マーケティングを知るためには現状をしっかりと把握する必要があります。
近年の日本社会は多くの問題を抱えていますが、その内、企業にとっての人材確保は重要な課題となっています。
今回は、企業経営問題として人材流出をいかに防いでいくかを考察していきます。
垂直型の日本企業の体質
マーケティングの材料となる日本経済を支える要素が企業、雇用、ライフスタイル、時代の価値観、ネットやSNSでのトレンドです。
そんな中、日本社会の問題とされ、徐々に表面化されてくるのが人口推移の問題です。人口減少による労働生産性の減少が懸念事項として取り沙汰されています。
人口減少は、GDPなどへの影響へも繋がることとしてとらえられています。人手不足と共に深刻なのは、企業における人材不足も叫ばれています。
そんな時代背景ということもあり、近年多くの企業が人材確保に注力していますが、それだけではなく、今いる人材の有効活用、更には人材流出防止をも考慮しているのです。
人材確保も難しい時代でありながら、人材流出という課題を抱える企業側の対応策と問題点とは、いったい何なのでしょうか?
なぜ、企業から人材は流出するのか?まず手始めにそのことから考える必要があります。特に今、大企業などの人事に携わる仕事をしている方は、お悩みのことなのではないでしょうか。
人材流出になる理由とは、企業体質そのものにあります。基本的に多くの日本企業は同じような体質となっており、考え方や構造、制度そのものも、今の時代にそぐわないような旧来的な体質となっているのが現状です。
日本企業の体質とは、垂直型と言われるトップダウン形式です。つまり上層部の命令には絶対服従なのです。サラリーマンの方なら、身にしみてご存知のことかと思われます。
経営者である企業の上層部は、経営戦略をたて実行し企業の利益となるより良い判断をするのが重要な仕事です。柔軟でグローバルな考え方や広い視野を必要とされる現代ビジネスですが、今だに旧体質の日本企業というのは、実は多数存在します。
企業で働く労働者の立場からすれば、現在、正規雇用だとしても終身雇用の時代は既に終わっています。会社にしがみつくのにこだわる人々ばかりではないはずです。
人材流出の理由
トップダウン形式の企業体質だとしても、かつては企業に留まり企業内での昇進に注力し企業内に留まるのを良しとするような時代もかつてはありました。しかし、現在はそのような時代ではありません。
これだけの情報社会となった現代ではビジネスのスピードも加速しており、ネット上には様々な情報が溢れています。
雇用される側としても転職するには、非常にやりやすい環境となっています。ITの得意とするところに人と人とのコネクトを簡単に実現できる環境が、良い人材をより自由に仕事を選択させる時代となっているのです。
つまりスキルや技術の高い人ほど、現在の世の中では重宝されるというわけです。
現実的にドライな見方をすれば、企業から飛び出してそれなりに出来る人と、そうではなく会社に留まる人は、それなりだという言い方もできるのです。
垂直型体質である企業体質には枠組みがあり、組織のルールや枠組みの中で生きていく必要があり自由はありません。
しかし、優秀な人材は、その逆で自ら考え行動する能力がある為、自由を求めます。その方が自分自身を高めるのには有効だとわかっているからです。
そのようなことから、優秀な人材流出が起こるというわけです。
大企業の空洞化を補填するプロジェクトパートナーの存在
特に今、大企業では人材の空洞化とも言われています。現在の大企業の役割としては、いわゆるマネジメント業務が仕事の大部分を占めており、大企業の人材だけでは実質、業務を遂行できない事実もあるのです。
つまり実際に実務を行う技術者の不足や不在という自体になっているのです。その為、大企業には、業務を遂行する為のプロジェクトパートナーの存在が不可欠となっているのです。
そのような現状から実は大企業の価値とは、どれだけ優秀なプロジェクトパートナーを多く抱えているかによって違いが現れていると言っても過言ではありません。
そのプロジェクトパートナーの中には、企業に属さずフリーランスとして働く技術者やスキルを持ち合わせた人材が多数存在しており、大企業とプロジェクトパートナーの結び付きはしっかり存在し、互いに補間しあっている状態としての関係が保たれています。
このように業務を遂行する為に結果的には、上手く循環できている事実があるというわけです。
このような時代を迎え、企業としては垂直型の古い体質を捨て平行型の体質へと早急に移行する必要があります。