皆さんは、散髪する時には美容院や理容院、カット専門店など様々な営業スタイルが存在しますが、どこを利用しますか?
安価で手軽に利用できる1000円カットもすっかり定着してきましたが、その1000円カットの営業戦略とはどんなものか?更に問題点などを解説していきます。
1000円カットの存在意義
「10分でできる身だしなみ」というキャッチフレーズを掲げで、たった1000円でしかも短時間で誰でも手軽に使えるのが「1000円カット」です。
特に多忙なサラリーマンには清潔感と社会人としての身だしなみを整えるのは、もってこいのサービスで時間のない方にも特におすすめです。
カット専門ということで、シャンプーや顔剃り、ブローなどのサービスもありません。目安にして約10分というスピーディーさを見ても、ニッチな部分に目をつけたサービスと言えるでしょう。
サラリーマンやフルタイムで働いている人にとってはありがたいサービスで、休憩時間や仕事帰りにも利用できることから、気になった時に立ち寄れる手軽さがあります。
現在では、「1000円カット」も社会的にもすっかり認知され当たり前のサービスとなりました。「1000円カット」の営業スタイルをとる店舗も現在ではいくつか存在します。
システムやカット技術、サービスなどお店によっては、多少のサービスの違いはあるので利用者としては、お店を選べるのです。
「1000円カット」の中で全国チェーン展開している「QB HOUSE」などの出店場所は駅内に設けられていることもあり通勤、通学客を意識した経営戦略をとっており、少しでも顧客のニーズに近づき顧客獲得を目指しています。
ビジネスマンからすれは、隙間時間で利用できる使い勝手の良いサービスと言えるでしょう。
「1000円カット」を顧客の視点から考える
一方で「1000円カット」を利用する人は、限定される場合があります。基本的に「1000円カット」を利用するのは、ヘアスタイルを特に気にしていない人や、伸びた分だけとりあえずカットしたいと思っている方です。
ヘアスタイルにこだわりのある方や、おしゃれな方は「1000円カット」は利用しないでしょう。
美容師と相談しながら時間をかけてヘアスタイルを作っていったり、理想の髪型があったりする場合、大胆にヘアスタイルを変えたい場合などは、それなりの美容院を利用したほうが良いでしょう。
その為、ロングへアの女性などは、ほとんど「1000円カット」は利用しないでしょう。
つまり顧客としては「1000円カット」を利用する上では、「1000円カット」なりのヘアスタイルになるということを認識しておかなければなりません。
このようなことから美容院と「1000円カット」では、顧客の取り合いになることはありません。そもそも顧客となるターゲットが違うのです。
利用する顧客側としてもある程度、サービス内容やカットの質は多少は考慮する必要はあります。しかしながら「1000円カット」の技術が悪かったり劣っているわけではありません。レベルは、それなりにあります。
最近の「1000円カット」も、技術力やカット力などはかなりレベルが上がっています。逆に言えば短時間のうちにある一定のレベルを保ったヘアカット技術は評価すべき点と言えます。
現役の美容師さんの「1000円カット」の技術者さんの評価としては、カット技術やセンスは、その店の品質というよりも、担当となった技術者さんの力量やセンスによるところが大きいということです。
つまり、技術力は、美容院と「1000円カット」の違いではなく技術者のレベルにより差が出るというわけです。「1000円カット」でも、理想通りのカットが出来ることもあれば、美容院に行ってもイマイチな事も十分にあり得るというわけです。
同じ注文の仕方を美容師10人にしたところで、全く同じ髪型になるわけではなく、十人十色、技術者それぞれのセンスが浮き彫りとなるわけです。
そのようなことから「1000円カット」は、コストパフォーマンスとは、少し違います。
一般の美容院でのカットは、3000円から4000円というのが相場でしょう。カットの時間は最低約1時間を1人の顧客に対してかけます。
それに比べて1000円カットでは、同じ売上を出すのに1時間に約4人に対応しなければならないことを考えれば、営業戦略としては、なかなか厳しいものがあります。
経営側が抱える問題点とは?
集客面を考えても、「1000円カット」の経営を安定させるには、人口も関係します。人口の集中する都市部では、「1000円カット」のニーズも高く、それなりに顧客もいます。
しかし人口の少ない地方では、「1000円カット」の集客は厳しいものがあります。その為、出店するには、しっかりとしたリサーチとマーケティングを考慮する必要があります。