2020年。全世界を巻き込んだ事態となった新型コロナウイルスの猛威。
我が国日本でも感染者が増加し緊急事態宣言が発令されました。
というわけで今回は「緊急事態宣言とマーケティング」について詳しく説明致します。
緊急事態宣言とマーケティング①【歴史的な事態に対するマーケティング】
「緊急事態宣言とマーケティング」1つ目にふれるのは「歴史的な事態に対するマーケティング」です。
2020年と言えば「東京オリンピック」開催の年でした。しかし、それもすっかり忘れるほどの事態となってしまいました。
全世界を巻き込んだ新型コロナウイルスの影響です。
我が国日本でも2020年4月7日に史上初となる「非常事態宣言」が発令されたのです。
これまでに前例のない事態だけにサンプルとなるデータなども皆無、さらには今回の事態の根源となっている新型コロナウイルスに対しても未知となってることから、現実は全て予測の上に成り立っているのです。
非常事態宣言の発令を待たず、関係各所や市場では、既に反応しはじめており、2020年4月の時点で、まだ日本国内では感染のピークは迎えていないことが現状です。
これまで日本で非常事態宣言はなされたことは、ありません。近年の大事件と言えば2011年の東日本大震災という大事の際にも、そのような宣言はなされませんでした。
しかし、今回発令された宣言により、ただごとではないことが証明されてしまいました。
経済に影響を及ぼすことは間違いなく、とれだけ多くの爪痕を残すのか、現時点では誰にも予測はつきません。
史上初となった緊急事態宣言ですが、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県が対象とれています。
国内の中でも感染者数にバラつきがあることにより地域が特定されていますが、その他の地域であっても日々、感染者は増加しています。
期間は2020年5月6日までの1か月間。これが長いか短いかは、わかりませんし、個人によって捉え方は様々でしょう。
とにかく何においても生命が第一優先ということ、そして医療体制の維持が課題っなっています。
マーケティング的に見れば、これまでおよそ1ヶ月という期間、経済を停滞させるような動きがなかっただけに市場の動向や不安定の種は尽きることがありません。
緊急事態宣言が発令される以前から既に自粛ムードとなったことから、市場、経済、暮らし、行動意識も徐々に変化してきた風潮がありましたが、ここにきて法的効力がある緊急事態宣言の発令により、より具体的な変化を様々なところで求められるようになっています。
今回の発令を受け、都道府県知事には、特別措置法で規定された様々なことが実施可能となったことは、大きな意味を持ちます。
権限としては、次のようなものがあります。
- 施設の使用制限
- 停止の要請・指示
- 飲食店の営業制限
このような権限を国から与えられたことはあっても、現時点では都市封鎖などはなく、経済が全く止まるということはないのです。
しかし実質的には、多くのところで止めざるをえないことも起こっているのが事実なのです。
学校などは休校、企業においては、テレワークが推奨されています。
しかし、テレワークそのものは、全ての企業が当てはまるわけではありません。
特に店舗経営されている方にとっては、運営と雇用の問題が切迫となっています。
特に飲食店やサービス緊急などでは、企業だけでなく個人で経営されている方もおり、商業的な打撃を受けているところも多数存在しています。
そんな中、今回の非常事態宣言により「飲食店の営業制限」は、経済に飲食業界全体に多大な影響を及ぼすことが必至で、既に現実に影響が現れています。
倒産や廃業という形になってしまったお店も存在しています。飲食店については、風評や自粛ムードの中、既に2月より売上が減少傾向がはじまっており、四半期での売上減少に耐えきれないお店が多数存在するのは、当然の結果でしょう。
自粛や営業制限を求める一方、国からの具体的な保証は現時点では何も示されていないわけです。これによって事態収束後も、飲食業界は、今の半数になるのではないかと言われています。
非常事態宣言も措置の必要がなくなった場合、緊急事態を解除となっているものの、その可能性は低く実際にその先は不透明なままです。
緊急事態宣言とマーケティング②【ニーズの違いとマーケティング】
「緊急事態宣言とマーケティング」2つ目にふれるのは「ニーズの違いとマーケティング」です。
ここまでで、現状の分析と緊急事態宣言が発令されたことによる影響について説明しましたが、今回の事態によりニーズが高まったものも当然あるのです。
マーケティングにおいても、今後のヒントになることが、多数存在しています。
こんな時だからこそ、時代の1歩先を読んだマーケティング分析を行うことが必要なのではないでしょうか。
今回の事態を受けニーズが高まった、いわゆるトレンドと言われるのが「医療関係」でしょう。
医療には、様々な器具や設備が必要とされます。そして最も必要なのは「人材」です。
様々な医療スタッフなくして成り立たないのです。今回の宣言措置も、医療現場の崩壊を回避させることが大きなテーマとなっています。
さらにマスク不足が申告な問題となっています。新型コロナウイルスの影響で2月に入ると同時にマスク不足が如実となり、ドラッグストアなどでの入手が困難となりました。
マスクが国内で入手困難となった要因としては、供給元の集中によるからです。
買い占め行動により一時、トイレットペーパーやディッシュペーパーなどの生活必需品も品薄とはなりましたが、十分な在庫があることから、市場での入手は可能な状態です。
これは国内生産によることから計画的な在庫供給が行われるからです。マーケティング的なニーズと合致しており、需要と供給のバランスがとれているからです。
しかし、マスクにおいての供給源は中国など外部に頼っていたことから、マスク不足となってしまいました。
同様に不足気味なのがトイレの便器です。こちらも中国や海外での生産が主流を占めているということで、商品が入ってこない現状がありました。
便器の納入遅れにより新築物件などの建築スケジュールへの影響が出始めているということです。
現代日本が抱える問題として少子高齢化があり、介護事業のニーズも高まっています。医療と同様、人が人を支えるサービスに対しさらにニーズが高まっていくことは間違いありません。
逆にニーズが低くなったのは、飲食業、宿泊業、観光業です。
事態が終息さえすれば、改善される見込みは高いのですが、それでも安全面などを考慮すれば、回復は緩やかに行われるものと思われ、時間をそれなりに要することでしょう。
緊急事態宣言とマーケティング③【終息後の先は】
「緊急事態宣言とマーケティング」3つ目にふれるのは「終息後の先は」です。
緊急事態宣言という、これまでにない事態となり市場やマーケティング、人々の価値観と意識の変化など様々なことが現れました。
事態の終息後は世界全体を通して様々な面での意識改革が行われるでしょう。
新たな時代に向けて新たなニーズが生み出され、マーケティングも変化してくるはずです。
マーケティング的には、たった今からその先を見据えて考えていく必要があります。
今後は何があるかはわかりません。そもそもマーケティングは計画的なものばかりではなく、柔軟に対応できるようにすることが大切です。
マーケティングリサーチ的にも、よりリアルタイムな状況を掴み、世の中のトレンドに迅速に対応していく必要が生じます。
さらにリスケジュール能力の向上が求められてくるでしょう。不測の事態に対応する為です。
マーケティングのパターンとしても、状況に応じた複数のパターンを検討していく必要があります。
さらに、リモートワークの必需性が問われるのではないでしょうか。企業については、バックアップ体制の強化とリモートワークの体制は必須とされるでしょう。
こうしたインフラ整備は今後、積極的に行われていくものだと思われます。
そして企業だけではなく教育現場においても、リモート学習の必要性は生じてきます。不測の事態となり通学できない場合、家庭での教育環境を整えることも必須と言えます。