老いも若きも、男も女もだれそれかまわず万人うけするような物事は少なからず存在するわけです。
しかし万人受けを狙った戦略は、非常に難しい一面も当然あるわけです。
というわけで今回は「老若男女に受けるマーケティングとは、本当に有効なのか?」について詳しく説明致します。
老若男女に受けるマーケティングとは、本当に有効なのか?①【万人受けするマーケティング】
「老若男女に受けるマーケティングとは、本当に有効なのか?」というテーマで最初にふれるのは「万人受けするマーケティング」です。
マーケティングとは、常に「顧客」のためにあるもの。
商品やサービスを提供する企業にとっての基本は、まずは顧客ニーズを把握し顧客のニーズを満たす為に活動することです。
マーケティング活動の上で重要な要素となるのが「ターゲット」です。
自社が開発した商品やサービスを広く展開していく為には、ニーズのあるターゲットに対してアピールしていく必要があります。
ニーズがあるところに需要はあるわけで、そもそもニーズも興味のない人にアピールしたところで効果的な意味など全くありません。
つまり、ターゲットを間違えるとマーケティングそのもののも失敗するというわけです。
しかし、ターゲッティングをどこに絞るのかというのも実に難しいポイントとなるのです。
マーケティングの仕掛け側である売り手としては、できるだけ多くの人に自社の商品やサービスを知ってもらい、より多くの人に利用してもらいたいと望むものです。
もちろん、そのような考えは、どんな業種であっても同じことが言えるのではないでしょうか。
その為、当初の計画より、ターゲッティングの間口をいつの間にか広げてしまうケースもありますが、はたして広げることに意味はあるのでしょうか?
ターゲッティングを広げたところで、効果があれば、トライするべきですが、数撃ちゃ当たるになってしまっては、マーケティング活動の本質が問われてしいます。
ターゲッティングというのは、慎重かつ大胆な切り口で行う必要があるのです。
どんな企業であっても目指すところは、万人受けする商品やサービスです。
しかし、そのように老若男女問わず誰もかれもが必要とするモノを生み出すというのは、とにかく難しいのです。
老若男女となると、何しろターゲットが広すぎるからです。
そしてターゲッティングで言えば、何も性別や年代などの他に「地域」も関係してきます。
「地域」というのは、独特の文化や風習などがあり、その土地土地で人の感じも異なります。
例えば関西人の方は、よく喋り、いつも冗談ばかりを言っているような感じがします。
それに対し首都近郊の関東圏の方は、クールな印象が強かったりします。
つまり、「地域」が違えば、売れるものが違うといいわけです。
対象とする地域の住民によって異なるのです。
若者が多く住んでいる地域で、高齢者向けのサービスや商品を販売しても当然売れません。その逆も同じです。
地域エリアによって上手くいくビジネスもあれば、そうでないケースもあります。
では、地域事業でうまくいかないケースの原因となるのは、いったい何でしょうか?
その最たる理由は、単純なもので先述したように顧客がいないからです。
そのエリアに対してターゲットとする顧客かまいないということが、ほとんどのケースなのです。
マーケティングの基本である「顧客ニーズ」。これがなければ売れるものも、売れないというわけです。
では、なぜ地域とのアンマッチングによることが原因で事業は失敗するのでしょうか?
考えてもみて下さい、事業やお店を開く上で、必ず現地調査などは、行うわけです。
にも関わらず失敗する事例が多いのは、いったいなぜなのでしょうか?
少なくともその地域で事業展開をする場合、やっていけるという勝算があったからではないか?
でも、なぜ失敗するのか?
その理由としては、マーケティングの基本が理解していないことにあります。
つまり、顧客が見えていないのです。
本当にターゲットとする顧客自体が見えていないことが原因なのです。
その原因に気がついていないことすらあるのですから、失敗しても仕方ないのです。
ターゲッティングから間違えているという致命的な理由が最たるものなんです。
ターゲッティングの間違いというのは、意外と気がつかない盲点であります。
例えば老若男女誰でも日常不可欠なものとして老若男女問わず必要なものでも、必ず売れるというわけではありません。
誰にでも売れるという勘違いと自信が失敗の原因となり、そもそもターゲッティング自体の間違いに気づかないというわけです。
老若男女に受けるマーケティングとは、本当に有効なのか?②【ターゲットの曖昧こそが問題】
「老若男女に受けるマーケティングとは、本当に有効なのか?」というテーマで次にふれるのは「ターゲットの曖昧こそが問題」です。
ターゲッティングの間口を広げすぎ、大風呂敷となってしまうことで、ターゲッティングそのものが薄くなってしまうのです。
マーケティングに関して言えば、必ずかかるのが「コスト」となります。
大々的なマーケティング戦略や広告を行えば、それだけ効果は高まるかもしれませんが、その分コストも同じくかかるというわけです。
マーケティングを仕掛ける側としては、思いが強すぎることから、顧客ニーズのマッチングにズレが生じることも多々あります。
そのようなズレが生じてしまった際には、いち早くそのズレに気づき、修正していく必要があるのです。
地域の特性とリソースというのを、上手く活用する必要があるのです。
ターゲッティングで、最大の問題となるのが、顧客像が「曖昧」であるということです。
顧客が「曖昧」であるということは、そもそも販売における「軸」が定まっていないということになります。
つまり、誰に対して商品を売るのか、ぼんやりしている状態になります。
これでは、顧客ニーズを満たすなどという目的に対しては、ほど遠いことになります。
ターゲッティングの大風呂敷とされる「老若男女」の誰もがマッチするというのは、聞こえは良いのですが、言ってみれば、これは単なる理想論となります。
あらゆる人に利用してもらいたいという理想は、わかりますが、具体的に誰に対しどのように使ってもらうことによって効果があるのかを示さなければならない必要があるのです。
その上で行わなければならいないのは、ターゲットの絞り込みです。
性別、年代、地域などを鑑みてさらに、どんな層に対してアピールしていくのかということです。
例えば富裕層にターゲットを絞るとか、明確なターゲッティングが必要なのです。
富裕層の中にも、老若男女様々な方がいらっしゃいます。
高齢層ほどお金持ちというイメージもありますが、若い世代でもお金を持っている方は、もちろんいらっしゃいます。
富裕層という大きなカテゴライズをすることによって、1つの絞りこみができるのです。
これだけでも随分変わってくると思いませんか?
カテゴライズをすることによって、より顧客ニーズに近い商品やサービスのカスタマイズをすることができます。
顧客ニーズを満たした商品やサービスは、顧客との距離を確実に縮めます。ここに、ターゲッティングが合致すれば、必然的にマーケティング活動は、良い方向へと導かれるというわけです。
「絞り込み」という作業は、削ぎ落としとは、少し意味が違います。
確かに大きな枠の中から、一部のみを取り扱うことになるのですが、「絞り込み」は、「諦め」ともなります。
つまり、あるグループの顧客に対しては、諦めてしまうということになります。
ターゲッティングを狭めるではなく、ある一定の条件の顧客を諦めてしまうということになります。
これこそが、売り手としての本質であり、顧客ニーズと真っ向から向き合う姿勢となるのです。
老若男女に受けるマーケティングとは、本当に有効なのか?③【絞ることと広げること】
「老若男女に受けるマーケティングとは、本当に有効なのか?」というテーマで最後にふれるのは「絞ることと広げること」です。
「老若男女」という大枠のカテゴリでターゲッティングした場合の事業としてのリスクがあります。
それは、誰しもが狙う巨大な市場を相手にするということになります。
ただでさえ、物や情報にあふれた世の中において競合他社も実に多く存在します。
そのような大市場の中には、大手企業の存在感が際立っており、事業規模による力比べでも分が悪いのです。
そのようなことから、そもそものマーケティングボリュームというものを見越した戦略も必要とされるのです。