マーケティングを知る上で、市場に対する自社の立ち位置を知ることは、マーケティング戦略を練る上で必要です。
そして、そのためにはまずは自社そのものを理解する必要があります。そこで必要なのは「損益分岐点」となります。
というわけで今回は「マーケティングとマネージメントに関わる損益分岐点」について詳しく説明致します。
マーケティングとマネージメントに関わる損益分岐点①【損益分岐点とは何か?】
「マーケティングとマネージメントに関わる損
益分岐点」というテーマで1つ目に取り上げるのは「損益分岐点とは何か?」です。
現代ビジネスにおいてのマーケティング活動というのは、企業が利益を生み出す上では、必要不可欠なこととなります。
企業と顧客の関係性を築く手段としてもマーケティング戦略は、売上を左右するだけでなく、社会からの企業価値を問われる要因となります。
つまりマーケティング活動は、企業イメージさえも左右するのです。
マーケティングの最終的な目標として、どの企業が目指しているのが「ブランド化」となります。
ブランドが確立するということは、企業にとって非常に大きなメリットがあります。
ブランド化することにより、社会的認知度が高まり、企業には安定感をもたらします。
ブランド化は、これまでのマーケティング活動の効果が適切に現れた結果で、多くのファンと固定客を産みすこととなり、何もしなくても商品やサービスが売れるという理想的な環境となります。
マーケティングのブランド化を目指す上で、まず求められるのが企業経営の安定です。
企業を安定させるには、まずは自社をよく知ることが必要となり、企業内の内部統制を行う必要があります。
そこで数字として必要なのが、会計となってきますが、売上状況を判断する上で「損益分岐点」が用いられます。
この「損益分岐点」ですが、経理関係の方なら当然、おわかりになっていることでしょう。
また簿記の知識がある方ならおわかりでしょう。
よく、使われることの多い損益分岐点ですが、明確に定義を理解している方は、どれくらいいるのでしょうか?
なんとなく、雰囲気的に理解しているという方も、この機会にしっかりと学んでおきましょう。
なぜなら、損益分岐点はマーケティングにも多いに関わり役立つからです。
特にウェブマーケティングが主流となった現代においては、ウェブ広告のマネジメントにおいても損益分岐点は、大きく関わっています。
損益分岐点ですが英語では、Break-Even Pointと言います。
つまり、損益分岐点とは「利益ゼロが達成されるポイント」となります、
マーケティングとマネージメントに関わる損益分岐点②【売上と費用】
「マーケティングとマネージメントに関わる損益分岐点」というテーマで2つ目に取り上げるのは「売上と費用」です。
利益とは所定の期間においてどれだけの儲けが出たのかを計算することによります。
利益の計算式は次の通りとなります。
例えば売上が3,000万円、そのうち費用が2,000万円かかったすれば利益は3000−2000=1,000万円となります。
そして企業にとっては、この利益を最大化することこそ、最大の目的なのです。
損益分岐点は、利益がゼロとなるポイントですから、売上と費用が一致している場合は、トントンとなり損失も利益も出していないことになります。
企業としてはらトントンの状態では、存在している意味もありませんし、利益を出さなければ継続するのこともできません。
つまり、企業経営を続けていくための最低ラインとして、損益分岐点はクリアしなければならないということです。
現代、主流のウェブマーケティングでは、様々なウェブ広告が存在します。
中でもリスティング広告をよく使われる手段ですが、マーケティングそのものにもコストはかかるわけで、損益分岐点にも大きく関わります。
収益が多ければまた、マーケティング戦略もできることが多くなってくるというわけです。
損益分岐点の定義について、改めてふれると、損益分岐点は売上と費用が等しくなる状態のことを言います。
コストとなる費用とは、もちろんマーケティングに関わる広告費だけではなく商品原価、人件費、様々な諸費用など全てを含めたトータルコストのことを言います。
マーケティングを中心とした損益分岐点をとらえてみると、広告を起点とした事業スケール全体のコストを、売上によりペイ出来る状態となるわけです。
マーケティングによる販売戦略や広告戦略とは、売上 < 費用からはじまり、収益を高めることで、これが逆転していくというわけです。
多くの起業家は、事業をスタートさせてから、まずは、損益分岐点を超えることを目標としており、マーケティング活動は、それを叶える重要な要素なのです。
マーケティングとマネージメントに関わる損益分岐点③【2つの費用】
「マーケティングとマネージメントに関わる損益分岐点」というテーマで3つ目に取り上げるのは「2つの費用」です。
損益分岐点を考慮する時に重要な要素となるのが「費用」です。
費用には次の2つがあります。
- 固定費
- 変動費
この2つに分類し明確にすることで、企業を分析することができます。
では、それぞれの費用について詳しく説明していきましょう。
まずは固定費です。
固定費とは、その名の通り定まった費用のことを言います。
売上に関わらず必ず決まったコストがかかります。
具体的には、オフィス、工場、事務所、店舗などの家賃、固定資産税、人件費、各種保険料、支払利息など様々なものが対象となります。
つまりこれらの費用は、売上がどれだけ変わっても変わらないというわけです。毎月必ずかかる費用となります。
続いて、変動費になります。
変動費とは、売上によって金額が増減します。
例えば商品の仕入値や原材料や加工費のコストです。水道光熱費なども変わります。
原材料や加工費などは、常に変動しているからです。
わかりやすい例で言えば飲食店は変動費に大きく左右されます。例えば、とんかつ屋やお飲み焼き屋では、欠かせないキャベツの値段というのは生産量によって価格が変動します。
天候などに左右される野菜や果物などの作物は季節によって変動します。
例えキャベツの値段が上がってもメニューの値段を原材料の仕入れ値によって変えることは、できないというわけです。
実際のところ、この2つの費用の線引きというのは、ジャッジが難しいところもあります。
例えば分類として難しいのが「人件費」です。
一般的に人件費は、固定費としてカテゴライズされていますが、実際に現代ビジネスでは、プロジェクト単位に業務が行われることが多く、その時に適した人材、人員が調達されてプロジェクトが進められます。
現在、少子高齢化による人手不足などにより、雇用情勢も激しく変わっていることを考慮すれば、人件費を固定費として考えるのも無理があるというわけです。
このように厳密に変動費、固定費を分類することは難しいのですが固定費と変動費に分けることにより、損益分岐点の計算式を求めることができます。
損益分岐点を改善する方法、つまり利益が出やすい状態にするためには、2つの方法があります。
それは、費用を減らすか、売上を増やすか、このどちらかとなります。
当たり前のことと言えば当たり前のことですね。
固定費を減らすには、家賃、事務費など売上に直結しない費用を減らすことです。
これにより損益分岐点は、簡単に引き下げることができます。
変動費を削減するには、原材料や人件費の削減などを行います。
もう1つの手段としては売上そのものを伸ばすことです。
売上高の公式は次のようになります。
これらの要素一つ一つについては、商品単価の引き上げ、
新規顧客獲得など様々な観点から修正していく必要があります。