企業におけるポジショニングというのは、自社のビジネスを進める上で非常に重要なものとなります。
成長戦略としてのポジショニングとは、いったいどのようなものなのでしょうか。
というわけで今回は「ポジショニング戦略が上手い企業とビジネスモデル」について詳しく説明致します。
ポジショニング戦略が上手い企業とビジネスモデル①【ポジショニング戦略とは】
「ポジショニング戦略が上手い企業とビジネスモデル」というテーマで1つ目に取り上げるのは「ポジショニング戦略とは」です。
現代ビジネスにおけるマーケティングというのは、非常に重要なものとなっており、現在では企業規模を問わずマーケティングに注力している企業が増加しています。
以前に比べてマーケティングが重要書類されるようになった背景は、環境変化とマーケティング的な考え方が広まってきたからです。
マーケティングの考え方や理論を生み出したアメリカに対し、日本企業は、10年遅れていると言われています。それでも少しずつ営業のみに頼る事業戦略ではなく、マーケティングの必要性を理解しつつあるからです。
マーケティングが必要となったのは、時代背景と情報社会という複雑なビジネス事情が関係しているからです。
既に市場には、様々なモノが存在し、類似品も非常に多いのです。
消費者から見れば、多くのモノから自分が必要なモノを選択できるというメリットもありますが、本当にニーズを満たすモノにたどり着けないというメリットもあるのです。
そして売り手としては、何もしなければモノは売れない時代だからこそ、マーケティングが必要不可欠となっているのが現状なのです。
何もしなければ、数々の商品や膨大な情報にただただ埋もれてしまうばかりとなるのです。
だからこそ、マーケティングが必要なのですが、それに応じて企業では、マーケターのニーズも当然高まっています。
実際にマーケターの人材が十分満たされているのかと言えば決してそうではありません。
なぜなら、日本はただでさえ、少子高齢化という状況であり人手不足に嘆いています。
各企業は、まず先決に人材確保が必要となるわけです。
中でも専門的な知識や経験が必要であるマーケターともなれば、優秀な人材の確保というのは、非常に難しいわけです。
またマーケティングというのは、常に変わり続けます。市場やトレンドの影響を強く受けるからです。
だからこそ、マーケターは常に勉強し続けていく必要があります。
そして、そのマーケターが知るべき基礎知識として、「ポジショニング」があります。
ポジショニングとは?いったいどのようなものなのでしょうか?
ポジショニングとは、自社の製品を他社と比較した時、どれだけ違いがあり、独創的なのか他社との違い、自社の強み、差別化という意味で顧客に対しいかにしてアピールしていくかという行為を示すことです。
ポジショニング戦略が上手い企業とビジネスモデル②【ポジショニングと分析】
「ポジショニング戦略が上手い企業とビジネスモデル」というテーマで2つ目に取り上げるのは「ポジショニングと分析」です。
ポジショニングは、マーケティング分析でもあり、フレームワークとしてのSTP分析のうちの1つなのです。
STP分析は、次の3つの要素があることをまずは、理解しておきましょう。
- S…セグメンテーション(Segmentation)
- T…ターゲティング(Targeting)
- P…ポジショニング(Positioning)
上記の3つが基本となり、顧客をセグメントしグループ化し、ターゲットとなる顧客グループを選び、そのグループに対し、どれだけ自社の製品を魅力的なものとして見せるかとなります。
この流れかこそがSTPの流れとなり、そのプロセスの最後となるのが、「ポジショニング」というわけです。
ビジネスにおけるポジショニングをとらえ、ポジショニング戦略を成功させるには、いったいどのようにすればよいのでしょうか。
それは、次に示す4つの条件があります。
- ポジショニングによるターゲットサイズの適切化
- ポジショニングが顧客に正確に伝わるか
- ポジショニングに顧客が共感するか
- 企業自体のポジショニングが正しいか
ポジショニング自体は、売り手である企業自身が考えるものですが、それはあくまで売り手としての一方的な考え方となります。
その考え方のそのものが、はたして買い手である顧客に受け入れるられるかというのは、また別の話しとなるのです。
また、企業としては、企業理念やポリシーと製品のポジショニングとにしっかりと整合性があるかどうかというのもポイントになってくるのです。
ポジショニングとは、マーケターの独りよがりになってはいけません。
売り手である企業が勝手なスタンスでポジションをとるわけではなく、しっかりと顧客に共感してもらう必要性があるのです。
STPとマーケティング戦略というものをしっかり組み合わせ、それぞれの整合性が保持されるように進めていくことが重要なのです。
ポジショニング戦略が上手い企業とビジネスモデル③【ポジショニングが上手い企業の実例】
「ポジショニング戦略が上手い企業とビジネスモデル」というテーマで3つ目に取り上げるのは「ポジショニングが上手い企業の実例」です。
では、ここらは、具体的にポジショニングを上手く活用している企業の実例を見ていきましょう。
●Zoom
コロナ禍により一気に注目が集まったのがZoomです。
ビジネス上の打ち合わせや会議などを行うだけでなく、学校や教育、地域のコミュニケーションなど、様々なシーンで使われるようになりました。
「Zoomする」という言葉が生み出されるほど認知度も高まりました。
Zoomの凄さは、様々なオンラインミーティングやコミュニケーションツールなどが存在する中で、一般の人もZoomを知っているということです。
Zoomには、特にキャッチフレーズはありますが、どのようなサービスであるかということが、ユーザーとしては、理解しているということなのです。
驚くべきなのは、ZoomはZoomとして知られており、それがそのまま商品ジャンルとして成立していることなのです。
「Zoomする」という言葉が生まれたのも、その認識の強さがあったからこそ、自然発生的にそう言われるようになったのです。
「Zoomする」とあえて言わなくとも表現的にはオンライン会議で全く問題ありませんが、あえて日常生活レベルにまで、ストレートに認識しやすいような言葉を選ぶというのが、Zoomがサービスとしてユーザーに受け入れられているということになります。
これと同じような減少として、「ググる」や「LINEする」がありますが、これもまたサービスや製品そのものを使うことを指しており、それらの商品やサービスの強さというものを非常に感じるわけです。
オンラインミーティングサービスというのは、Zoomだけが独占的なサービスとして決して存在しているわけではありません。
特に近年は、リモートワークなどが増加したことにより、Google meet、Microsoft Teams、SLACKなど多種多様なサービスが存在しています。
機能的にみても、便利になり、どのオンラインミーティングでも簡単に扱えるようになりましたが、それでも「Zoomする」は、しっかりと認識されているのです。
このようにZoomのポジショニングというのが、いかに強固であるかということがわかるのではないでしょうか。
肝心なのは、顧客とのポジショニングの共有であり、いかにして人々の頭の中に強く印象つけて残るかどうかということになります。
●ものレボ
次にあげるのは、日本の中小企業の味方である「ものレボ」です。
ものレボ株式会社は、工程管理SaaS「ものレボ」を提供しているスタートアップです。
「ものレボ」は、製造現場と少量多品種・短納期の調達ニーズを持つ企業のマッチングサイトです。
発注先への依存度が高く、営業力が弱い中小企業が系列以外からも受注できます。
ものレボのポジションですが製造業の負を解決するようなサービスを展開していることにあります。
「中小企業の強い味方」と言われるのはそのためであり、ポジショニングとしては非常に明確でわかりやすいことがポイントです。
顧客層だけでなく非常に多くのところから共感を集めることになっています。