2022年に入り何かと話題となっているのは物価上昇。
ここに来てあらゆる業種での値上げが止まりませんが、庶民にとっては、企業に対し賃上げを望みたいところです。
というわけで今回は「物価上昇で苦しくなる庶民と賃上げしない企業の現実」について詳しく説明致します。
物価上昇で苦しくなる庶民と賃上げしない企業の現実①【日本企業の現実とは】
「物価上昇で苦しくなる庶民と賃上げしない企業の現実」というテーマで1つ目に取り上げるのは「日本企業の現実とは」です。
日本国内の物価高というのが、とにかく顕著になっていますが、それに対して賃金というのは、上昇することはありません。
このような賃金低迷というのは、何も今になって始まったというわけではなく、遡れば過去30年もわたってほとんと変っていないのです。
このような状況が続く中、なにが賃金上昇を妨げているのでしょうか?
時代は変わり、世の中はあらゆるモノと情報で溢れています。便利になった世の中ですが賃金だけが変わらないというのは、考えてみれば非常におかしな状態とも言えなくはないのではないでしょうか。
過去30年間という長い年月において、日本はほぼ横ばい状態ですが、諸外国については1.5倍から2倍以上と拡大しているのです。
この差はいったい何なのでしょうか。
日本の賃金が伸び悩んでいる理由は、日本企業の生産性の低さにあります。
そのため、付加価値を高くできていないことに要因があるのです。
賃金というのは生産性に比例するものなので、付加価値が増加しない分には賃金は上昇しないというわけです。
つまり言い換えれば日本企業の従業員1人当たりの付加価値というのがそもそも諸外国に比べ低いのです。
それに対し企業の経営者は、企業の付加価値を最大化することを考えています。
上場企業の経営者ともなれば社会的地位と高い報酬を得てはいますが、報酬に見合った働きをしているかどうかとは、全くその価値は一致していません。
物価上昇で苦しくなる庶民と賃上げしない企業の現実②【企業が負うべき社会的義務とは】
「物価上昇で苦しくなる庶民と賃上げしない企業の現実」というテーマで2つ目に取り上げるのは「企業が負うべき社会的義務とは」です。
値上げラッシュの今日この頃ですが、今後もまだまだ様々な商品の値上げは続き、本格的な値上げは、今後となるのではないかと言われています。
となると、当然、ダイレクトに影響を受けるのが家計であり、日常生活にも相当な影響を及ぼすことが容易に考えられます。
特に家庭を支える主婦の皆さんは、家計のやりくには、頭を抱えることも多いのではないでしょうか。
支出が増えれば、どうしても現金は減り、生活は、苦しくなります。となるとやはり、給料が同じままでは、これまでと同じようなわけにはいかず、生活の中では我慢することも多々おこるようになります。
暮らし向きは、やはり悪くなっていくような方向になり、それが景気へと繋がり、やかでは経済全体に影響を及ぼすことになるのです。
サラリーマンという立場であれば、会社に対し給与アップというのは当然望みます。
しかし、これが逆の立場になってみれば、どうでしょうか?
あなたがもし経営者の立場で、物価が上昇したからと言って簡単に給料を上げることができるのでしょうか?
では、具体的に今の物価上昇に対して、どのくらい給料があがれば従業員は納得できるのでしょうか?
2022年の消費者物価は2%の上昇とされています。これを基準にすると実質的な賃金アップとして望ましいのは、定期昇給込みで4%が必要となるわけです。
具体的な数値で言えば月給30万円のサラリーマンなら、4%は12,000円となりますから、毎月これだけの賃上げが必要となります。
年間で144,000の賃上げとなります。これが一人当たりの数値ですから、一律社員全員となると金額的には、かなりの額となるわけです。
給与が増えることにより会社負担は増えるのは当然です。
給与のみならず社会保険料も増加しますから、年間での人件費としては、一人当たり20万円程の負担増となるわけです。
実際に各企業において、これだけの賃上げは可能なのでしょうか。
人材不足の現代において企業にとっての人材というのは、非常に重要な資産となるわけです。
従業員の立場からすれば、この値上げに対して、生活に対しての負担が高まっているので、会社が何もしてくれないようなら、他へ転職するなど貴重な人材が流出してしまう可能性だってあるのです。
物価上昇というのは、企業にとっても人材面での影響があるわけです。
経営者にしても、従業員にしてもどちらの立場からも非常に難しいところがあり、すんなりと双方が納得できるように変えていくことは現実的には非常に難しいとされています。
そのような様々な事情から、近年、多くの企業が行ってきた手段としては、副業の解禁があります。
企業の副業解禁というのは、大小企業規模を問わずにOKとしている企業が増加しています。
その理由の根本としては、企業としては、賃上げするのは難しい一面があるので、その代わりとして足りない分は副業で賄ってくださいという意味なのです。
裏を返せば副業を認める変わりに、うちでは給料は上げられませんが、これまで通りうちの仕事はうちの仕事としてやってくださいよということになるわけです。
つまり、企業にとっては、自社の従業員をフルで雇うような体力はありませんよと宣言しているようなものなのです。
この考えも現代ビジネスを進める上では、非常におかしなところと、とらえられても仕方のないことではないでしょうか。
情報社会の世の中で、コンプライアンスなどの規制が厳しくなる一方、人材の様々な流入や交流があり、情報が流出してしまう可能性と、働き方改革という提唱の上で、企業を頼らず個人でなんとかしてくださいよと言っているようなものなのです。
雇われている側としては、物価が上昇したから、自分でなんとかしてくださいよと急に言われても実際には、どうしていいか?困惑してしまうのは、致し方ないことなのです。
企業が今後も安定した経営を続けていくためには、このような選択が決してベストな決断かどうかは、まだわかりません。
ですが考えようによっては、賃上げもしない、副業も認めないというよりは前向きに考えられるのではないでしょうか。
もちろん全ての企業が副業OKと認めているわけではなく、どちらも駄目だよという企業も存在します。
働き方改革という名目が、とり方1つでよくもあり悪くもなり得るわけです。
このような状況になると、確かに働き方の自由度は高まり、多様化と柔軟性を生み出すことはできるかもしれません。
しかしながら、このような変化は個人の判断に大きく委ねられることになります。
一億総フリーランス化と言われる、そんな時代へと変っていくことになりますが、副業解禁となり積極的に動ける人もいれば、会社に依存し何もできないという人もなかには、いらっしゃいます。
物価上昇で苦しくなる庶民と賃上げしない企業の現実③【給料が上がらないならどうすればいいのか?】
「物価上昇で苦しくなる庶民と賃上げしない企業の現実」というテーマで3つ目に取り上げるのは「給料が上がらないならどうすればいいのか?」です。
現実的には、物価上昇によりダイレクトに家計を圧迫していることに対しては、死活問題ととらえられてもいいでしょう。
賃上げ可能なら減税の恩恵を受けることができますが、減税目的での賃上げは、考え方化が少し違います。
財政的に賃上げが難しいなら無理して賃上げする必要などありません。
しかし企業としては、高まる物価の現況を鑑み社員の家計のこともしっかり考えることは必要なのです。
これを何も考えない企業は、結果的に人材流出となり、企業としての体力を結果的に失うこととなります。