日本におけるスポーツビジネスの中で着々とその地位を築いてきたJリーグ。1990年代より現在まで、その規模を拡大するJリーグのビジネスモデルと経営戦略について徹底解説しましょう。
サッカー文化の発展とJリーグの魅力
来年開かれる東京オリンピックというビッグスポーツイベントを控え開催地である日本は既に大変な盛り上がりを見せています。
その前に今年は、ラグビーのワールドカップも行われます。ラグビーと同じように世界的規模て開催されるスポーツイベントととしてサッカーワールドカップがあります。
オリンピックと同じ4年に一度のインターバルで開催されるサッカーワールドカップは、国と国との威信をかけた真剣勝負ということから全世界から注目されます。
各国を代表する名プレイヤーが揃う戦いは、多くのサッカーファンを熱狂させます。サッカー日本代表も、1998年から昨年行われた前回大会までワールドカップ連続出場をはたすなど、ワールドカップ常連国となりました。
日本サッカーの歴史は、現在の状態になるまで長い歴史があります。代表チームのサッカー人気が高いのも、日本サッカーのプロリーグであるJリーグの存在が非常に大きいのです。
日本のプロスポーツとしては、野球に次ぐ本格的プロリーグの誕生でした。Jリーグ開幕したのは、1993年。当時は全10チームでスタートしたのです。
リーグ開幕当初から段階的なスケールアップの計画があり、時を経て、その計画が進行した結果が現在のリーグの形となっています。
現在のJリーグは、チーム数、カテゴリ共に開幕当初に比べ順調にその数を増やしていきました。
現在は、1部、2部、3部の3つのカテゴリが存在し、毎年成績によってカテゴリの入れ替えが行われるというシステムです。
チーム数は、J1リーグ18チーム、J2リーグ22チーム、J3リーグ18チーム、合計48チームとなり開幕時より実に5倍近くに規模が拡大したのです。
これは、当初のJリーグの中長期化計画に基づくもので、しっかりとした経営戦略計画に準じて進められました。
Jリーグのビジネスモデルとは?
エンターテイメントとしとのプロスポーツの中でプロサッカーと言えば、ヨーロッパとなります。ヨーロッパの各国はプロサッカーリーグとしての歴史も長く、世界中から勇名選手が集う場所です。
世界のサッカー界をリードするのが、ヨーロッパとなります。世界的に有名でファンも多いビッグクラブもいくつか存在します。
現在は、ネット環境の整備によりトップクラスの欧州リーグの試合もライブ配信で試合を見ることができますので、日本でも海外リーグを好むサッカーフリークが実に多いのです。
それほど、ヨーロッパのプロサッカーも日本1人にとっては、身近なものとなったのです。その影響の1つとして日本人選手の海外移籍があります。本場のトップリーグで日本人選手が活躍することによって人気が上がるのです。
有名日本人選手が所属するチームの地域には日本人の観光客が増加したりユニフォームの売上も伸びるなどマーケティングの面から見ても有効なのです。
つまり世界のプロサッカーリーグは、自国だけでなく世界に向けてアピールすることが重要なこととなります。
Jリーグが発足した当時は、既にヨーロッパのサッカーリーグのビジネスモデルは完成していました。その為、Jリーグは海外のサッカービジネスモデルをお手本としてリーグを企画、構築していきました。
海外のビジネスモデルを成功事例を「輸入」することで、発展を遂げたというわけです。
Jリーグのビジネには、欧州モデルと米国モデルが混在していると言われています。
「DAZN」の参入による迎える今後の経営戦略
Jリーグに大きな影響を及ぼしたのは「DAZN」の参入です。動画配信サイトの「DAZN」との巨額な契約によってJリーグの価値観を高めることが可能となったのです。
Jリーグは順調にチーム数を増加させたものの各チームの経営は非常に厳しいものがありました。存続が危ぶまれるなど赤字のクラブもいくつかこれまでに存在しましたし、実際に消滅してしまったチームもありました。
そんな中2100億円という巨額の放映権料を獲得した、Jリーグは、世界的サッカーリーグブランドを作り上げるだけの豊富な資金を手に入れたのです。
DAZNの参入により各クラブへの恩恵も相当なものがあります。優勝賞金は2億から3億円へ、均等分配金が1.8億円から3.5億円へと軒並みスケールアップするなど、各クラブの運営強化においては、願ってもないチャンスとなったのです。
この資金力を元に各チームは、海外の有名選手を獲得することができ、チーム力を高め、チームとしてのブランド力を作ることが可能となりました。
このようなことから、まだまだ発展段階のJリーグは、様々な取り組みを行い、欧州のトップリーグを目指しアジアから世界に向けて、今後進んでいくのです。