消費者ニーズの多様化が進む時代において、商品やサービスを提供する側である企業の顧客に対するアプローチが変わりつつあります。
様々な業界の自由化による影響は、消費者にどのような影響を与えるのでしょうか。
というわけで今回は「変わる業界、自由化による消費者へのアプローチの変化」について詳しく説明致します。
変わる業界、自由化による消費者へのアプローチの変化①【業界の現状】
「変わる業界、自由化による消費者へのアプローチの変化」というテーマで1つ目に取り上げるのは「業界の現状」です。
多様化が進む消費者ニーズ。
企業は、そんな様々なニーズに応えようと、日々、努力してるわけです。
様々な商品やサービスが存在する、今、ビジネスにおける差別化というのは、非常に難しく捉えられているところもあります。
厳しい競争社会の中で、企業が安定した経営を行い継続していくために、様々な企業が消費者に対してのアプローチを行っています。
消費者との接点を作るという意味でも、消費者へのファーストアプローチやマーケティング手法も、時代のニーズによって様変わりしています。
そんな中、近年、様々な業界における「自由化」が行われています。
「自由」というと、これまで取り決められていたルールや制限が撤廃されることになるわけです。
ビジネスとしての自由化は非常に大きなチャンスを生み出すと共に業界としての可能性を大きく広げていくことになります。
自由になったということは、何もこれまでと同じようなアプローチを行う必要などもないわけで、新たな戦略や消費者へのアプローチを行えるというわけです。
新規事業者にとっては、またとないチャンスであり、既存業者にとっては、新規参入組との競争となるわけです。
このように自由化がもたらすメリットは、業界全体の活性化させるものです。
業界における自由化として、近年、大きな動きがあったのが「電力自由化」です。
電力自由化とは、旧一般電気事業者により独占されていた家電力小売が全面自由化さたことです。
この自由化は法律の改正によるものが発端となるわけで、これまで独占的だった業界をよりオープンにし、業界そのものを活性化させていこうという狙いです。
2016年4月に全面自由化されると、様々な業種の企業が電力販売事業に参入してきたのです。
消費者としては、これまでより非常に多くの企業との契約が可能となり、様々なサービスを受けることができるようになりました。
地域の枠を超えてのサービス提供を受けることができるようになったのも非常に大きく影響しています。
変わる業界、自由化による消費者へのアプローチの変化②【業界の課題と対策】
「変わる業界、自由化による消費者へのアプローチの変化」というテーマで2つ目に取り上げるのは「業界の課題と対策」です。
電気販売においても、家庭向けの業者や企業向けの業者というのがあるわけです。
例えばガス会社や石油元売りというエネルギー関係の企業などがあります。
新電力事業者としては、様々な企業が参入しており、旧一般電気事業者としても、これまでと同じ戦略とはいかないわけです。
顧客としては、どの企業と契約すべきなのかというのが問題となるわけですが、電力そのものの供給について違いが出るかと言えば、そういうわけではありません。
停電しにくいだとか、しやすいとか、電力供給が不安定になるということは、契約会社が違うからと言って全く問題はありません。
送電網としては、同じものを使用するわけで、電力会社やプランによって受け取る電気の品質が違うということはありません。
また電線、電柱の故障対応は、送電会社が行っていますから、こちらも契約先によってサービスの質が異なるということもないわけです。
このように考えると電力自由化というのは、非常には、いくら自由化になったとは言え、電力を供給してもらうというサービスそのものに関しては、全く違いはないわけです。
では、どういったところで他者と差別化を図るがポイントとなるわけです。
顧客としては、様々な企業の多くの料金プランから、自分自身のライフスタイルや価値観に合ったものを選ぶことができるのです。
電力小売業者としては、電力エネルギーの供給そのものというサービスのみではなく、どれだけお得に電気が使えるのかを検討していくことになります。
これまでよりも、お得に電気が使えるならばということで、利用者としては、どの企業がよいかを比較検討していくことになります。
どこの電力会社を選ぶのかは、自由になるわけですから、例え関西に住んでいても、東京電力と契約することは可能となるわけです。
サービスや電気料金プラン自体は、多様化が進んでいくわけですが、根本的なサービス提供の品質である、電気のクオリティは全く関係ないのです。
料金プランが安いからと言って、電力が弱いとか供給リスクがあるなんてことは、全くないのです。
消費者として誤解しないようにすることは、あくまで電気の質の違いは一切ないということで、これまでとなんら変わりないということです。
安心感という意味では全くないわけで、あえて電力会社を見直す必要もないわけです。
考えてみれば、電力は、現代人なら当たり前に契約しているわけですが、電力の質については、それほど意識することなどないのではないでしょうか。
そもそも消費するだけの電力の質の良し悪しというのも、素人では判断することもできないでしょうし。
電力自由化と言っても、各企業が電力を発電し供給しているわけではありません。
自由化されたのは発電と販売、この2つなのです。
送配電線自体は大手電力会社であることは、なんら変わらないのです。
実質、電力自由化と言っても、表面的なものだったりするのです。
自由化における公平性や透明性というのは、十分確保されているのです。
また発電方法として注目されているのがエコ発電です。
風力、太陽光、水力、地熱という自然エネルギーを活用したエコ発電が利用者からの強い関心を集めています。
地球に優しく安全で、環境破壊に繋がらないインフラ整備に強く好感を受ける方が多く、そのようなエコ事業を積極的に行う事業者が増加傾向にあるのです。
変わる業界、自由化による消費者へのアプローチの変化③【顧客活性化】
「変わる業界、自由化による消費者へのアプローチの変化」というテーマで3つ目に取り上げるのは「顧客活性化」です。
国内の全販売電力量の内訳を見ると電力自由化以降の新規参入組の割合は、約17.8%という数字が出ています。
この結果を見てもわかるように、新規参入したとしても非常に厳しい現実があることが、おわかりいただけるのではないでしょうか。
結局のところ利用者としては、いくら電力自由化が積極的に情報発信されたとしても、よほどのメリットがあると感じる以外は、既存のままの契約で、なんら問題はないと判断しているということになるのではないでしょうか。
前述したように、電力そのものに対しての供給サービスとしては、なんら変わりはないわけですから、実感を感じるということは、意外と少ないのかもしれません。
そうなると、いくらメディアが電力自由化を謳ったとしても、顧客としては、契約を見直すまでのメリットは感じられないというのが正直なところではないでしょうか。
「電力自由化」という言葉そのものが独り歩きしているようにも受け止め方によっても感じますし、実際のところサービス内容は確かに異りますが、それほど大きなサービスの魅力があるかどうかというと微妙なところとなるのではないでしょうか。
契約会社によって極端に料金が安いというのならば顧客も集中しますが、実際のところ、それほど大きな料金プランの違いはありません。
他社より少しでも安いならば、長い目でみれば差は大きくなりますが、若干の違いでは顧客としては、ピンとこないもうなずけます。
利用者側としては、電力自由化に対しては、十分認識しているほど、認知度向上もしています。
一般家庭向けの新電力については、新規参入業者が多く、首都圏一極集中化が高まり、人口の多い大都市圏での電力会社の切り替え率は高まっています。
顧客活性化という意味では、今回の電力自由化は、それなりの効果はありますが、将来的な顧客の動向に関しては引き続き注意が必要となります。