普段の食材の買い物、特に野菜や果物などは価格変動することからタイミングによっては買い控えなど考えてしまうこともあります。
家庭の台所事情に関連する野菜の価格は、いったいどのようにして決められるのでしょうか?
今回は、今さら聞けないマーケティング知識として野菜の価格の決められ方について触れていきます。
今さら聞けないマーケティング知識①「野菜の価格はとこで決まられる?」
毎日の暮らしの中で、最も売買が行われるのは「食料」。人間は生きていく為には、食事という行為は外せません。
飽食の時代である日本では、食に対して困ることはなく、いつでも安全に食事をすることができています。
その食事を支えるのが、「食」に関わる多くの人達です。生産者であり、流通に関わる市場関係者、運送業、小売業など実に多くの業種の人が関わり日本の食を支えています。
そんな日々の暮らしの中、感じるのが日々変化する食材の価格です。
ふと考えてみると、この食材の価格は、いったいどこで誰が決めているのでしょうか?
皆さんは、ご存知でしょうか?一般家庭や飲食業などにも関連する野菜をはじめとした価格について、今さら聞けないマーケティング知識として、今回は解説していきます。
食材の中でも、特に価格の変動が激しいのが「野菜」です。例えば、キャベツの価格高騰により影響を受けるのは、とんかつ屋さんや、お好み屋さんのように食材にキャベツを外せない場合などです。
家庭であれば、他の野菜で代用することはできても、お店となるとそうは行きません。
提供する料理も、よぼどのことがなければ食材の価格変動に合わせて料金まで改定するわけにはいきません。
原料となる野菜が高騰すれば、それだけコストが増し収入が減るというわけです。
近年は、自然災害も頻繁に起こり、野菜をはじめとした食材の価格変動が非常に激しくなっています。
夏は猛暑や大雨、秋は台風、冬は厳冬や大雪など自然のコンディションに農作物の生産量も変わるからです。
そのような環境による影響を受け野菜の価格は変動するわけですが、食材の価格を決めているところがあります。
それは、「中央卸売市場」です。
中央卸売市場は、農林水産大臣の認可を受け開設した卸売市場で地方公共団体が行っています。
現在では、生産量から消費者の手元に届くまでに様々な流通ルートが存在しますが、王道の流通ルートであるのが卸売市場を通る流通ルートです。
直接販売などの流通ルートに比べ圧倒的に量が多いのが御売市場なんです。そこでは、多くの取引が行われ、野菜の価格はそこで決まられるというわけです。
今さら聞けないマーケティング知識②「中央卸売市場での取引」
続いての「今さら聞けないマーケティング知識」は、「中央卸売市場での取引」です。
流通量が多い中央卸売市場で野菜の価格は、決まるのですが、野菜などの農産物が、市場に持ち込まれる時、災害の影響で不作になると、需要と供給のバランスが崩れます。
つまり、物がないのに欲しがる人が多くて価値があるというわけです。この場合、需要が高くなります。
逆に豊作となれば、供給過多となり価格が下がるというわけです。
そのような理論から価格変動は、起こるのですが、中央卸売市場では、どのように価格を決めているのでしょうか。
それは、「せり」、「入札」、「相対(あいたい)」の3つとなっています。
【せり】
「せり」は、売主が買い主(仲卸業者、売買参加者)に競争で値を付けさせ、最高値の人に売る取引です。
生鮮食料品の値付けとしては、スタンダードな取引です。
「せり」の時間は、次の時刻に行なわれます。
水産物: 午前4時〜
青果物: 午前5時〜
食肉: 午前10時30分〜
【入札】
買い主が紙片に単価、必要事項を記入し、買い主の中で最高値を付けた人が買うことができる取引です。
【相対】
売り主の卸売業者と買い主が販売価格や数量などを直に交渉する取引です。
今さら聞けないマーケティング知識③「価格が変動しやすい理由とは?」
続いての「今さら聞けないマーケティング知識」は、「価格が変動しやすい理由」について説明します。
食材の中でも、価格が変動しやすいのが野菜などの農作物や魚などと言われています。
今回は、野菜についての価格変動のしやすい理由について触れてみます。
野菜の価格変動の原因となるのが、天候などのコンディションによる影響が最も大きいです。
野菜を育てるには自然の力が必要となりますので、その日その年の天候状況には左右されます。
特に近年では、驚異的な勢力の台風などによる被害が大きいのです。
自然災害や悪天候により生産量が変動してしまうのが理由です。
ここ数年、昭和の頃に比べ環境も変化しており、台風の他、地震、酷暑、長雨、日照不足、大雪など様々な変化により野菜の価格が高騰することが度々あります。
野菜をはじめとした食材の価格は自然環境による生産量の影響、需要と供給のバランス、流通ルートなど様々な要因により価格が決まってくるのです。
その為、消費者としてもマーケティング目線を持ち、様々な情報を取得することが大切です。