何でも揃っている大型ショッピングモールがあれば人の流れは、そちらへ流れてしまいます。
駐車場も十分にあり、おまけに駅ちかであればなおさらです。
できる限りの細かいリサーチは必要となりますが、全部が全部条件を満たしたベストな立地というのは、簡単には見つからないものです。
しかし、候補地選びは一度決めて実際に店舗を出店した後は、おいそれと変えることもままなりません。
それだけに出店候補地は非常に慎重になる必要があります。