世の中、なんでもかんでも「サブスク化」というように、あらゆるサービスがサブスクリプションサービスとして展開されています。
そして現在では、自動車のサブスクも存在するのです。
というわけで今回は「自動車サブスクというトヨタの新たな戦略!KINTOとは」について詳しく説明致します。
自動車サブスクというトヨタの新たな戦略!KINTOとは①【顧客のニーズに応えるためのサブスク】
「自動車サブスクというトヨタの新たな戦略!KINTOとは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「顧客のニーズに応えるためのサブスク」です。
デジタルシフトが加速する時代において、テクノロジーの利用とニーズの多様化は、密接にリンクしており、ビジネススピードさえも加速させています。
企業にとっては、時代にマッチした的確な顧客ニーズに応えていく必要があります。
トレンドの移り変わりの激しい世の中だからこそ、判断スピードもまた早めたいものです。
そのような変化の激しい時代において注目されているのがサブスクリプションビジネスモデルです。
既に多くのサブスクリプションサービスが存在していますが、中でも大きな注目を集めているのが自動車のサブスクリプションサービスです。
ビジネス総サブスク化と言われるように、幅広い業種に応用可能なのがサブスクリプションビジネスモデルの良いところです。
自動車のサブスクとしてトヨタ自動車がサービス提供を開始した「KINTO(キント)」があります。
近年は、CMやWebなどでも、ご覧になられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
大企業だけに大規模なプロモーション活動をしています。
KINTOは、2019年にサービスが開始されました。
自動車を購入以外の方法でも自動車を利用する方法は、サブスクリプションサービスの他にも、これまでも存在しました。
ローンやカーリースなどとがありますが、比較的日本では、これまで定着しないと言われてきましたが、近年での利用者は増加傾向にあります。
時代の流れにより価値観の変化というものが影響しています。
近年では、モノに対する捉え方というのも大きく変化してきています。
自動車に限らず、以前であればモノは所有することに意味があり、消費者は所有することで満足感を得ていました。
所有するということでは、ブランドにこだわりを持つ方も非常に多く、高級車や高級時計、バックなどをコレクター的に所持するような方もいらっしゃいました。
それらを保持することで、物欲を満たしたり、他者との差別化を得ることに満足をするという感覚があったためです。
このような価値観は、どちらかと言えば自己の価値観というよりも、他者と比べた優越感を得ることが強いからです。
ところが近年では、若い世代を中心にモノに対する執着心は、薄れ、モノを所持するよりも、モノを利用し、自己体験に満足感を得られる方が価値観として重視している方が増加してきました。
これは、他者との優越感ではなく、個のニーズを基準とし、より大切にしていることがあるからです。
このように価値観の基準の変化があるからこそ、サブスクリプションというビジネスモデルが増加してきたのです。
時代背景による状況を受けとめた企業が、様々なサブスクリプションサービスを展開していますが、世界的自動車メーカーであるトヨタも一般的になった定額サービスの提供を開始しました。
自動車サブスクというトヨタの新たな戦略!KINTOとは②【消費に対する価値観の変化】
「自動車サブスクというトヨタの新たな戦略!KINTOとは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「消費に対する価値観の変化」です。
先述したように、モノに対する執着というのが薄れた現代ですが、自動車に対する所持感というのも確実に変ってきています。
これまで、自動車と言えば「購入」するというのがスタンダードでした。
自動車を購入するには、販売店へ足を運び購入し、購入後も保険やメンテナンス費用など維持費として必要経費を払い続ける必要がありました。
はっきり言って自動車というのは、維持するにもお金はかかりますし、もちろん購入時には多額のお金がかかります。
決して安価とは言えない商品だけに、日用品のように簡単に買えるものでもありません。自動車というのは、所有するのには、実に面倒くさいものなのです。
もちろん居住地によっては、生活必需品として自動車がないと困るという明確なニーズもあります。
しかし、都心部に住んでいる場合は、各種公共交通機関を使えば、生活に困ることはありません。
日本の人口も首都圏一極集中していることも考えれば、自動車というのは、都市生活者にとっては、必ずしも必要なものとは、言い切れない存在となっているのです。
そこで自動車のサブスクリプションサービスとして登場した「KINTO」ですが、月額費用としてかかるのは、下記の全てが含まれている定額サービスです。
- 保険
- 税金
- メンテナンス料
サブスクリプションサービスですから、中途解約なども可能です。
また一定条件によっては、乗り換えも可能となり利用者としては、自動車を所持することとは、全く違う手軽なサービスと言えます。
世界のトヨタ自動車という大企業でありますが、営業活動においては、実にきめ細かい販売店をベースとした地域密着型の営業を行ってきました。
言ってみればトヨタの営業は、正統派な営業スタイルを顧客に対し真正面から取り組む姿勢を貫いてきており、そこには顧客との強い信頼感があったのです。
そんなトヨタが自動車のサブスクリプションサービスをはじめたきっかけは、やはり時代のニーズを敏感に察知したからです。
多様化する消費者ニーズに応えるため、今、何が必要かを検討し顧客に対して多くの選択肢を与える必要があると判断したからです。
自動車サブスクというトヨタの新たな戦略!KINTOとは③【消費者に選択肢を増やすという必要性】
「自動車サブスクというトヨタの新たな戦略!KINTOとは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「消費者に選択肢を増やすという必要性」です。
では、ここで一旦、話しを基本に戻しましょう。
そもそも自動車というのは、あれば非常に便利なモノです。
好きな時に、好きな場所に行くことができます。自動車によって得られるのは、「自由に移動して楽しむことができる価値」となります。
やはり、ドライブというのは楽しいものなのです。性別や年齢も関係なく、今も昔も、その楽しさは全く変わらないのです。
そのようなモノとしての価値観が高い自動車ですが、「経済的な理由」により、利用できないケースも多々あるのです。
前述しましたが、やはり自動車というのは、高価であり、お金がかかるものなのです。
一度買ってしまったら、それでおしまいというわけではなく、維持し続けるならば、お金はかかるわけです。
そうなると、手を出したくても、なかなか出せないというようになるのです。
よほどのニーズや自動車に対しての興味がなければ、自動車に対しての価値は、どうしても低くなってしまいます。
こうした観点は自動車メーカーからすれば、非常に勿体ない状況と言えます。顧客損失をしているわけですから、その部分の機会損失を防ぐ必要があると考えられたのです。
価値観を落とすための条件やギャップの存在、自動車購入というプロセスに対する不便さというのが確実にあったからです。
言ってみれば、これまでの自動車に対するスタンダード出会った「所有」にまで至らないというケースが非常に多くなってきたからです。
KINTOという自動車のサブスクリプションサービスが登場したのは、顧客の機会損失を防ぎ、ニーズに応えることが目的でした。
若い世代の車離れというのが確実に進んでいる中、誰でも一定月額で利用できるというサブスクリプションモデルは、顧客に対し選択肢を増やしたことに間違いはありません。