新人教育で重要な研修方法としてOJTがあります。OJTは職場内で行われる研修なのですが、人事担当者の方はこの実施にあたり気をつけなければいけないことがあります。今回は、OJTでいくつか気をつけなければいけないポイントとコツをお話しします。
目次
OJTの効果的な活用方法と気をつけないといけないポイント
会社の人事担当者の方が人材育成のために、おこなう新人教育のなかでOJTがあります。とても有効なのは確かですが、いくつか気を付けておかなければならないことがありますので、今回は気をつけておくべきポイントについてお話します。
OJTの良いところ
OJTは、職場内で行われる人材育成方法の一つですが、研修、実施訓練、座学など全てが含まれています。オンデマンドジョブトレーニングですので、つまり現場で必要性に応じて行う指導、教育ということになります。
現場で、その時々に行うこともできますし、時間を設けて行うこともできますので、とても便利な指導方法となります。
職場の必要やタイミングで行うことができるので、臨機応変に対応することもでき、実際的に現場の様子を見ながら教えられるので、分かりやすく、そのまま業務に生かしていくことができます。
指導の時間も短縮することができ、無駄なく必要なことをしっかりと教えられるので、時間的にもカットすることができます。指導する側も、業務を行いながらできるし、他の業務の合間にすることができるので、自分の業務に支障がでることもありません。
人材教育のなかでは最もコストも時間もかからず効率的な方法として、多くの施設で実施されています。
事前準備が必要
このように有効なOJTですが、事前準備がとても大切です。
職場にいきなり出ていって、ただ業務を横で眺めてもらい、見よう見まねでやってくださいといってもなかなかできることではありません。そこで大切なのが、OJTでの事前準備です。
主体は本人
そして、もう一つ大切なのは、あくまでもOJTの主体は本人なので、本人主体で進めることが重要になります。一方的に指導するだけでは、本人のやる気も育てられませんので、大切なのは本人OJTで何を学びたいかを最初に計画しておくことです。
計画表を最初に作るようにしましょう。
目標や学ぶべき(学びたい)ことがらを箇条書きにして、その日にどれだけ達成が出来たかをグラグや得点化して、日々つけていくようにしましょう。
これはもちろん本人が作成するものです。そして、日誌形式で提出することを義務付けて、毎日レポートを作成させることです。これによって、本人がどれだけ真剣にOJTを受けていたかがわかります。そこに質問欄などを作って、その時の疑問はすぐに解消できるようにしましょう。
フィードバックが大切
OJTはとても有効な研修方法なのですが、一方的な知識の教え込みや、だた業務を横でみてもらっているということだとあまり役に立たないことが多いです。
座学だと、右から左へ知識が流れてしまったり、業務を見ながらでも、実際にはやってみるとできないということが多いです。
このようなことは本人があまり理解していないのに、指導者の都合や思い込みで一方的に教育が行われていることにもなりますので、できるだけOJTは双方向性をもたせながら行う必要があるのです。
その場で質疑応答の時間を持ちながら進めることが一番良いのですが、なかなかゆっくり質問を受け付けて、答えている時間がないという場合は、質問シートなどを作って、フィードバックをするとよいでしょう。
その日の疑問やわからなかったことは、メモ書きや日誌などで受け付けて、かならずその日のうち、あるいは翌日にフィードバックをするようにしましょう。わからないことをそのままにしておくと、結局業務で立ち振る舞うことができないです。
定期的なミーティングも大切
そしてOJTで大切なのは、定期的なミーティングです。
できればその日、その日の終わりにミーティングを行い、本日の業務についてお互いにやり取りができれば理想的ですが、そのような時間が取れない場合は最低でも、3日に1回はOJT期間中は、短いミーティングを行いましょう。
そこで、お互いの意見交換をしましょう。
言葉遣いやあいさつなども含めて、新人のうちにしっかりと習得しておくことが重要です。
ミーティングのもう一つの目的は、上司と部下という関係で、早めに信頼を築いておくということもあります。今後長く一緒にやっていくことになるので、この期間から活発に意見交換をしたりできるといいですね。
そして、もし可能であればチームミーティングなどもにも参加してもらいましょう。チームの一員としての自覚も芽生えますし、早めに仲間意識を持つことで途中での退職も防ぐことができます。
適切なアドバイスを
いよいよOJTが終わって一人立ちしたら、適宜適切なアドバイスをするようにしましょう。
OJTでは、報連相が大切であることはしっかり指導すべきですが、そのため、もしかしてトラブルが起こったという報告を受けることもあるかもしれません。
この時に、どういう指導ができるかが重要です。
最初からうまくいくはずありませんので、いきなり叱責したり、厳しい指導をするのは厳禁です。まずは、どうしてそのようなトラブルが起こったのかを一緒に考えて、今後どのようにすればトラブルが行らないのかということを考え、アドバイスをしていくようにしましょう。
ただし、2回、3回と同じトラブル(ミス)があった場合は、厳しい指導が必要になりますので、その頻度や重要性に応じた対応が必要となります。
また適切なアドバイスのタイミングとしては、まずは自分でトラブルの原因やわるかったところの振り返りを行ってもらい、それに応じて指導するようにしましょう。このようなトラブルが起こってしまったのはなぜなのか、今度どうすればいいのかということを自分自身が考えることが大切です。