日本社会は超高齢化社会となり、今後60代以上となる高齢層の比率が増加します。様々な問題を抱える日本社会で、人口推移の問題を抱え、企業や国は、どのように対応すべきか今回は考察してみます。
日本社会の高齢化問題
日本の人口比率は世界的にみても、かなり異例の状態となっています。昭和、平成、令和へと時代が移り変わっていく中で日本の人口推移も大きく変わってしまいました。
本の数十年前は、誰がこのような状態を予想していたでしょう。とは、言っても全く予想できていなかったわけではなく、ある程度は数年先を見据えてはいました。
しかし、現実にその予測通り、いやそれ以上となれば、問題は、より難しいものとなっていくでしょう。現在の日本は、世界のトップを行く長寿大国となりました。
そして長高齢化社会と言えます。ただ高齢化ということであれば、まだ問題的には、考える余地もありますが、それに加えて少子化、晩婚化、未婚化などが進んでいます。
少子化という現実は、数年後には問題点として表面化することは確実です。現在の高齢者が存在する中で、子供の数が少ない状態では、明らかに高齢者をサポートする人手が少ないということです。
少子化以前の問題として、危険なことは、未婚率の増加です。そもそも家族という形が成立しなければ、子供は生まれません。このような変化は、時代の移り変わりと共に変化した価値観や考え方の変化による影響が大きいのです。
高齢化社会の現在では、マーケティング面から見てもターゲットが多い、高齢者向けへの高齢者市場が活況です。実際にニーズも高いのです。
高齢者市場が活況な理由とは
日本の年齢層割合は、現在4人に1人が65歳以上となります。このような時代に企業が目を向けないわけはありませんし、高齢者向けのサービス提供や営業戦略を考えるのは、自然な流れです。
事実、多くの企業が「高齢者市場ビジネス」に参入しているのです。高齢者市場が拡大する理由として、ターゲットが多いことは当然ですが、他にも様々な理由があります。
まず、高齢者ほどお金を持っているというわけです。現在の高齢者に対して国からの保証制度による給付の他、高齢になっても元気に仕事をしている方が増えています。
若者のワーキングプアとも一部で言われているように、実は若い世代にお金がなかなか流れていかないという現実もあるのです。そのような日本社会の歪みが様々なところに現れています。その原因となる最たるものが人口バランスの悪さです。
また、もう1つの理由として、価値観の違いです。高齢者ほど、お金や物に価値観を見出しこだわる傾向があります。それに対し若い世代は、物についての執着心がそれほどありません。
例えば、高価なブランドものより、実用性を重視し安くて良いものを好む傾向にあります。つまりコスパの良い商品に価値を見出すのです。それに対し高齢者がブランド物の高価なものに執着したります。
更に若者の車離れが進んでいます。特に都心に住む若者の車離れは顕著です。それに対し高齢者は、車を欲しがります。最近ニュースなどでも、よく取り上げられる高齢者による自動車事故が後を立ちません。確かに車のドライバーを見ると高齢者が多いことに気がつきます。
このようにお金も持ち、お金を使うのが高齢者なのです。そのことから企業が高齢者をターゲットとしたビジネス戦略をうちたてるのは自然のことなのです。
そして現実的に必要なのが、高齢者の介護サポート事業です。今後10年間で高齢層の人口比率は更に増加しますが、時間が経てば高齢者をサポートする必要は更に広がります。
現在でも老人ホームや介護サービスなどの事業展開は進んでいますが、これらのサポート事業は更にニーズが高まることは明白です。その一方、労働者の減少による人手不足により、人材確保も問題となっています。
このように高齢者ビジネスは、様々なところでニーズが高いのです。
高齢者ビジネスの将来に潜む危険性
現在、高齢者ビジネスに注力している企業にとっては、注意すべき点があります。それは、将来的なニーズです。
現在は、活況な高齢者市場にもピークはあります。世代別人口比率の予測では2055年をピークとして高齢者の数が減少しす。
今から30年先のことではありますが、確実にその時はやってきます。つまりその先を見据えれば、減少に転じた時の縮小することがわかっている市場に傾倒しすぎることは危険だということです。
今の、そしてこれからの数年間は確かにピークを迎えますが、その先は一転マイナスです。つまり現在は、道路の渋滞のようなものです。
とは、言ってもこれから先30年という期間を乗り越えなければならないという現実問題もあります。更に変化し続ける価値観や考え方、ライフスタイルにいかに合わせていくかということも重要となってきます。
先進国の中では、これまで前例のないケースに立ち向かわなければならない、日本社会は、様々な問題を抱えつつ進んでいく必要があります。