なくてはならない生活に密着しているのが100円ショップ。国内外を問わず展開されている100円ショップの中で国内トップをひた走っているのが、皆さんご存知「ダイソー」です。
業界トップのダイソーの経営戦略、マーケティング戦略とはいったいどのようなものでしょうか。
というわけで今回は「リアルマーケティング考察。ダイソーの経営戦略に迫る!」について詳しく説明致します。
目次
リアルマーケティング考察。ダイソーの経営戦略に迫る!①【ダイソーの歴史】
「リアルマーケティング考察。ダイソーの経営戦略に迫る!」1つ目のテーマとして取り上げるのは「ダイソーの歴史」です。
日用品がなんでも揃うほど、多くの商品がある100円ショップ。いざという時にとりあえず100均に行けば、生活に必要な身近なものは、事足りてしまうことも多々あります。
それほど、日本人のライフスタイルにはマッチし密着している100円ショップ。
至るところに店舗があることからコンビニと共に、現代人の生活にはなくてはならないものです。
今では当たり前の「100均」ですが、このスタイルも昔からあったわけではなく、ある時期より登場した販売スタイルなのです。
昭和初期の頃には「100均」というスタイルは存在していませんでした。
そんな「100均文化」を作ったのが、国内シェア第一で業界をリードしているのが「ダイソー」です。
日本人なら誰しも一度は利用したことがあるのではないでしょうか。
現在の国内シェアは、大手4社の寡占状態なのですが、その中でも業界トップの「ダイソー」は、他社を圧倒するほどの存在感を放っています。
具体的に100均業界でのダイソーのシェアは市場な約6割を占めており、売上は4,000億円超となっています。
今では、その存在感の大きさがわかるダイソーの歴史を振り返ると、創業は1977年。
今からおよそ40年前となりますが、日本に100均文化が根付いてしばらくとなりますが、40年という歴史となると意外と短いと思われるかもしれません。
40年という歴史は若い方にとっては、生まれてきたから既に存在し当たり前とも感じられる身近な存在ですね。
ダイソーが創業した当時は100円ショップという業態はまだ確立していない時代で、ダイソーが100均の先駆者でもあるのです。
創業当時は、トラックでの移動販売からスタートし現在、国内外に店舗を拡大するようになったのです。
ダイソーの創業者、矢野博之さんは、日用雑貨の移動販売を元々行っており、事業が最初から上手くいったわけではなく、浮き沈みの激しい人生を歩んできたらしいです。
様々な挫折を繰り返しながら、事業としてはじめて手応えを感じたのがトラックでの移動販売でした。
そんな移動販売の中で、100均という形が生まれたのです。矢野さんが実際に販売を行っている際、値付けが間に合わなかったことから、全ての商品を100円均一として販売するようになったとのことです。
つまり、最初から戦略的に100均を考えたわけではなく、苦肉の策で100均に行きついたというわけです。
このような経緯からすると顧客目線ではなく売り手都合ではないか?と思われるかもしれませんが、それは違います。
しっかり顧客のことも考えています。
矢野社長が考えたのは、商品が100円だからと言って、安かろう悪かろうにはしないということです。
俗に言う「安物買いの銭失い」では、顧客は寄ってこないと考え、品物の品質自体にはこだわり、ぎりぎりまで原価を高くしたのです。
そうした「顧客第一主義」が消費者にも伝わり、その結果発展していったというわけです。
マーケティングが重要視される現代社会においても、顧客目線にたって考えるということは非常に重要なことで、現代ビジネスにも十分通用する考え方と言えます。
「ダイソー」という社名ですが、会社名は「大創産業」と言い、この意味は、「大きく創る」ということを意味しています。
リアルマーケティング考察。ダイソーの経営戦略に迫る!②【ダイソーの店舗数】
「リアルマーケティング考察。ダイソーの経営戦略に迫る!」2つ目のテーマとして取り上げるのは「ダイソーの店舗数」です。
国内外に拡大を続ける「ダイソー」ですが、日本でのシェアはナンバーワンとなります。
ダイソーは、1991年に直営店第1号の「高松店」をオープンしました。つまり店舗展開してからは、まだ30年もたっていないわけです。これを聞くと100均文化は最近のことのように思います。
その後、店舗数を順調に伸ばし国内店舗数はおよそ3,278店舗となっています。
国内だけに留まらず、海外進出も果たしていきます。
2002年にシンガポールへの初の海外進出を皮切りに2005年にはアメリカに進出。
その後、26の国と地域に1,992店舗を展開しています。
そしてダイソーは実店舗のみではなく、海外のダイソーに限っては通販サイトも用意されています。
海外のダイソーには、いわゆる外人向け商品も数多く存在し、外国の方が日本文化を感じるような商品を揃えているのです。
具体的には、書道グッズやお箸、手ぬぐいなどです。
通販サイトは海外のみで日本には通販サイトはありませんが、大量購入やまとめ買いの場合、WEBでの注文が可能です。
リアルマーケティング考察。ダイソーの経営戦略に迫る!③【ダイソーの戦略と魅力】
「リアルマーケティング考察。ダイソーの経営戦略に迫る!」3つ目のテーマとして取り上げるのは「ダイソーの戦略と魅力」です。
「100円ショップ」という営業スタイルこそが、独特な戦略と言えます。
「ダイソー」の戦略となるのが「究極の薄利多売」と言うようなビジネスモデルとなります。
たった1円しか利益が出ない商品だとしても、とにかく数を多く売ることで利益を得るというのです。
そのため、仕入れの数自体も半端なく、1つの商品の仕入れは、なんと100万個以上ということなんです。
この仕入れに関しては、中国からの仕入れも行っており、ダイソーのバイヤーは世界各国を飛び回り商品を仕入れているということです。
さらにダイソーの魅力と言えるのは、豊かな商品数。お店に訪れるとあらゆる商品があり、見ているだけでわくわくしてしまうような、「楽しさ」があるのです。
商品アイテムの数は、なんと7万アイテムにも上ります。さらに驚くのは雑貨などについては、99%が自社開発商品というこだわりようなのです。
そして100円ショップは、他社が簡単に参入しにくいう事情もあります。
というのも利益が出にくいビジネスなので、大手資本が参入しにくいということもあります。
仕入れに工夫し、バラエティ豊かなアイテムを取り揃え、大量に商品を準備するというダイソーならではの戦略は、真似をしたくても、なかなか出来ないというのが現状なのです。
リアルマーケティング考察。ダイソーの経営戦略に迫る!④【ダイソーの海外戦略】
「リアルマーケティング考察。ダイソーの経営戦略に迫る!」4つ目のテーマとして取り上げるのは「ダイソーの海外戦略」です。
海外にも積極的に進出しているダイソーですが、実は海外のダイソーは100円ショップではないのです。
かと言って日本の商品のように均一でないかと言えば、ある程度揃えられ価格帯としては、1商品あたり150~250円ほどの低価格の商品となっています。
この価格の違いの理由は、輸送コストを上乗せして販売しているからです。その為、ダイソーの基本スタンスは変わりません。
輸送コストは国によって異なりますので、それによって販売価格も変わるというわけです。
コストがかかっているとは言え、現地のダイソーには安い商品がたくさんあるのです。
海外のダイソーの商品設定は、商品に応じた相応な価格となっています。比較的安く品数も豊富な為、日本と同様に海外でも人気があります。
その人気の秘密は、商品クオリティの高さが評価されているからなのです。
日本人の感覚でいうと、なんてことない普通の商品であってもこれが海外では高品質な良品として高い評価を受けているのです。
日本製は安心、安全、高クオリティ、コスパも良いということからよく売れています。