多種多様な顧客ニーズに対応するため、世の中には様々なビジネスが存在します。
現代ビジネスにおいて他社との違いを明確にするためには、業界にマッチしたビジネスモデルがあります。そこで今回、注目するのがジレットモデルです。
というわけで今回は「10分でわかるマーケティング講座!ジレットモデルとは」について詳しく説明致します。
10分でわかるマーケティング講座!ジレットモデルとは①【ジレットモデルとは】
「10分でわかるマーケティング講座!ジレットモデルとは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「ジレットモデルとは」です。
現代には、ありとあらゆるものが存在し、消費者の選択肢としては、非常に多くの選択肢が存在しています。
モノが多いからこそ、現代はモノが売れない時代と言われています。
しかし、必ず世の中から「消費」が消えることはありません。それは消費者が、つまり人間が存在する以上は決して消えることはないのです
では、なぜモノが売れないのかと言えば「消費」に対する観点や価値観が変わったからです。
移ろいやすい消費者のあらゆるニーズに応えるために、現代ビジネスは動いており、そのことがまた混沌として複雑な状況を作り出しているのです。
ビジネスを成功に導くためには、新たな発想が必要ではありますが、全く新しい発想や考えを生み出すというのは、非常に難しいことなのです。
ビジネスを上手く軌道にのせるためには、既に存在するビジネスモデルを参照することにより、既存のビジネスを的確に進歩させることができます。
ビジネスモデルの1つとして「ジレットモデル」があります。
先述したように現代は、モノが売れない時代と言われています。
なぜなら、世の中はモノで溢れているからです。
市場に対して、充分にモノが満たされている状態は、消費者は、いつでもニーズを満たすモノを手に入れることができます。
そうなると消費者というのは、一度モノを購入すると次に購入するまでには、時間を要し、消費サイクルというものが生み出されます。
例えば家電などで言えば、テレビや冷蔵庫など、一度購入してけら、次に買い換えるのは、故障した時などになり、もう一回、同じ製品を購入するという機会そのものが減少します。
メーカー側とすれば、消費者の購入サイクルが少なくなれば、売上は上がりません。
その問題を解決するには、製品本体以外の付属品の購入を促すというジレットモデルが売上確保のために必要になるというわけです。
ジレットモデルというビジネスモデルを提唱したのは、剃刀の発明家のキングジレット氏です。
製品本体を低価格で提供するかわりに付属品を消耗品として販売したのです。
これにより、安定した収益確保を行うことができたのです。
ジレットモデルの別名はレーザーブレード・モデルとも言われます。
ちなみにジレットモデルの付属品の売上は、製品本体の5~10倍程度が目安とされています。
10分でわかるマーケティング講座!ジレットモデルとは②【ジレットモデルを成功させるには】
「10分でわかるマーケティング講座!ジレットモデルとは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「ジレットモデルを成功させるには」です。
では、安定的な収益確保が望めるジレットモデルを成功させるポイントとは、具体的には、どこにあるのでしょうか。
具体的には、次の2点があります。
- 本体そのものを魅力的な商品とすること
- 参入障壁を高め、差別化をはかる
1. 本体そのものを魅力的な商品とすること
ジレットモデルの実現としては、何をおいてもまずは、消費者が本体製品を購入してもらう必要があります。
これがなくては、はじまりません。
そのためには、製品本体を積極的に購入する必要があるわけですから、顧客との接点をまずは作ることが優先となります。
そのため、本体価格を無料または低価格で提供するという方法があります。
また製品そのものに他とは違う機能やスペックを付け、本体製品の価値観を高めていきます。
つまり、どれだけ消費者に対し製品そのものの魅力を届けることができるかを検討します。
2. 参入障壁を高め、差別化をはかる
ジレットモデルは、新規参入が多くなると、他社との競争が厳しくなり自社の利益が低下するおそれがあります。
そのため付属品を他社製品では使用できないようにするなどの手段があります。
こうすることによって他社との差別化をはかり、顧客を囲い込むのです。
いかに他社との違いを作り、参入の障壁を高めていけるかがポイントとなります。
10分でわかるマーケティング講座!ジレットモデルとは③【ジレットモデルの事例】
「10分でわかるマーケティング講座!ジレットモデルとは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「ジレットモデルの事例」です。
ここまで、ジレットモデルとは、どのようなビジネスモデルであるかについて説明してきました。
ここからは、既存のビジネスモデルとしてジレットモデルがどのような事例があるのかを説明していきます。
●携帯電話
現代人にとってのマストアイテムである携帯電話。
これもジレットモデルの代表例と言えます。
携帯電話の契約料金は、最初は無料、または契約後、一定期間は低価格で販売されています。
それにより、顧客と契約を結び収益は、通信料や通話料という月々の支払から継続的な利益を出していくジレットモデルと言います。
携帯電話の契約において如実に映るのは、ジレットモデルで言うところの消耗品となる月々の通信料です。
契約時の料金割引に対し、月々の支払い額の高さが問題となっています。
●ゲーム機、ソフト
世界的ゲームメーカー任天堂も実は、ジレットモデルを実践している企業となります。
Nintendo Switchをはじめとした任天堂のゲーム機は決して安い製品だとは、言えません。
それでもユーザーはSwitchの魅力に惹かれて製品を購入するのです。
しかし実際にユーザーが惹かれているのは、本体そのものの機能性ではなく、ゲームそのものとなります。
つまりソフトウェアに魅力を感じているからです。
ゲーム機本体は一度購入してしまえば、買い替えのサイクルがくるまで、再度購入するということは減少します、
しかし、魅力的なゲームソフトが発売されれば、次から次へと新たなソフトウェアをユーザーはほしがるものなのです。
実は任天堂のビジネス戦略は、明確なジレットモデルなのです。
主な収益源となるのは、本体ではなく、消耗品であるゲームソフトで利益を継続的に確保しているのです。
また任天堂が採用しているビジネスモデルは、「マルチサイドプラットフォーム」です。
マルチサイドプラットフォームとは、他者生産のゲームソフトも本体で利用できるようにしていて、他社からのロイヤリティにより収益を確保します。
●ウォーターサーバ
ウォーターサーバでもよく用いられるのがジレットモデルです。
ウォーターサーバーの本体というのは、個人で購入するなら、それなりに高価となりますので消費者は購入を躊躇してしまいます。
それを無料で提供、もしくは、低価格でレンタルすることにより、利用者を増やし収益は、毎月の水の料金で確保しています。
各メーカーが、それぞれ自社製品の本体のみでしか利用できない仕様としており、他社の水を利用できないようにしています。
●カミソリ、付替刃
ジレットモデルの元祖となるのが、カミソリ、付替刃です。
現在では当たり前となった使い捨てカミソリですが、当時としては画期的な製品として登場しました。
ジレット社が柄と刃を別々に売るモデルを展開したことにより、シェアが一気に拡大しジレットモデルというビジネスモデルが生まれたのです。
●コピー機・プリンタ・インクジェット
デジタルシフトが進む中、近年でのコピー機やプリンタの役割も変ってきましたが、紙文化が今も尚、根付いている今日では、まだプリンタの需要もあるのです。
コピー機業界でジレットモデルを最初に行ったのは、ゼロックス社です。
業務用のコピー機本体というのも一括で購入するとなると、高価となり初期投資がかかります。
そこで、本体をリースやレンタルにより低価格で導入できるようにしたのです。
収益の確保は、コピー枚数に応じた月々の使用料金、インクトナーの交換などによる付属品の購入により継続的な収益を確保しているのです。