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みなさんは会社の求人活動や、会社説明の際にどのような方法をしていますか?もはや昭和と違って学生や応募者のニーズに合わせないとよい人材は集まりません。
今日は面接辞退率を上げ、若手の退職率を下げた方法をご紹介いたします。

優秀な人材を獲得し、若手の離職率を下げる特効薬

人材が集まらない、面接でほしい人材から辞退されるなど人事採用の悩みは尽きません。この問題を改善するのには応募者が何を求めて会社に入ろうとしているのかを知る必要があります。

昭和の古い時代と違って、いまの若い世代は仕事にやりがいや高収入というよりは居心地の良さ、安全な社内環境を求めています。

つまり安心や信頼を求めているとも言えます。

 

社風が仕事のコストパフォーマンスに以下に影響するかということを優秀な人材ほど知っているからです。そのような彼らに安心して入社してもらう方法はあるのでしょうか?

結論から言えば「会社がパワハラに対しての安全装置」を用意していると提示することがその有効な解決策です。

具体的には「上司の360度評価」の導入と運用です。この運用によって入社率は上がり、若手の退職率は減りました。今日はその事例を詳しく解説いたします。

優秀な人材は何をさけるのか?

今の若く優秀な人材は給与や仕事のやりがいを求めていません。

終身雇用が崩壊し、会社に希望が持てない今、それほどの給与や収入を期待してはいないのです。代わりに彼らが求めているのは職場の安全衛生環境。つまり

  • サービス残業がないか?
  • パワハラ・セクハラがないか?
  • 嫌な上司がいないか?

ということに集約されます。これは優秀な人材が長く成果を出すことにも直結しています。なぜならば彼らは「劣悪な社内環境」では自分の能力が十分に発揮できずに結局は長い目で見ると損をしてしまうということを知っているのです。

古風な管理職の抱える法的リスク

「何を馬鹿なことを。こっちは雇ってやっているんだから」という昭和世代の管理職は新しい世代に迎合することを拒否するかもしれません。

しかし、昭和スタイルの上から目線の会社経営がまかり通った時代と違い、今はインターネットやSNSが普及しています。昔は情報を閉鎖し、狭い社内だけの独自文化で社員や応募者を縛り付け、思うように指示することができたのですが、現代の社員や応募者たちは社内社外を問わず、情報を共有し悪いところはすぐに拡散します。

またそれだけではなく、労働法や自分の権利意識にも詳しいのです。

このことは、年齢だけを重ねた無知な上司には従わないことを意味しますし、同時に理不尽なパワハラやサービス残業に対して法的な措置を躊躇なく使うことも意味しています。具体例で言えば弁護士による残業代請求や、労働組合ユニオンによる団体交渉です。

つまりいまや「パワハラ上司」「サービス残業」は人事採用だけの問題ではなく、会社に損害を与える大きなリスクになっているのです。

ブラック体質の改善提案

最初、私たちの人事部ではこの問題に気が付かなかったのですが、若手社員からのヒアリングやコンサルタントとの情報交換によって、この「昭和ブラック体質」の改善こそが、人事活動向上への最適なソリューションであると結論つけました。

また経営陣にも「労働問題リスク」「損害賠償リスク」を説明することによって強い同意を得ることに成功しました。おりしも、上司ともめて退職した社員がユニオンに依頼して団体交渉申し入れをいていたこともタイミング的には良かったと思います。

このような社内調整の結果、私たち人事部は中間管理職の人たちよりも経営陣により近い部署となり社内改革の発言権を得るに至りました。

「部下による上司の360度評価」を導入し運用

私たちがやりたかったのは「部下による上司の360度評価」でした。

上司が部下を一方的に評価するのではなく、部下が上司を評価します。同時に同僚や他の管理職同氏も評価しあいます。

一方的な評価ではなく、いくつかの角度から部下へのマネジメント、管理方法を評価するということです。

売り上げや勤務日数、顧客数など数値的はだれでも判断しやすいものです。私たちがこだわらなくてはいけないのは定量的な指標ではなく、定性的な指標、つまり

  • 「部下のモチベーションをさげていないか?」
  • 「パワハラやセクハラをしていないか?」
  • 「サービス残業の強要、飲みの強要などがされていないか?」

などでした。

導入初期は困難を極めました。ある世代の管理職はパワハラやサービス残業を当然の社内文化だと思っています。

また、それによって社内教育を受けた人種はその社風を正当化し、同じことを繰り返します。パワハラ文化の負の連鎖がそこにはありました。

上からのみ評価していてはそれを改善できません。新しい世代や文化にあわせるべく、横や下からの社風の改善が必要だったのです。

「上司の360度評価」が若い世代に好評な理由

このやり方は若い世代、新入社員に極めて好評でした。

会社説明会や採用面接でも若手の食いつきはよく、入社意欲へのプラスになったと思います。それもそのはずです。彼らは自分たちに人権が認められて、主張できるということに誇りを感じ始めたのです。

これはホワイト企業のみのやり方であり、給与や福利厚生とは違った、目に見えないインセンティブでした。

管理職たちの反発、そして追放

しかし、もちろん、大きな反発もあります。

例えば、昭和世代の古い体質の管理職はこれをよしとせず、ばれない形で新入社員に嫌がらせをしたり、書類を捨てたりし始めました。まるで子供のようですが、実際にあったことです。
この360度評価を半年程度続けたところ、最終的に、業務に不適格なのは中年の管理職だという結論に至り、経営陣は中年管理職を降格または退職勧奨を行い、若手や新入社員にしかるべきリーダー職や責任を与えました。

 

実際にパワハラやセクハラをしている管理職たちはたいした実績がなかったようです。権力を使って部下の手柄を奪い、ミスを押し付けていた負の構造がこの「360度評価」によって暴露され、結果的に彼らがいなくなっても会社のワークフローはそれほど被害がないことが判明したのです。

会社を追われる形になった中年管理職たちの中には弁護士を使って訴える人もいましたが、部下たちの証言や証拠もあり、裁判的にはかなり低い金額で和解することになりました。

優秀な人材を集め、辞めさせないとう成果

私たちはこの「360度評価」システムを会社説明会や人事面接で応募者に説明したところ非常に好評で、多くの人材を集めることができました。

また、入社したてのころはこのシステムに半信半疑の新入社員もいました。

例えば、実際は上司への不満が当事者に伝わり、不利益な扱いを受けるのではないかと、心配していたようです。しかし、実際にパワハラや評判の悪い管理職が追放され、サービス残業が減ることによって若手社員はこの会社が居心地の良いホワイト企業だと感じてくれたようです。

経営陣はサービス残業がなくなると業績が悪化するという心配もしていましたが、杞憂に終わりました。

なぜならサービス残業の8割は、管理職が自己満足で仕事を増やすか、飲み会に付き合わせるという悪しき風習だったのです。サービス残業がなくても会社の業績は変わらず、むしろ入社人数は増え、転職、退職者は減りました。

まとめ

優秀な人材を獲得し、若手の離職率を下げる特効薬はあります。それは若手社員に安心や信頼を与えることです。

その一つの方法に「上司の360度評価」の導入と運用があります。若手が自分も上司を評価できるシステムによって、彼らは安心とプライドを得て、このホワイト企業で長く働きたいと思うにです。

この運用によって入社率は上がり、若手の退職率は減りました。この事例が皆様のお役に立てば幸甚です。

 


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