せっかく入社した新入社員。でも、すぐに辞めてしまったら勿体無いですよね。求人費も勿体ないです。すぐに辞めてしまうのを少しでも軽減できればと思い、実践している方法をお話ししたいと思います。
離職率を下げる方法(住宅販売会社の例)
当社は地域密着で営業活動を行っている住宅販売会社を営んでおります。
小さい会社ながらも地域の方にご支持いただき、長きに渡り地元にてお仕事をさせていただている会社です。そんな小さな会社の私たちですが、これからの未来の会社を担っていただくべく新たな人材を毎年新卒採用、もしくは中途採用にて募集して採用しております。
新卒は毎年新築営業で3~4人、リフォーム営業で3~4人程度を採用しております。
中途の人材はだいたい常に募集をかけている状態です。中途の場合ですと年によって全く異なりますが、年間3~4人が時期は違いますが入社してきます。
要するに、年間に新卒、中途合わせると約9~12人程度の人材が入っているということになります。
しかし、住宅営業のほとんどがそうだと思うのですが、住宅営業ですと売れないと給料が最低限しか貰えず、売れば報奨金が貰えるというシステムになっていて、売れる方は高給取りで、売れない人は辞める人が多く出るということが当社ではよくあります。
そして、営業という職種は特に厳しい世界だと感じております。
入社した最初の頃はなかなか営業成績も伸びず、コツもつかめず、営業のやりがいや楽しさを知らないまま挫折してそのまま辞めてしまうというケースも多々あります。
当社の場合も例外ではなく、毎年新しい人材が毎年入ってきても、1年以上続く人材は1割程度しか残りません。残りの9割は基本的にすぐ辞めていってしまいます。これは当社としても由々しき事態であり、求人費の削減、そして人材育成を考えればすぐに改善しなければいけない事態でした。
そこで当社が行って上手くいっている方法が2つあります。
給与体系飲み直し
一つは、給与体系の見直しです。住宅販売の営業さんは基本的に売れたら報奨金がもらえ高給取り、売れなければほとんど給料がもらえない。という厳しいシステムになっております。
実力主義という意味では公平なのですが、入社当初からこのシステムを取り入れてしまうのはどうしても不利になってしまいます。
要するに
- 成果給与制度(売れたら報奨金が多く貰えて稼げるが、売れない場合は給料の減額が発生して最低限の給与しか貰えなくなることもある)
- 一般給与制度(売っても、売らなくても給料は変わらない。減額もなければ、そのかわり報奨金もない。しかし、この制度を選べるのは入社から5年までで、その後は強制的に成果給与制度へ移行する)。
この2つのパターンを使い分けます。
そうすることにより、営業さんはある程度リラックスしてゆっくり学んでいくことも出来ますし、給料や自分の生活を気にして辞めていくこともなくなります。
また、一人一人期間を変えるのは、その人の能力に見合った期間にしてあげることにより、より退職率を下げようと思い、その方法を取りました。
つきっきりで指導をする
そして、併せて行っているもう一つの方法は、新人さんには一般給与制度の期間中は、上司もしくは先輩がつきっきりで指導をするという方法です。
今までは各営業さんが忙しいというのもあり、また自分の営業成績を上げないといけないということもあり、新人が入社しても数か月教えたら後は自分で営業活動を行いながらわからなければ都度聞いたりして何とかしていくということが通例でした。
もちろん自分で進んで成長していく、勉強していくというのは大切なのですが、それだけでは人材が育たないのです。特に現代の若者は昔の若者とは考え方なども異なっております。
少し甘い考えを持っている人たちが増えてきている印象があります。
そういう人材にもきちんと社会を学んでいただき、一人前の社会人に成長してもらうためにもマンツーマンでの教育が必要になります。そして、その新人さんの案件もきちんと上司や先輩が付いて、契約まで結びつけてあげることにより、営業手法や、考え方、そして営業トークや社会マナーなどを学んでもらい、その中で営業のやりがいや楽しさも学んでいってもらえたらと思っております。
私達の会社はこの2つの方法を3年前から取り入れております。
実際この方法になってから退職率は大幅に減りました。今までは1割程度しか残らなかった人材が、今では4割程度は残っております。
しかし、ここまでやってもまだまだ4割です。
他業界と比べれば退職率は高いかもしれませんが、私達にとっては大きな進歩だととらえております。
また、この方法の良い点が、退職率が軽減しただけではなく、人材も確実に育ってきております。
じっくり育ててきたおかげで、入社当初は頼りない人材も今では営業メンバーの中心人物の一人として営業成績を伸ばしており、活躍している人材も実際にいます。
これはこの方法が成功している証拠だと実感しております。まだまだ改善点はあるかと思いますし、もっと効率的に人材を育て、人が辞めない組織や環境作りは行っていく必要はあるかと思っております。今後も改善しながらも、よりよい会社を作っていきたいと思います。