企業における事業活動を見直し企業活動を活性化させるためには、自社を知ること、そして市場を知ることが大切になります。
それらを把握する上でバリューチェーンが必要とされています。
というわけで今回は「10分でわかる!バリューチェーンとは」について詳しく説明致します。
10分でわかる!バリューチェーンとは①【バリューチェーンとは?】

「10分でわかる!バリューチェーンとは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「バリューチェーンとは?」です。
自社の価値感を高める方法とは、どのような方法があるのでしょうか?
そんな問いかけは、どこの企業も積極的に聞きたいものですが、現実的に自社の価値を高める手法としては、ブランディングがあります。
ブランディングというのは、ある意味ビジネス要素が非常に強くマーケティングの意味合いがあります。
企業としては、生産力を高めることが本来、企業が向き合うべき本質的な仕事と言えます。
つまり、クリエイティブな仕事を行うことが本来の企業の業務なのです。
創造性を高くキープする必要があるわけですが、そのためには、マーケティングを含めた業務プロセスにおける一連のフローを徹底して把握することが大切なのです。
ビジネスの根本としては、企業が利益を得るために行うのではなく、本来は顧客のために行うものなのです。
顧客が抱える課題に対して向き合うことにより、自社が提供できるプロダクトによって顧客ニーズを満たせるかどうかがポイントとなるのです。
顧客1人ひとりというのは、価値観は全く異なります。
「価値連鎖」というものもあり、企業における事業活動が価値創造のための一連のフローに含まれるものであるという考え方です。
企業の事業活動は製造→流通→販売→アフターサービスというように各プロセスにおいて非常に多岐にわたります。
それぞれのフローによっての特徴も異なり、事業活動や機能により、価値感を生み出しています。
ですが、企業が創造する付加価値そのものというのは、現実的には、活動ごとに生み出された価値を、ただ単純に合計した数値というわけではないのです。
それらの要素は複雑に絡みあっています。
企業における業務全体の中で最適化されて生み出された連鎖価値、すなわち「バリューチェーン」というものです。
このような付加価値は、企業がそれぞれ独自に生み出すものであり、真似がしにくいものとなります。
つまりバリューチェーンを分析することによって競合他社との差別化がしやすくなるというわけです。
企業における経営資源において、戦略そのものの検討に集中しやすくなるというわけです。
バリューチェーン分析をする際には、事業活動を機能別に分類する必要があります。
こうすることで、可視化することができ、自社の優位性や劣位性が明らかになるということです。
自社が今、抱える課題事項に向き合うことができるため経営戦略や事業戦略の見直し、改善に着手できるというわけです。
バリューチェーンと混同されやすいのが「サプライチェーン」です。
サプライチェーンは、日本語では「供給連鎖」となります。
製品やサービスが企業から顧客に届くまでの全ての事業活動のことを言います。
原材料調達から製造、流通、販売、サービスまでの供給=サプライの一連の流れを意味します。
具体的にイメージしやすいように実際の企業での流れを追って見ていきましょう。
ここでは、自動車メーカーを例としてみます。
このような一連の流れがサプライチェーンとなり、この流れの中で全体情報を共有することが大切になります。
一連の流れを管理・連携してチェーンの効率化、最適化を図ることを「サプライチェーン・マネジメント(SCM) 」と言います。
バリューチェーンもサプライチェーンも意味的には非常に似ていますし、対象業務の範囲も被っています。
しかし、フォーカスをどこに当てるかというのが決定的に異なるというわけです。
サプライチェーンは商品やサービスがどのように供給されているかをフォーカスしチェーンにおけるモノやお金の流れに視点を置くことにより、業務フロー全体の最適化を図るのです。
それに対してバリューチェーンは、チェーンのどこでどのような価値が創造されているかに視点をおきます。
企業価値創造の最適化、増大化を図っていくのです。
10分でわかる!バリューチェーンとは②【バリューチェーンの構成要素】

「10分でわかる!バリューチェーンとは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「バリューチェーンの構成要素」です。
バリューチェーンは企業における事業活動として次の2つに分類して考えていきます。
- 主活動
- 支援活動
上記の2つは、基本的なビジネスの構造モデルそのものと言えます。
1. 主活動
「主活動」とは、商品やサービスの創造から顧客に提供するまでの一連の流れに直接的に関わる事業活動を言います。
企業における、どの事業活動が「主活動」になるかは業種、業界によって変わってきます。
製造業の場合の「主活動」としては、次の5つとなります。
- 購買物流:製品を製造するための原材料の入手、貯蔵、配分などの活動
- 製造:
原材料を加工し製造する活動。 - 出荷物流:
製品を倉庫や店舗へ届ける活動。 - 販売・マーケティング:
製品のマーケティング、販売活動。 - サービス:
製品やサービス販売後の導入支援
2. 支援活動
「支援活動」とは、バリューチェーンの一連のフローの中で直接的には関与せず接主活動をサポートする活動となります。
具体的な活動内容としては、次のようになります。
【全般管理】
- 経営企画
- 財務
- 総務
【労務管理】
- 給与支払い
- 社会保険手続き
- 福利厚生
- 社員教育
- 募集採用
【技術開発】
- 製品開発
- 品質向上
- 生産工程効率化
【調達】
- 原材料の購入
- 物品・サービスの購入
- 交渉
- 契約
上記のように各企業におけるバリューチェーンを構成する事業活動そのものは非常に多岐にわたり各企業がそれぞれに行っています。
主活動、支援活動として分類することにより企業の業務を明らかにすることで、企業が実際にどのような活動を行っているかの価値観を生み出すことにより分析を行っていきます。
10分でわかる!バリューチェーンとは③【バリューチェーンのメリット】

「10分でわかる!バリューチェーンとは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「バリューチェーンのメリット」です。
バリューチェーン分析とは、ビジネスにおけるフレームワークであり、基本モデルに沿って事業活動を機能別に分類し、どの事業活動が高い価値を算出していくかを明確化、可視化していきます。
バリューチェーン分析を行うことによる得られるメリットは、様々あります。
1. 企業内の各事業活動のコストが把握できる
1つめのメリットとした企業内における様々な業務におけるコストの把握です。
分類した事業活動単位で発生したコストに対し現状を把握することができます。
全社的なコストを把握できることにより、無駄なコストを洗い出すことができれば、企業全体としてのコスト削減に繋がってくるというわけです。
製品やサービスのクオリティを維持しつつも企業体質を低コスト体質へと改善していくことができます。
コストは個別の活動のみに留まらず、他のコストにも影響を及ぼします。
そのためバリューチェーン全体を俯瞰することにより総合的な視点から自社をとらえることができ、効果的なコスト削減が可能となります。
2. 自社の強みと弱みの明確化
2つめのメリットは、自社の強みと弱みが把握できることです、
事業活動単位での付加価値を再確認することによって自社のストロングポイントとウィークポイントを明確にしていきます。
どこにどのような強みがあり、その逆で弱点は、どこなのか明確にすることができます。
他社より特化している自社の特徴的な強みをフューチャーして活動していくことで、その活動に対しての動きが拡充していくことにより、その企業独自の強化性を高めること、つまり競争優位性を高めることが可能となります。
経営戦略の方向性を検討する際にも役立つということです。
3. 競合他社の提供価値の把握
3つめのメリットとして、競合他社が提供する価値も把握できることがあります。
競合他社のバリューチェーン分析をすることによって競合の強みが生み出されている効果、その反対に課題の把握がてまきます。
相手を知ることは市場全体の予測に繋がります。
4. 経営資源の最適化
4つめのメリットは、経営資源を適切に再配分できることにあります。
企業が限られた経営資源を最大限に活用することができます。