介護とマーケティング。この2つのキーワードは、あまり結びつかないイメージもありますが、実は関連性が強いのです。
昨今、介護事業のニーズが高まる一方、経営はなかなか厳しいものがあります。
というわけで今回は「選ばれる介護事業者になる為のマーケティング手法」について詳しく説明致します。
選ばれる介護事業者になる為のマーケティング手法①【介護事業の難しさ】
「選ばれる介護事業者になる為のマーケティング手法」最初のテーマは「介護事業の難しさ」です。
少子高齢化問題。日本が抱える社会構造の変化による乗り越えるべき課題となっています。
高齢化が加速する現代、様々なことが変化していますし、これから更に大きな変化が見込まれるでしょう。
つい最近も、定年70歳までに延長という明確な方針を打ち出したというわけです。高齢と言えども元気な人は、働き続けなさいというわけです。
高齢者の方も、元気であれば仕事をし社会貢献をしたいという方も多数いらっしゃいます。そうなると、人生というのは、それほどゆっくりできるものではなく、慌ただしい人生を過ごす方が大半なのかもしれません。
しかし、皆が皆元気で働き続けられるわけではありません。一方で介護なしでは、生活できない高齢者も多数いらっしゃいます。
そんな現状で介護事業の必要性は相当高いのです。街のいたるところに老人ホームやデイサービス事業者が存在していることに気がつくことと思われます。
そして介護事業者の増加は、予想以上に増加しています。競合他社の多い介護事業の現状は、過当競争が原因による業績悪化により倒産する事業者も存在しています。
ニーズが高い業界であることから新規参入する事業者が今尚多いのですが、参入まもない中小規模の事業者の経営は厳しいものがあるのが現実です。
新規事業者もある一方で倒産件数も増加しているのです。この倒産件数は、今後も増加していく予想がたっています。
そんな厳しい介護事業業界ですが生き残りをかけて、他社とは違う独自のサービスを模索するなどして企業努力に努めている事業者も多数います。
そのような施策を行っても経営を続けていくのは、難しいのです。
介護事業というのは、差別化が難しい事業でもあるのです。独自性の高いサービス提供を模索する事業者も多いのですが、サービス内容自体既に出尽くし感がある為、新たな戦略を生み出すことは難しいのです。
そしてターゲットが高齢者ということで明確になっていることも要因です。介護とは、ある意味スタンダードなものであり、トレンドは必要とされないのです。
違いを生み出すサービスと言えば、介護以外の面での差別化です。高齢者に生きる喜びを感じてもらう為のレクリエーション、イベントなどを積極的に行なう事業者も存在しますが、これも今ではどこの事業者も行っていることです。
そもそも「介護」という事業を行なう場合は、ビジネスとして行なうことより社会貢献としての意味合いが強いのです。
高齢者を支援したいという事業者が多いのですが、経営する以上ビジネスではあるので、続けていく為には、経営という厳しい現実と向き合う必要もあるのです。
ニーズの高い介護事業と言えども、競合他社がひしめく現状の中で、利用してもらわなければ意味はないのです。
それでもニーズの高い介護事業には、大手企業も参入してくるのですが、その大手の経営手法によってどうしても影響を受けるのは中小企業です。
経営戦略と高齢者をサポートしたいという支援の思いが合致してこそ介護事業者としての存在価値がそこにあるのです。
介護事業の問題の1つとしてニーズはあるにも関わらず、利益を出すのが難しいという一面があります。
では、なぜ利益を出すのが難しいのか？それは高まるニーズの中、急増する介護事業者の数による影響で、競争が激化しているからです。
あまりにもハイペースな事業所増加により、需要と供給のバランスがとれていないのです。
確かに高齢化社会の日本ですが、高齢者の増加を遥かに上回るほどの勢いで、介護事業は増加しています。これは、近い将来を予測しての動きでもありますが、介護事業者は、今のところ満たされているということになります。
実際に高齢者の数は増加しています。しかし、その高齢者全ての方が介護が必要かと言えば、そうではありません。
特に倒産した介護事業者は、小規模事業者がおよそ6割を占めています。
5人以下で運営する小規模事業者の継続は、経営的にもサービス継続的にも体力的にも非常に厳しいものがあるのです。
そして、決定的な理由となるのは、利益率が低いことです。継続することも収益を上げることも難しく、競合他社も存在する非常に厳しい現実がそこにあるのです。
選ばれる介護事業者になる為のマーケティング手法②【共感マーケティング】
「選ばれる介護事業者になる為のマーケティング手法」２つ目のテーマは「共感マーケティング」です。
ニーズが高いからこそ、新規参入も後をたたず、介護事業者が増え続けたことで、競争を激しくさせている介護事業は確かに難しいビジネスと言えます。
しかし、社会的にはニーズの高い事業であることは、間違いありません。
そんな中、この先もさらに厳しくなる介護業界を存続会社させる為のマーケティングがあります。
それが「共感マーケティング」です。
「共感マーケティング」は、介護事業特有のマーケティングと言える手法です。
共感とは、組織や理念など利用者からの共感を得ることによりサービスを理解してもらうというマーケティング手法です。
「共感」ということから、大切なのは「想い」となります。人に理解されてこそ存続は可能となるのです。
実際に「共感マーケティング」を導入した事業所では、高い稼働率を実現し安定した営業を行っています。
「共感マーケティング」は、実際に高齢者を現場でサポートする介護スタッフの働き方をも改善させたのです。
介護をする者と、される者との信頼関係が生まれることにより結果的には、事業所全体の評価を高める結果となっています。
介護という仕事は、人の気持ちや想い、感情に左右されるもので、全てを数値化して見ることが難しい仕事でもあります。
理解は、共感を呼び、共感が感動に変わります。そうした「共感マーケティング」が介護事業の支えとなるのです。
選ばれる介護事業者になる為のマーケティング手法③【利益と集客】
「選ばれる介護事業者になる為のマーケティング手法」３つ目のテーマは「利益と集客」です。
事業として継続する上で必要なのが、利益と集客です。競合他社の多い介護事業において利用してもらわなければ意味はありません。
介護事業者が提供するサービスは、利用者にとって満足感をいかにして与えられるかということです。
介護には専門的な知識と設備も必要となり、それぞれにコストもかかります。
その為には、利益はどうしても不可欠です。安定した運営をしていく為の体力と品質の高いサービスを提供していくことは基本です。
介護事業の本質は、利用者に対しての満足度とダイレクトになっていますが、それと同時に利益をいかにして上げていくかを考える必要があります。
介護事業は、事業であることから利益を出すことは必要ですが利益を出すためだけが目的ではないというのが介護事業の本質です。
介護事業者の弱点とも言えるのが「集客」なんです。介護のノウハウはあっても集客となるとノウハウを持ちえていない事業者が数多く存在しています。
特に小規模事業者については、サービスそのものを行なう最低限のスタッフのみで運営を行っているという現状があります。
小売店などの店舗を経営している方であれば、集客については、日頃から悩みの種であるところであり経営者としては業績を左右する上で考えなければならない点となります。
「集客」をする為には、やはりノウハウが必要です。マーケティングについても同じことが言えます。
小規模事業者は、人材や人件費の問題で営業やマーケティング担当のスタッフを加える余裕は、実際には、それほどないのかもしれませんが、それなりのノウハウのある専任のスタッフを最初から確保するほうが効果的だと言えます。
利用者が満足を得られる介護事業者である前に、その介護事業者の存在をまずは知ってもらうことが大切なのです。