少子化と言われる現在、実際に教育現場にたつ教員の需要というのは、実際どうなんでしょうか?
はたして、子供が少ない現状に教員のニーズが気になります。
というわけで今回は少子化の時代の今、教員のニーズについて考察していきます。
少子化時代の現在
マーケティングや時代のトレンドを知るためには、現状の把握と未来への予測をすることが重要な要素となります。
そこで今回着目したのが「教員」。小学校や中学校などの義務教育において実際に教育現場で子供達を指導する教員の現状とニーズについて調査してみました。
なぜ、教育現場に着目したのかというと、子供の教育こそ未来にとっての重要な要素であり、将来をより良い環境で生活する為の未来への投資だからです。
現在、日本は少子化という時代が長く続いており、子供の数が全体の人口比率に対して著しく低いのです。それに対して高齢者の比率が高く、日本は先進国の中でトップの超高齢化社会となっています。
高齢化社会となり人手不足による労働力や生産性の低下、介護問題など様々な問題に直面している現代日本ですが、問題となっているのは高齢層だけではなく、人口割合の少ない若年層にも問題があります。
高齢者を支えるのは、若い世代ですから割合の少ない若年層に対する教育にも注力していく必要があります。
義務教育の小学校、中学校と子供の発育や成長に重要な時期に関わる教員の存在や影響力というのは、子供達当人だけでなく将来的には国全体のレベルを築く土台となります。
そんな教員の需要は、少子化のこの時代にどうなっているのでしょうか?
教育現場の実態と教員のニーズ
単純に考えれば、子供の数が減少している現状から、教員の需要は十分足りている、もしくは余剰気味ではないかと思われがちです。
しかしその実態として教育現場には深刻な問題を抱えているのです。その問題とは、小中学校の教員不足なのです。
少子化の時代と言われ、子供の数が少ないのにどうして教員の数が少ないの?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
少子化による影響で統合や廃校になる学校まであるというのに、どうして教員が不足しているのでしょう。統廃合となれば教員の職場も減少しているのに不足というのは、事実なのでしょうか?
現状調査の結果では、2017年度の教員不足は全国で357名ということが事実としてあることがわかりました。
この教員不足の背景にあるのは、もちろん少子高齢化なのです。
そうなるとどうも腑に落ちない点がどうしてもあります。子供が少なければ比例して教員の数も少なくて良いのが普通なのですが、それ以上になぜ教員が不足しているのか?
その理由となるのは、教員採用の調整を行った為です。つまり少子化により教員が過剰になることを想定し採用を控えていた結果なのです。
採用を控えていたのは、正規採用だけでなく非正規採用をも控えていた為、結果的に現状としては教員不足となったというわけです。
一般の職種でも近年は、正規雇用に対して非正規雇用の割合が増加傾向にあります。
雇用状況の全体の内訳は、正規雇用が6割に対し、非正規雇用が4割という現状で昔に比べて非正規雇用が増加したことは、明らかです。
義務教育の小中学校の教員といえども同じような状態は、見られるようです。
更にいえば職業としての教員そのものの存在も問題になっています。
どのような職種であっても「仕事」となれば、楽して稼げる仕事などないでしょう。
人を育て教育をするという重要な役割を担う教職という職業としては聖職とも言える職業ですが、その仕事内容と現実は厳しいものがあります。
教員の仕事は激務
教員の仕事は想像以上に忙しくハードです。何十人もの生徒を把握し管理、教育すること、日々の授業の他に、準備などの付随作業が意外にも多いのです。
年間を通して行事が確定している為、教員は穴を開けることも出来ず休みも少ないのが現実です。
更に普段接している子供達とのコミュニケーションは当然のこととして、職場の同僚や上司となる他の教員とのコミュニケーション、さらに子供の親ともコミュニケーションが必要になります。
最近では片親の家庭も多く、子供1人1人の家庭環境も違い、中には複雑な家庭環境の子供もいるので、授業や日常の学校生活以外の問題にも対応せざるをえない場合があります。
特に最近の親は、モンスターペアレントと言われるようなタイプもおり、自分の子供がいつでも正義と主張し学校や教員に対しての強い要望などを要求されることもあり、コミュニケーションの問題でもストレスを抱える職業と言えます。
つまり、教員の仕事は、聖職としての立場はありながら、職種的には激務の仕事だと言わざるを得ません。
少子高齢化という問題を抱える中、採用調整が必要なことは理解できますが、厳しい教員という仕事を考えれば、非正規雇用での条件では人材確保も難航することは仕方ないでしょう。