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世界にも「KARAOKE」という名称が広がるほど認知されている日本が生み出した文化「カラオケ」。現在、カラオケ市場は、どのような状況となっているのでしょうか?

衰退と言われているカラオケ業界の現状を知りつつ、カラオケ業界の経営戦略について徹底解説致します。

「カラオケ」業界の現状。カラオケ業界は衰退している?


コミュニケーションの手段として、娯楽として、仲間や恋人、家族と楽しむ「カラオケ」という文化はすっかり日常の中にも認知されています。現在のカラオケ業界は一時期のピークを過ぎ、現在は衰退しているとも言われています。

かつては、飲み会の後の二次会と言えば「カラオケ」が定番でしたが、最近ではブームの衰退もあり以前よりカラオケ人口は減少しています。

カラオケ業界の衰退は時代の変化とも密接にリンクしています。かつてカラオケ全盛の時代は娯楽としての楽しさとして「カラオケ」が上位の位置にいました。

ところが現在では、インターネット環境の整備やスマートフォンなどの普及により、様々な娯楽が生まれました。個人の趣味趣向も多種多様となり、パーソナルベースのニーズも高まっています。

また若者の価値観の変化も関係しています。若者のアルコール離れと言われている現在では、コミュニケーションそのものに変化があったことも1つの要因となっています。

昔であれば、ビジネス面でも仕事仲間とのノミュニケーションの一貫として、カラオケで一緒に歌を歌うことによって、より親睦を深めたりなど、現在とは違う一面もありました。

また音楽産業そのものの変化や衰退も、カラオケ業界の変化にも関係しています。1990年代は音楽業界もかなり潤っていました。当時はCDセールスも今では考えられないほどの売上をだし、音楽産業全体が潤っていた時代でした。

ミリオンセラーが連発するなど、日本人全員が音楽にある意味酔っていた時代しも言えます。そのような音楽産業のブームに便乗する形でカラオケもブームとなりました。ヒット曲が次々と生まれるそんな環境で、そのヒット曲をカラオケボックスで歌いたいという人が単純に多かったのです。

レジャーやエンターテインメントとしてニーズがあるカラオケは、1990年代はピークを迎えました。現在、カラオケメーカーは国内に2社しか存在しませんが、当時はカラオケメーカーもピーク時は20社以上存在していました。

ピークの頃に比べれば現在は衰退していると言われているカラオケ業界ですが、現在の市場規模はおよそ6,144億円ということで、そこまで大きくはないのです。

カラオケ市場の内訳としては、カラオケボックス市場、酒場市場、旅行・ホテル市場、その他となります。酒場市場はクラブやスナック・居酒屋など、その他は高齢者施設や福祉施設というエルダー市場となります。

このように売上がある市場を見ると若年層より高齢層にニーズが高いのがカラオケ市場の実情と言えます。少子高齢化という問題を抱える日本においては、今後のカラオケ市場は決して明るいものとは言えないでしょう。

カラオケ市場を支えるカラオケ2大メーカー


かつては、いくつものカラオケメーカーが存在しましたが現在では、カラオケメーカーとして存在するのが国内にはたったの2社となりました。この結果、カラオケメーカーはこれより少なくなることはなくなりました。

現在カラオケ市場を支える2大メーカーは、「第一興商」と「エクシング(ブラザー工業グループ)」となります。数年前までは、第一興商、エクシング、BMBの三つ巴という状況でしたが2010年にカラオケ業界は大きな動きを見せ、エクシングがBMBを完全子会社化により、ついにカラオケメーカーは第一興商、エクシングの複占となったのです。この時を境にカラオケメーカーの再編は完了したことになります。

2大メーカーとなるまでには、これまで複数あったカラオケメーカーは消滅や撤退、統合合併を重ね現在の形となったのです。

次に2大メーカーの違いをまとめてみました。

【第一興商】
ブランド:DAM
直営店: ビッグエコー
店舗数: 約480店舗
音源:原曲の再現性が高い
曲数:約20万曲
特徴:メディへの露出の高さと開発能力の高さ

【エクシング】
ブランド:JOYSOUND
直営店: JOYSOUND
店舗数: 約100店舗
音源:最新機種にて音の良さは評価された
曲数:約26万曲
特徴:アニメコンテンツに強い

上記のように2大メーカーを比較したところ、直営店の数や音源の良さなどを考慮しても業界第一位となるのは「第一興商」で、存在感となっています。楽曲数に関しては「エクシング」が上回っており、それぞれに特徴があります。

新たな経営戦略と業界の動向


厳しいカラオケ業界の中でカラオケメーカーは新たな経営戦略を行っています。第一興商は業務用だけではなく、家庭向けサービスにも注力しています。インターネット環境が整備されたことにより家庭のテレビでもカラオケ店と同クラスの音と映像を楽しめることが実現可能となったのです。

自宅に居ながら本格的なカラオケが楽しめるというのは大きな魅力となりますね。

その他、カラオケニーズの高い高齢層をターゲットとしたシニア向けサービスも展開しています。シダックスが2014年かはじめた高齢層向けの優待サービスがそれで、60歳以上の会員をターゲットしたお得なサービスを展開しています。

まとめ

いかがだったでしょうか?今回は、カラオケ業界の現状と経営戦略について解説してみました。今や独占的とも言えるカラオケメーカーですが、今後の新規参入などははたしてあるのでしょうか?また、カラオケブームが再び再燃されることはあるのでしょうか?

ブームは繰り返され、作られるものなので可能性はゼロではありません。今後の市場動向にも注目していきましょう。


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