「デカ盛り」と聞いて、皆さんは何をイメージしますか?
デカ盛りということだけで、その店舗の特徴となり、話題になるようなお店が存在しますが、はたしてそれで経営はそれで成り立つのでしょうか?
というわけで今回は「飲食店の経営戦略!デカ盛り戦略の仕組み」について詳しく説明致します。
飲食店の経営戦略!デカ盛り戦略の仕組み①【ビジネス的に見るデカ盛りの特徴】
「飲食店の経営戦略!デカ盛り戦略の仕組み」というテーマで1つ目に取り上げるのは「ビジネス的に見るデカ盛りの特徴」です。
世の中には、ありとあらゆる物が存在している一方で類似品も非常に多いのが特徴です。
消費者の立場からすれば、多くの物から選び放題という利点もありますが、選びにくいという難点もあります。
売る側としては、消費者から選んでもらうためには、他との差別化を行いたいものです。
様々なビジネス手法が存在しますが、同じ物を売るにしても、見せ方1つ、売り方1つで結果は全く変わってくるのです。
そういう意味での見せ方、売り方の違いというところで、今回、注目するのが「デカ盛り」のお店です。
テレビやイネットでも時折、話題となる「デカ盛り」。近年では、この言葉そのものも非常によく耳にするようになりました。
これだけ多く耳にするということは、デカ盛り店は意外にも多いということになります。
デカ盛りと言えば、やはり圧倒的なポリュームであり、お皿からこぼれんばかりの圧倒的な量が特徴です。
その「盛り」の良さに食べる前に写真に撮りたくなるようなビジュアルと存在感があります。
ある意味「映え」ているわけです。
これも飲食店の見せ方、売り方の1つなのです。
しかし、どうしても気になるのが、こんなにデカ盛りの料理を提供して、お店としては、経営は大丈夫なの?採算は取れるの?と心配になってしまうほどなのです。
デカ盛りという盛りの良さに通ずるのは、コスパの良さということがあります。デカ盛りという割には、金額的には良心的で、その量に見合っていないほど、お得感がデカ盛りの店にはあるのが事実です。
ある意味「飲食店」が1つの個性、コンセプトを打ち出すには、非常にわかりやすくインパクトが強いのが「デカ盛り」というわけです。
奇しくも近年の飲食業界全般は新型コロナの影響で、苦境に立たされており、非常に厳しい状況となっていました。
生き残りをかけて、あの手この手で様々なサービスをはじめるお店も数多くあります。そのような状況の中、他との違いを出す上でも「デカ盛り」というコンセプトは、非常に顧客に対してわかりやすいアピールと言えるのです。
しかし、その一方では、「デカ盛りメニュー」にすれば、必ず売れて繁盛店になるかと言えばそうでもありません。
そもそもいくらデカ盛りがお得で、見た目にも凄いと言っても、皆が皆、足を運ぶことはないのです。
食べざかりの若い男子なら、デカ盛り店は十分行く価値のあるお店ですが、女性や高齢の方になると、少食やそれほど量を食べられない方は、わざわざデカ盛り店を選ぶとは限らないのです。
飲食店の経営戦略!デカ盛り戦略の仕組み②【マーケティング的デカ盛の観点】
「飲食店の経営戦略!デカ盛り戦略の仕組み」というテーマで2つ目に取り上げるのは「マーケティング的デカ盛の観点」です。
では、「売る」という観点から、「デカ盛り」を分析した時の繁盛店になるための「デカ盛り」店の共通点とは、いったいなんでしょうか?
まず、魅力の1つとして上げられるのが「写真映え」するということです。
飲食店であれば、まずは「味」や「質」といったところが評価されそうですが、デカ盛りの場合は、やはり強烈なインパクトを残す「見た目」なんです。
「デカ盛り」と謳っているだけに、まずは圧倒的な迫力とボリューム感というインパクトが必要なのです。
普通のお店や一般家庭では、まず出てこない量の見た目が大事なのです。写真映えするという、まずはビジュアル面が与える影響は非常に大きいのです。
料理というのは、味や香りだけでなく、目で見て楽しむという楽しさも当然あります。
見た目に非常に美しく食べるのが勿体ないような料理もあれば、すぐにでも食べたいツバが出るほどの料理もあります。
そういう意味でも、料理というのは、ビジュアル面という点からも見せ方1つで、集客に大きく関わってくるのです。
金魚鉢いっぱいのパフェや、丼からはみ出す、カツ丼、天丼、いくら丼や、巨大なラーメンなど、様々なデカ盛りがあり、とにかくインパクト大なデカ盛りならではの料理が実際に存在しているのです。
例え、カメラを通したとしても、そのダイナミックさは十分伝わるものとなっています。
SNS全盛の時代に強烈な見た目のインパクトは、すぐに情報拡散するというメリットもあり、瞬く間に話題のお店となるケースもあるのです。
これが「デカ盛り」店の経営術の凄さで、デカ盛りそのものが話題となることによる集客、宣伝、マーケティング効果があるというわけです。
次に見た目の他にあるのが、やはり「ボリューム感」となります。
本当に食べきれないほどの誰もが驚くほどのレベルの量がなくてはなりません。
中途半端な大盛りでは、デカ盛りとは呼べずインパクトが薄くなってしまいます。「デカ盛り」店としてお店を売り出そうとするなら、決して中途半端にはやらず、躊躇なくデカ盛りにすべきなのです。
インパクトや話題性を考えるなら、とことんデカ盛りに徹するべきです。でなければ、やる意味がありませんし、インパクトにを与えることはできません。
商品開発という点において、まずは「インパクト重視」ということであれば、デカ盛りメニュー考案時は、余計なことは一旦頭から除外しメニューを考えてみます。
原価率の高さや、顧客が食べ切れるかどうかなどは気になるところもありますが、一旦それらは、頭から外すことが割り切りという意味では大切なのです。
「デカ盛り」は、良い意味で顧客の期待を裏切ることにありますし、顧客も予想を遥かに上回るほどの圧倒的な迫力が必要となります。
「デカ盛り」という大コンセプトによって一本筋が通っているわけですから、キャッチフレーズ自体も「デカ盛り」を明確に現した具体的な表現を入れます。
特にわかりやすくアピールするには、「重量○○kg」など明確に数値を示すことにより、具体的なイメージを顧客に与えることができるのです。
デカ盛りメニューは、単なる冷やかしだけではなく、実際に顧客に足を運んでもらい食べてもらわなければならないのです。
いかにも重そうだけど、食べてみたいと思わせるのが肝心になるのです。
デカ盛りメニューは、様々な工夫や戦略的にアピールすることになります。
飲食店の経営戦略!デカ盛り戦略の仕組み③【デカ盛りで経営が成り立つ理由】
「飲食店の経営戦略!デカ盛り戦略の仕組み」というテーマで3つ目に取り上げるのは「デカ盛りで経営が成り立つ理由」です。
「デカ盛り」というのも1つのトレンドとなりますが、いつから、「デカ盛り」と言われるようになったのでしょう?
今ではすっかり「デカ盛り」という言葉も定着していますが、キーワードとして生まれたのは2000年代となります。
キーワードの代表としてマクドナルドの「メガマック」です。
マクドナルドならではの、ファーストフードマーケティング戦略と言えます。「メガ」というキーワードをメジャーにしたキャッチフレーズとしては、時代にマッチした形となりました。
デカ盛りの特徴について触れてきましたが、やはり「デカ盛り」は、人々の興味を強くひくような魅力あるものなんです。
魅力!が増せば増すほどにデカ盛りメニューの原価率は高くなる傾向にあるのです。
デカ盛りメニューの中には原価率100%超というのも実際に存在するのです。
ということは、つまり利益は全くないわけです。つまり、赤字まっしぐらとなるわけですが、それでも利益が出ているというなら、何かカラクリがあるのではないかと勘ぐってしまうのが普通です。
デカ盛りメニューを支えているその理由とは、「リピーター」の存在なのです。
リピーターを生みだす力がデカ盛りにはあり、そのため客足が途絶えることはないからです。
また口コミによる集客ということもあり、広告費がかからないこともデカ盛りならではの特徴的と言えます。