様々なモノが値上げしている中、値上げの対象となるのは、物理的な商品のみではなく、電力やガスといったエネルギーも値上げの対象となっています。
というわけで今回は「電力、ガス。エネルギー業界のマーケティング戦略とは」について詳しく説明致します。
電力、ガス。エネルギー業界のマーケティング戦略とは①【業界の現状】
「電力、ガス。エネルギー業界のマーケティング戦略とは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「業界の現状」です。
値上げラッシュとなった2022年。
私達一般消費者を取り巻く状況というのは、非常に厳しくなっています。
そんな中、今年の夏は全国的な猛暑であり、エアコンなしでは過ごせない日々か続きました。
特に夜になっても気温は落ちず熱帯夜が続く状況であり、電力圧迫などが大々的に報じられました。
電力が圧迫するほどニーズがあれば、当然、電気料金もそれなりにかかるわけですが、電気料金そのものも高まり、消費者としては金銭的にも冷や汗をかくような、また違った夏となりました。
電力、ガスというエネルギー産業は私達の生活にとっては欠かすことのできないものであります。
そんな中、エネルギー業界でも非常においても、近年では大きな変化が起こりました。
それが「自由化」です。
電力においては、2016年4月に電力小売全面自由化
ガスにおいては、その翌年、2017年4月にガス小売全面自由化となりました。
これにより電力、ガス業界共に非常に激しい顧客獲得競争がはじまったのです。
ある意味、これまでの電気、ガス業界と言えば、限られた範囲の中でしかニーズはありませんでした。
しかし、自由化をきっかけとして、これまでとは全く同じというわけには当然行かず、顧客に対して向き合う上では大きく意識を変えざるをえませんでした。
これまでは、ある種、独占的な業界であったため、ダイレクトにマーケティングを意識するということなどは、業界的には非常に少なかったのです。
しかし、ここに来て電力、ガス業界においても中長期的な視点から戦略的に顧客と接する姿勢が求められます。
生き残るためには、積極的に顧客獲得を行うべきであり、新規顧客開拓とだけではなく、既存顧客の解約や他社への乗り換えなどを検討していく必要性があります。
ここで意識すべきなのは、LTV=Life Time Valueです。
LTVとは、顧客生涯価値です。このLTVを最大化することこそが必要とされているのです。
電力、ガスという日常生活に不可欠なエネルギー資源ですが、そのような業界でさえも生き残っていくには、マーケティングが必要となるのです。
電力となると、これまては、東京電力や関西電力という巨大組織という旧一般電力事業者の独占状態だったことから、あえてマーケティング的考えに基づいての戦略的アプローチの必要さえ全くなかったのです。
それが、2016年4月の電力小売全面自由化により、これまで参入できなかった多くの企業が、一気に新規事業者として参入してきました。
既に一般企業では、マーケティングが必要不可欠であり売上をあげるためには、必要な業務として認識しており、各企業には、それなりのノウハウを持ち得ています。
顧客に対するニーズが何が必要なのかを十分理解していると共に、顧客自身が持ちうる価値観やライフスタイルに合わせる形でのサービスやプランが求められています。
選ぶのは顧客自身であり、売り手としての企業としては、いかに顧客に選んでもらうかが大事になるわけです。
電力会社や料金プランなど、数多くの自由な選択肢が顧客に与えられることになると共に企業がはたすべき役割も多用になったと言わざるをえません。
電力小売業として新規事業者は、全く電気関連と無縁という企業ばかりではなく、関連の強い企業も参入してきています。
新規参入組としては、住宅事業者、通信事業者、石油販売事業者というこれまでとは、全く異なる異業種もあれば、住宅事業者のように電気、ガスと住宅設備と関連している業種も存在しているのです。
新規事業者の特徴として、本来その企業が持ちうるサービスとのセット販売です。
これがこれまで電力、ガスのみであった独占業者どの大きな違いとなります。
差別化という意味では非常に大きな特色と言えるのではないでしょうか。
電力、ガス。エネルギー業界のマーケティング戦略とは②【消費者ニーズの把握】
「電力、ガス。エネルギー業界のマーケティング戦略とは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「消費者ニーズの把握」です。
小売業としては、消費者のニーズを把握するために最も重要とするところが購買行動です。
オンラインにしろ、オフラインにしろ顧客購買行動を把握することが、顧客ニーズを知ると共にコミュニケーションを保つ上では、かなりの近道となるのです。
顧客の購買行動というのは、何もモノを購入するというプラスの行動のみには限らないのです。
マイナスともとらえられる解約についても注視することが必要となるのです。
なぜなら申し込みにしろ解約にしろ、どちらであってもオンラインでユーザー自身が行えるからです。
オフラインでの対面接客以外にオンラインで完結できるようになったことは非常に大きいのではないでしょうか。
電話や店頭での対面によるリアル接客というのは顧客とダイレクトに接しコミュニケーションをとるのですが、コロナ禍という状況もあり、オフラインでの対応を継続的に行うことが非常に難しくなったからです。
オンラインでの顧客行動を把握するには、オンライン上の顧客行動をトラッキングすることにより迅速に把握することかできます。
顧客行動に変化が現れる予兆があった時に、企業においての各関連セクションとの連携をとり、協力しあい顧客フォローにあたれるような万全な体制を常に保つ必要性があるのです。
電話、メール、DMなどによる対顧客に対するフォローアップをできる限り、スムーズにそしてスピーディーに行うことによって、早期問題解決を図ることが可能性となるのです。
こうした対応は、顧客自身は敏感に察知するもので、その企業に対しての評価が高まり、不満は解消、解約という流れを防止することができます。
これは、逆に言えば、サービスや対応の良し悪しにより、他社とすぐに比較検討できる厳しい状況であるということがわかるのです。
電力、ガス。エネルギー業界のマーケティング戦略とは③【顧客へのアプローチ】
「電力、ガス。エネルギー業界のマーケティング戦略とは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「顧客へのアプローチ」です。
新規顧客獲得と同様に重要となるのが、既存顧客へのアプローチです。
集客を考えると新規顧客ばかりに目が行きがちですが、そうではなく、既存顧客に対しても継続的なアプローチを行うことが必要なのです。
既存顧客への継続的なアプローチは、質として高いものが要求さらることは、もちろんです。効果的なアプローチを行わなくては、意味はありません。
既存顧客への継続的且つ効果的なアプローチをすることによって得られるメリットとは、ロイヤリティの向上です。
前述したようにLTVの最大化を目指すことも可能です。
それだけでなく売上キープは最低ラインとし、売上拡大に繋げていくことさえ実現が可能となります。
顧客の購買行動を把握する上でポイントとなるのは、購買履歴となります。
購買履歴を分析することにより、より詳細な顧客一人一人によって異なる購買行動を理解することができます。
顧客単位でのニーズにマッチしたプランやメニュー、料金体系などを提供することによって顧客とのマッチング度を高め、顧客単価そのものを向上させることに繋がっていきます。
既存顧客のロイヤリティそのものが向上することにより、影響を及ぼすのは、新規顧客の開拓です。
既存顧客自身が評価する内容を口コミなどにより、積極的に情報発信されるという効果も期待できます。
口コミ効果というのは、非常に大きく新規顧客開拓に確実に繋がっていきます。